無痛分娩体験談(難病だけど第二子を産んでみた)

無痛分娩について、まだまだ日本ではケースが少ないようなので、参考までに書き残しておきます。

結論

「全然『無痛』ではなかったけど、選択肢としてはアリ」です。

経緯

但し書きとして、普通に産むつもりでたまたま無痛を選ぶことになったので(詳細は過去記事参照)、痛いのが苦手な人とは少し感覚がずれているかもしれません。

書いている本人は基本的に痛みに強い(痛みを感じないわけではなく、痛くても我慢できてしまう)タイプの人間です。

実際のところ

持病の万が一対応のために、医療体制が厚い平日日中に産めるのが理想…という前提のもと、
・前日 入院→麻酔のラインを通すなど事前準備
・当日 朝から促進剤→GO!
ってできるといいね~とお医者さんと言っていたものの、そう上手くいくはずもなく。夜中に陣痛開始して12時間コースでした。

麻酔

「硬膜外麻酔」というもので、背中から管を通す作業を前日に行いました。
総合病院だったので、立派な麻酔室で麻酔科の先生による施術。
管を通す箇所に打つ局所麻酔の注射が多少痛かったですが、そこから先は背中に管が通される違和感があるほかは、施術台に横になっているだけなので辛くありませんでした。

管を通した後、試験的に麻酔を注入。数分で下半身の感覚がなくなり、自力で足を持ち上げられなくなります。効くことが確認出来たら麻酔を切って終了。
テストで入れた麻酔が切れるまでは車いすで移動(30分~2時間くらいで感覚が戻りました)。

ちなみに麻酔ってメカニズムが解明されていないんですよね。昔から行われてきたから外科治療の時に使ってるけれど、お医者さんもなぜ効くのかはわかっていないそうです。

この麻酔で地味~に辛かったのは、管を入れた箇所がじわじわ痛い。
特に、あおむけの姿勢になると自重で痛みが増して厄介でした。

本番

陣痛が始まったら麻酔も注入開始。胎児モニターと自己申告をもとに、痛みの度合いに合わせて少しずつ量を調整しているようでした。

で、これが結局、痛かったんですね…。
無痛なんてとんでもない。

特に、促進剤を打ってからは、本当に麻酔入っている?と思ってしまうくらい普通に痛かったです。自力で足を持ち上げられなかったので、確かに麻酔は効いていたのですが。
「普通に産んだ一人目の時と変わらないよー!」とその時は思っていました。

ただ、もしかすると私が痛みを我慢し過ぎたせいで、効くのが遅かった(弱かった)だけかもしれません。朝、出勤してきたお医者さん(夜の間は助産師さんがついていてくれた)が痛みに耐えている私を見て「普段から痛いの我慢しちゃうタイプでしょ!」と言いながら麻酔の追加をオーダーしていたので…(結局追加で届いた麻酔を使う前に産んでしまった)。

それに、痛みが本格化する前(感覚が狭まってくる前)の時間帯は、確かに楽でした。モニターの針は触れているけど痛みの感覚はないな、という時間帯もあって、ほかの分娩室からずっと絶叫やら泣き声が聞こえている中、私はうとうとしていたくらいなので。

また、私にとって無痛を選択する決め手になった「産後の体の回復が早い」については、確かにそうかも、と感じています。あくまで産後のボロボロな心身にしては、ですが。

まとめ

あくまで個人の感想ですが、
かかった時間の内7割の時間は普通より楽で、残り3割は痛いし大変なことに変わりはなかったです。


なので、もし字面を信じて「無痛」分娩を選ぼうとしている人がいるなら、その考えはちょっと甘いかもしれません。
ですが、痛みの軽減を期待するくらいの気持ちなら、アリだと思います。

痛みに耐えてこそお産だ!みたいな思想(もはや信仰)がありますが、痛みなんて我慢しても何もいいことないですからね。将来、選択肢として当たり前に選べるようになればいいのにと思います。
(そういう私自身が癖で我慢してしまったのですが…もったいないことをした)

しつこいですがあくまで個人の体験にもとづく感想です。
人や病院によって違うことも多々あるかと思いますが、これから母になろうとしている方にとって参考の一つになれば幸いです。



余談

実は前日の入院~退院までの間、持病の絡みで色々起きてちょっと大変だったのですがそれは割愛します。

ただもし、私と同じように持病があって妊娠出産を躊躇している人がここに辿り着いたなら、その人のために一言だけ。
後々悔いることのないように、簡単には諦めずにお医者さんや家族と納得するまで相談してください。
大変なこと、しんどいことはあるけれど(産む前も後も)、私は納得いくまで考えつくしたおかげで、心を決めた後からは心配事があっても強い気持ちを持ち続けられました。

ありがとうございます。 いただいたサポートは最近始めた某資格の受験料の足しにしたいと思います