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ロードバイク:FLO cycling カーボンディープリムホイールのインプレッション

皆様はロードバイクに乗るとき、どの様なホイールを履いていますか?
巷には鉄下駄を始め、超軽量アルミホイールやカーボンディープリムなど様々なホイールが溢れています。
また、同じ様な設計のホイールであってもメーカーによって設計思想が違うためダイレクトに乗り味が違い、何を買えば良いか迷っている方も多くいらっしゃるかと思います。

その様な状況の中でもホイール選びの手助けになればと思い、以前私が使用していたホイール「FLO 45 (Carbon)」を紹介します。

FLO cyclingとは

あまり聞き慣れないメーカーかと思いますが、FLO cyclingは2009年に発足したメーカーです。
優秀な2人のエンジニアサイクリストが高級ホイールに対抗できる安価なホイールを世に送り出そうと志し発足したメーカーとなります。
流体力学ソフトウェアを用いてホイールを設計するなど、ものづくりエンジニアにはぐっとくるメーカーです。
詳しくは公式ページに記載されておりますので興味があれば御覧ください。
https://flocycling.com/pages/our-story

FLO cyclingカーボンディープリムのインプレッション

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私が使っていたホイールは「FLO 45」という現在は販売されていない1世代前のカーボンホイールとなります。
結論から言うと、1世代前のホイールでも現役の他社メーカーのハイエンドカーボンホイールに負けないくらいの性能は持っていると感じます。

重量については前後合わせて1500gちょっとと、軽量ホイールの類ではありません。
そのため、漕ぎ出しは軽量ホイールには敵わないものの、走り出せば巡航スピードまでの到達時間は(体感ではあるものの)軽量ホイールと比べて短く感じます。
その理由として、ハブのベアリングがセラミックベアリングで構成されており通常のベアリングよりも軽く、滑らかに回転をしてくれるからです。
また、45mmとあまり高くないリムハイトではあるものの、エアロダイナミクス効果が高くスピードに乗ってしまえばグイグイ進み、漕ぎ手を積極的にアシストしてくれます。

実際、私はこのホイールに履き替えた直後のエンデュランスレースで、最終周回まで先頭集団で走れた経験があります。
私自身もびっくりするくらい楽に走ることができ、歴代のレースで一番良い成績を収めることが出来ました。
※その後は機材の性能に慢心し、トレーニングをサボってしまいがちですが…

しかし同時に、このホイールの性能を最大限に発揮するレースは「起伏の少ない平坦なコース」であるとも考えられます。
セラミックベアリングを積んだカーボンディープリムであっても、ある程度の重量があるためヒルクライムや加減速が多いレースなどには向かないと考えられます。

その辺りを考慮した上で、平坦を多く走るサイクリストにとっては間違いのないホイール候補の一つとして推奨します。

他社製品にはない大きなメリット

このホイールの大きなメリットは「安い」です。
国内で流通しているカーボンホイールは前後合わせておおよそ20万円前後が相場かと思われます。
しかし、私が購入したのホイールは前後合わせて13万円しないくらいでした。(為替のレートも関係するのでタイミングによってはもっと安く購入できたかも?)
受取時に関税として7000円程取られましたが、それでも13万円台に収まっていました。
現在のモデルは以前に比べて$100程高い値段が設定されておりますが、稀にアウトレット品が放出されるタイミングがあるため、そのタイミングで購入すればかなり安く購入できるかと思われます。

また、このホイールは「メンテナンスが容易」です。
通常メンテナンスはプロショップにお任せという方が多いかと思われます。
しかし、ホイールのメンテナンスだけとは言え、安くはない出費がかさみます。
ホイールのメンテナンスをサボるとハブの回転が渋くなったり、最悪ベアリング周辺に錆が発生するなど悪影響を与えます。
FLO cyclingではそんなお財布事情に厳しいサイクリストがいることをきちんと理解してくれており、自分でメンテナンスが出来る様にYouTubeでメンテナンス動画を上げております。

見て分かる通り、サイクリストなら誰もが持っている工具だけでメンテンナスをしており、動画通りの手順を踏めば誰もがメンテナンスできる様、設計されております。

扱う上でのデメリット

このホイールにはメリット以外に、デメリットも存在します。
それは、「FLO純正のブレーキシューは役に立たない」という事です。

晴天時のブレーキの効きについては問題ないと感じますが、雨の日のブレーキ性能には疑問が残ります。
そもそもカーボンホイールは雨の日にはアルミホイールに比べブレーキ性能が落ちる特性を持っています。
それを補うために各メーカーはブレーキシューを改良し、ブレーキ性能を維持しています。
しかし、FLO cyclingのブレーキシューは他社のブレーキシューに比べ明らかに効きが悪く、雨の下り道などは命がけと言っても過言ではありません。

正直なところ、ホイールの設計には力を入れている様には感じられますがブレーキシューはどこかのメーカーのOEM品を使っている様でホイールとブレーキシューの相性はあまり考慮されていないのでは?とすら感じます。

私がこのホイールを利用していた際、ブレーキの効きに問題を感じたためブレーキシューを「Swissstop Flash Evo Black Prince」へ変更しました。

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「Swissstop Flash Evo Black Prince」は他のメーカーのブレーキシューに比べると高価なものの、雨天時での「FLO 45」との相性も良く、自分の思う通りにバイクコントロールができるブレーキシューの一つであると考えられます。
もし、私のインプレッションを見てFLO cyclingのカーボンホイールを検討される方がおりましたら「ブレーキシューは変えたほうが良い」とアドバイスさせていただきます。

総評として…

総評として、FLO cyclingのホイールは「カーボンディープリムホイールを新規に購入するのであれば、コストを掛けずに恩恵にあやかれる1本である」事は間違いないと思います。
既に他の高価なホイールを使っているのであれば、重量面や効果を発揮するシーンが限定されているため、新たに購入する恩恵はあまり無いかと考えられます。

もし、これからカーボンディープリムホイールの購入を検討する方がおりましたら、頭の片隅にでも記憶して頂ければと思います。

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