春嵐
父から突然の電話があった。
母が横断歩道を渡ろうとした際に足がもつれて顔面と頭部を強打したとのこと。やがて自分で立ち上がることができなくなり救急搬送となった。
幸い、良き先生とのご縁があり、大事には至らず、1週間ほどで退院できたがこの母の出来事を通して色々気がつかされることがあった。
今回の母の緊急手術によりこの2年間、疎遠になっていた田舎の妹二人と久しぶりに顔を合わせて、母の今後のケアに関してできる範囲で協力し合うことを話し合いお互いに信頼関係を取り戻すことができた。
肉親とは言いながら、肉親であるからこそ、一度もつれた糸の撚りを戻すには何等か大きな力が必要であったように思う。
時間の経過だけでは解決できなかった部分が、母の手術に際して子が集まり、お互い支え合っていくことを顔を合わせて確認したことでお互いのわだかまりが溶けた感じがした。
母が転倒した時の天体のホロスコープが気になり調べたところやはり牡牛座天王星と水瓶座火星がスクエアであった。
また、5室金星、土星ともスクエアであり日常での楽しみ方、子供との関係性、遺産問題等に対しても変革のエネルギーが働いていた。
7室魚座水星と山羊座冥王星がトラインであり、7室の身近な親族とのコミュニケーションにおいて先祖からの働きかけがあったように感じた。
6室魚座海王星と冥王星がトラインの関係であったことも先祖からの働きで大事に至らず、親族の絆を深めていく働きをしたのかもしれない。
母のネイタルチャートは今まで深く読むことに何か妨げるものがあったが
今回の出来事を通して改めて読んでみた。
ASCと冥王星が合で、牡羊座太陽がMCと合。今更ではあるが私の両親は二人ともMCと太陽が合であった。
母の太陽は牡羊座12度と私のドラゴンテイルと同じ度数で、今年は牡羊座新月とも重なっている。
この牡羊座新月に母は退院となり、私も一年間引き受けた自治会の会計の引継ぎを終えた。お金と数字に関わる会計の仕事は苦手な分野で、一年間、気が重たかったが前向きに対応し、重荷が降りた感が強かった。それと母の退院とも重なったのでとても象徴的と受け止めた。
緊急処置室での脳神経外科の主治医は安冨歩氏にとても雰囲気が似た薄化粧の似合う先生で、患者側の立ったきめ細やかな配慮の説明、誠実な向き合い方にとても気持ちが明るくなった。
最初にCTの画像を示しながら今回の脳の手術は、特別なものでなく、高齢者の転倒時によくある出血で1時間程度の軽度の手術であると穏やかに説明があった。母も聞こえる範囲の場所にいたので、その点も意識された説明であったと思う。
その前に別の当直医の先生が画像のみを見せてぼそりと「脳に出血しています」と言われ、2,3質問をしてもそれ以外は脳外の先生に聞いて下さいという回答のみで患者フレンドリーではなかった。
その重たい雰囲気に妻と妹は母が重篤な状態だと受け止めて泣いてしまった。
私は仕事柄、脳外科関連の仕事もしていたこともあり、今回のCT画像の出血の状態と母の意識状態、神経症状(頭痛、吐き気、眩暈、麻痺などの有無)が出ていないことから重篤な状態ではないと推察していたので、安冨歩似の先生からの説明によりとても納得できた。
と同時にこの先生の実にわかりやすい説明と術前術後の我々への気づかいにとても関心し、信頼を高めた。
こんなに素敵な先生とのご縁で執刀してもらい母は幸せだと感じた。
今回、足がもつれたのは1~2か月前に転倒した際の衝撃で硬膜下腔に少しづつ出血していたようで、今回の転倒がなければ頭部に血種があるということにも気がつけなかった。
また転倒時に車に轢かれることもなく、骨折することもなく最短の入院期間ですんだということも大きな救いであった。高齢者の場合、骨折で入院が長期化すると一気に足の筋肉が衰えてしまうと言われている。
そして、母の緊急手術、入院、退院直後のケア等3人の子が調整してサポートしていくことで今後も何かあった場合のイメージが明確になった。
今後のことも含めて実家の最寄の地域包括センターにも出向いて相談をする中で、介護保険でのサポート範囲は、介護認定を受けている人のみの居住エリアしかサポートできないという事実もわかった。
現状、母は元気過ぎて介護認定は得られないことが確認でき、父が最も低いレベルでの介護認定を得たとしても父の居室しかサポートができないという不合理さ・・・
結果的に、現状は民間の在宅サポート(実費)で依頼することが現実的であることが整理できた。
また、父や母の年代は、他人が家に入ってくることに強い抵抗があり、何とか自分たちでやっていきたいという意志がはっきりと伺える。
その気持ちは尊重しつつ、いつまでも同じ状態が続きとは限らないので、状況が変化した際には速やかにまた次の対応を選択できるよう準備をしておこうと思う。
今回の母の出来事を通して親族との関係性や離れて暮らす両親へのサポート体制への不安要素も具体的に動いていくことで不安が不安でなくなってきた感覚があり、これも大きな変化であった。
硬膜下血種除去術春嵐
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