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東大に行っていいのは金持ちだけ?2024年私学助成金ランキング


🖋福沢諭吉と教育の平等

 明治初期の日本は、西洋の影響を受けつつ、急速な近代化を遂げていました。この時代の変革の中心にいたのが、福沢諭吉です。彼は、日本の近代教育の父とも称され、慶応義塾大学の創設者でもあります。しかし、福沢諭吉が「東大に行くのは金持ちだけで良い」と説いたという話は、彼の思想や実際の言動とは異なります。

 福沢諭吉は、『学問のすすめ』を通じて、教育の機会均等を強く訴えました。彼は「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」という有名な言葉を残しており、これはすべての人が平等であるという考えを示しています。彼の教育観は、個人の自立と国家の発展を重視し、貧富の差に関わらず、すべての人に学問を進める機会を提供することを目指していました。

 福沢諭吉の時代には、確かに社会的・経済的な格差は存在していましたが、彼自身が貧しい家庭の出身でありながら、自らの努力で学問を修めた経験を持っています。そのため、彼は教育を通じて個人が自立し、より良い社会を築くことができると信じていたのです。

 また、福沢諭吉は、教育を受けることが個人の自由と独立につながると考え、そのためには社会的な障壁を取り除く必要があると主張していました。彼の教育論は、現代においても多くの議論を呼ぶテーマであり、彼の思想は今日の教育制度にも影響を与えています。

 福沢諭吉の教育に関する考え方は、単に金持ちだけが教育を受けるべきだというものではなく、すべての人が平等に教育を受ける権利を持つべきだというものでした。彼の思想は、教育の平等性という点で、現代の私たちにも大きな示唆を与えています。福沢諭吉の教育に対する深い洞察と、それがもたらす社会への影響は、今後も研究と議論の対象となるでしょう。彼の教育への情熱とビジョンは、時代を超えて尊重されるべきものです。

🖋「学問をするものは賢く金持ちとなり、学問をしないものは愚かな貧乏人になる」とは?

「学問をするものは賢く金持ちとなり、学問をしないものは愚かな貧乏人になる」という言葉は、福沢諭吉の著書『学問のすすめ』に見られる考え方です。この言葉は、学問の重要性と社会的地位や経済的成功との関連を強調しています。福沢諭吉は、明治時代の日本で西洋の自由主義的な思想を紹介し、日本人に対して自己啓発と社会的進歩のための学問の必要性を説いた人物です。

彼の言葉は、当時の日本社会における身分制度の枠を超えて、個人の努力と教育が社会的地位を向上させる手段となり得るという新しい視点を提供しました。『学問のすすめ』は、多くの日本人に影響を与え、教育の普及と社会改革の推進に寄与したとされています。

この言葉は、単に学問をすることが経済的な豊かさをもたらすという意味だけではなく、知識を身につけることで、より賢明な判断ができ、社会的な責任を果たすことができるという深い意味を持っています。学問を通じて得られる知識と経験は、個人の内面的な成長にも寄与し、社会全体の進歩にも貢献するという考え方を示しています。

福沢諭吉の思想は、現代においても多くの人々にとって重要な意味を持ち続けており、教育の価値とその社会的影響力について考える機会を提供しています。学問とは、単に知識を蓄えることだけでなく、それを活用して自分自身と社会をより良くするための道具であるというメッセージを、私たちは福沢諭吉から受け取ることができるのです。

🖋現・慶應義塾長の伊藤公平氏の発言。何が問題なのか?

 慶應義塾長の伊藤公平氏が提案した「国公立大学の学費を年間150万円に引き上げるべき」という発言は、日本の高等教育に関する大きな議論を巻き起こしています。この提案は、国立大学の学費を現在の標準額である約53万5800円から約3倍に引き上げることを意味し、教育の質を向上させるためには公平な競争環境を整える必要があるという理由からです。しかし、この提案にはいくつかの問題点が指摘されています。

 まず、国公立大学の学費を私立大学の平均額である約95万9205円を超える150万円に引き上げることで、国公立大学を志望する理由の一つである「学費の安さ」が失われることになります。これにより、経済的な理由から国公立大学への進学を考えていた学生や家庭に大きな影響を与える可能性があります。

 次に、学費の大幅な値上げは、貸与型奨学金の利用者を増加させ、卒業後の返済負担を重くすることが予想されます。これは、すでに奨学金返済に苦しむ若者が増加している現状をさらに悪化させることになりかねません。

 さらに、国公立大学に多額の税金が投入されているのは、「教育の機会均等」を実現するためです。授業料の値上げは、この目的に反する行為となり、地域間の教育機会の格差を拡大することにもつながります。

 また、伊藤氏の提言は、経済状況の悪化に伴い学費の引き下げを求める動きと逆行しています。所得の減少は学費の支払いを困難にし、高い学費に苦しむ学生や親の状況を受けて、国立大学の授業料は長期間据え置かれてきました。このような背景を考慮すると、提案された学費の値上げは、多くの人々にとって受け入れがたいものとなっています。

 この問題については、さまざまな意見や議論がありますが、教育の機会均等を守り、すべての学生が質の高い教育を受けられるような環境を整えることが重要です。学費の値上げが教育の質の向上に直結するとは限らず、教育の公平性を損なう可能性があるため、慎重な検討が求められます。

🖋日本の私立大学への助成金の流れ 私学助成金総額は年約3兆円

 日本の教育システムは、多くの私立大学が存在することで知られています。これらの大学は、国からの助成金によって大きな支援を受けており、教育の質の向上や研究の発展に寄与しています。私立大学等経常費補助金は、教育や研究に必要な経常的な経費を支援するために交付されており、大学の教育研究条件の維持向上及び学生の修学上の経済的負担の軽減に役立っています。

私学助成ランキング 

 私学助成金の総額は年度により異なります。以下に最近の数年間の総額を示します。

朝日新聞社刊 2024年 大学ランキング 私学助成ランキングより

100万単位は切り捨てた。 ※筆者注釈

1位 早稲田大 85億3千万
2位 慶應義塾大 77億9千万 ※医学部あり
3位 昭和大 55億5000万 ※医学部あり
4位 立命館大 55億4000万
5位 東海大 53億1000万 ※医学部あり
6位 順天堂大 51億5000万  ※医大
7位 北里大 40億7000万 ※医大
8位 福岡大 38億8000万 ※医学部あり
9位 近畿大 38億7000万 ※医学部あり
10位 関西大 33億7000万
(略)
210位(最下位) 聖学院大 2億9000万

私学助成金の総額は年度により異なります。以下に最近の数年間の総額を示します:

🖋令和4年度:私学助成金総額は約2兆9807億円

令和3年度:私学助成金総額は約2兆9255億円


 これらの金額は、私立の大学や短期大学、高等専門学校に各学校の教職員数や学生の数などによって毎年交付されます。具体的な交付額は、各学校や年度により異なります。詳細な情報は、私学振興事業団のウェブサイトで確認できます。また、各学校ごとの補助金の交付額については、私学振興事業団が公開している一覧表をご覧いただくことも可能です。ご参考までにどうぞ。

 また、私立大学等における教育研究の充実と質的向上を図るための補助金も存在します。これには、研究施設や教育装置の整備、防災機能の強化などが含まれており、学校法人に補助されています。さらに、私立学校施設の高度化・近代化を推進し、教育研究条件の充実向上を図るための助成も行われており、老朽校舎の改築事業などに対する利子助成も実施されています。

 これらの助成金は、私立大学が直面する経済的課題を軽減し、学生たちにより良い教育環境を提供するための重要な役割を果たしています。国の支援により、私立大学は教育の質を維持し、研究でのイノベーションを追求することができるのです。

 しかし、これらの助成金には配分基準や交付状況に関する透明性が求められており、公平な支援が行われるように常に監視と評価が必要です。私立大学への助成金は、教育の機会均等を実現し、学問の自由を保障するためにも、非常に重要な投資と言えるでしょう。

 日本の私立大学への助成金制度は、教育の質の向上と学生支援の強化を目的としており、これからも国の教育政策の中で重要な位置を占めていくことでしょう。私立大学がこれらの資金をどのように活用していくかが、今後の日本の教育の未来を左右する鍵となります。私立大学への助成金は、学生たちの夢を実現するための一助となり、日本の教育の発展に貢献していくことでしょう。

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