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コンステレーション



河合隼雄先生(以下、河合先生)の京大最終講義のテーマは「コンステレーション」。

「コンステレーション」という単語は、そのものでは「星座」を意味する言葉である。「コン」(con-)は「ともに」(with)にあたり、ステレーションの「ステラ」は「星」を意味し、「星座」という意味をもっている。
ユングがたよりにしてきた「コンステレーション」は、星座のことではなく、心の問題を扱う上で、はじめは「コンプレックスがコンステレートしている」というように使っていたという。
河合隼雄は、ユングが使ってきた「コンステーション」の使われ方と意味合いの変遷を追いながら、「コンステレーション」の言葉の重要性と可能性を聴き手に伝えている。また、それらを語ることで、河合隼雄が辿ってきた道の「物語」を語っている。



心理学でのコンセントレーションという言葉は今まで知らなかったが、星座という意味も含んでおり、きしくも2年前から学んできた意識の学問としてのホロスコープを通して学んできたことと見事に一致する。

ホロスコープのもとをたどればギリシャ神話につながり、まさに物語として10の惑星の働きが象徴されている。
そしてその惑星が12のサインというフィルターを介して現実世界の12のハウスに降りてくるのである。
一人一人違うホロスコープではあるが、そのチャートを通して生まれるのはまさにその人でしかない物語なのである。


また、今春から神話や物語を通して真実が伝わり、自分の感情や現実的な出来事を物語として受け止めていくことを意識してきたが、そのことの集大成としてこの動画と出会ったように感じた。
河合氏の生の声ははじめて聞いたが、関西のおっちゃんという感じで、重たい話の中にユーモアを交えて聞く人を惹きつける魅力がある


河合隼雄 - 京大最終講義 コンステレーションについて - YouTube



また、この伝説の河合先生の京大最終講義も含まれた形で文庫本として出版されている。


日常的に出会ったことの意味を自分なりに見出していく作業は、ある見方をすれば、一種のこじつけと受け止められる場合もあるかもしれない。

しかし、意味づけをするで、起こってしまったことが自分のせいではないと受け止めることで(起こったのは惑星の導きと紐づけていく)自分自身を責めることがなくなり生きることがだんだんと楽になっていくのである。



河合先生が学ばれたユング研究所。
ユングも晩年は西洋占星術にも興味を持っていたと聞いている。
ユングに関しては今まであまり調べたことはなかったが、河合先生のコンステレーションのお話を伺い、図書館でユング名言集を読んでみた。

文化は無意識の意識化なり
無意識の内容を意識化することは、もっとも広い意味における文化であり、自己認識であり、精神のもろもろの動きの本質であり、真髄である。

マドモアゼル愛先生が何度も動画で語っておられる生きる目的は自分の意識を拡大させることと一致する。ホロスコープは占いではなく、意識の学問という視点に立ったとき、私たちは、この意識の拡大という意味合いが実によく理解できるように思う。


「影の意識化を恐れるな」(もともと影は、意識されることによって自我に統合され、これによって全体性が実現される。全体性とは、けっして完璧ということではなく要素がすべてそろっているということだ)

無意識の象徴としての影はまさにマドモアゼル愛先生の言われる月星座の働きと重なる。無意識に働く自分自身の月星座と向き合うには痛みが伴い、勇気が必要であるが、意識化することで、太陽をはじめとする惑星の輝きが増す。そして、どの人のホロスコープにも10の惑星の要素が働いており、その要素を意識することで普遍的なものとして自分を受け入れていける


無意識が奪う日常の行動力
無意識が打ち出してくる要求は、はじめはちょうど、人を無力にさせる毒薬のように、人の行動力とやる気を妨げるよう働きかけてくる。

愛先生の月星座の働きはまさに日常の行動力を奪っていく。
しかしながら、その月星座の無意識領域に忍びより働きを日常的に意識すれば月星座の働きがおさまる。
その月星座の働きは、太陽で生きている人であれば、月星座の存在は薄いに違いない。月がどのように働くかも月星座のあるサインや、他の惑星との影響度で異なってはくるが。



だれもが集合的無意識に踊らされている
私たちは長い生涯を自分がきめた方針に従って生きてきたように思っているかもしれない。だが私たちは、実際には集合的無意識が演じる世界劇場の芝居の諸場面に登場する端役をつとめてきただけでということをけっして察知しない。

私たちは世界劇場の芝居の端役というフレーズに思わず納得。
目の前の出来事はまさに劇場としてもう一人の自分が物語として観ている
ように流れていくという意識が確かなものとしてあったに違いない。

河合氏が大学の記念すべき最後の授業のテーマを「コンステレーション」とされた背景に、ひとりひとりが自分の人生をひとつの物語として受け止めて安らかに豊かに生きてほしいという願いがあったように感じた。



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小鳥来るクロノグラフの赤き針


※俳句と写真日記を毎日更新中



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