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希望とリスクを天秤にかけて(難病だけど第二子を産もうと試みる)

基本的に、私の持病は発作さえ起きなければ健常者と変わらない生活ができる。

細かく挙げれば色々あるけれど、ちょっと気をつけたり我慢すれば済む話で、寝て起きてご飯食べて働いて、お風呂に入ってまた明日。という生活。

妊婦生活も、特に変わったことはなく。悪阻が酷い人や、妊娠中の病気、例えば高血圧症とか糖尿病なんかにかかってしまった人の方がよほど大変なのではと思う(辛い思いをされている方、どうかお大事に)。

健康な妊婦さんと違うことと言えば、病院の選択肢は少ない。
総合病院一択。

ラグジュアリーな個室もなければ、お祝いフレンチフルコースも無い。マタニティヨガクラスもありません。

「どこにしよう〜人気の産院は早めに予約しなきゃ!わくわく!」

…なんてものはなく、循環器科はあるか?ICDに詳しいお医者さんはいるか?をひたすら調べて決定。

本当は主治医がいる病院が安心だったけど、引っ越してしまって少し遠いので、相談の上、自宅近くの総合病院にかかることに。

子の経過と遺伝の話ちょこっと

子の経過は順調。暴力的なほどの胎動を日夜繰り広げている(私は「ご乱心」と呼んでいる)。

心拍も平均的と言われてひとまず安心。私の持病は遺伝する可能性があるからだ。

現在、この病気を引き起こすと判明している遺伝子の型がいくつかあって、当てはまる型を持っていればそれに合う薬で発作を予防できる。というところまで研究が進んでいる。

私は検査の結果、どれにも該当しなかったのだけれど(だから治療法も薬も定まらない)、まだ発見されていない遺伝子があるかも知れないと思うと、長男にも第二子にも遺伝しているかもしれない。

ただ、生まれてみないとわからないし、成長してから検査しないとわからないから、とりあえず2人には生まれ育ってもらおうと思っている。

だって私、最初の発作が起きたときにそこで命が終わっていたとしても、それまでの29年の人生、それなりに楽しかったもの。長生きできないリスクや細かな我慢を多少強いられたとしても、お釣りがくる人生になる可能性が少しでもあるなら、生まれる前から勝手に私が憐れむのも失礼かなと思う。

もし同じ病気を受け継いでしまって、本人たちから恨まれたら、その時は謝ろう。
できれば恨まれないように、彼らが幸せな人生を歩むためのサポートの方を頑張ろう。そう考えている。

出産時のリスクについて

直近の検診後、産科と同じ病院内の循環器科へ。出産時、何かあった時にスムーズに対応してもらえるよう、念のため一度受診してカルテを作っておいてもらうことにしたのだ。

そこで言われたのは、「私の出産にあたって何が起きるか(どうするのがベストか)正直わからないけれど出来るだけ善処します」ということ。

大丈夫、そのつもりです。
絶対助けてなんて言わない。

起こりうる最高は「何事もなく産めること」、
そして最悪は「1人、もしくは2人の命を諦めたり失うこと」と覚悟を決めてから授かった。

ただ、改めて言われて、主治医ではない先生に荷を負わせるのは申し訳なかったなとは思った。

提示された選択肢

いよいよ、「産み方どうする?」という話が出た。


当初の主治医の見立てでは「普通に産めるんじゃない?」と言われていたが、その後大きめの発作が短期間に3回起きて、ICDの電池残量が今までにないペースで減少したことで、出産予定の病院の先生からはもっと悲観的な想定を示された。
示された選択肢は3つ。

1.あくまで通常どおり、産気づいたら入院して普通分娩で産む
2.予定日を決めて促進剤を打った上で普通分娩で産む
3.予定日を決めて帝王切開

1の場合、病院の体制が薄い休日夜間などになる可能性もあるのが懸念。
2、3なら、体制が厚い平日日中にできる。
ただ、2or3を選ぶにしても、どちらがベターかというのは言い切れないとのこと。

正直、何も考えていなかったので素直に「考えていませんでした…」と答え、まだ時間があるので産科の先生たちでも検討してもらうことになった。

我が家の希望

私自身は、できるだけ我が子が無事に生まれてこられる方法なら何でもいいと思っている。できれば、私自身の状態もなるべく良いとなお嬉しい。

なぜか夫が「帝王切開はちょっと…」と渋っている。自分が切られるわけでもないのに何のこだわりだろうか?
ICD入れた時点で既に私の体にはメス入ってるのに(それに、これからも生き続ける限り何度も手術を受けなければいけないのに)。

健康な妊婦さんの世界でも、根拠のない「普通分娩至上主義」みたいなの、今でもあるけれど、余計なお世話よねと思う。
産み方で子への愛着や愛情が変わるなんて根拠に乏しすぎる…。悩んでいる妊婦さん、周りからなんやかや言われて嫌な気持ちになった方、産む本人が好きに選べばいいし、十月十日育んで「命」を生み出したことだけでもとてつもない偉業だと、私は思いますよ。

閑話休題。

まだ時間はあるけれど、近いうちに家族内で折り合いをつける必要はありそうだ。
ただ、感覚や心情よりも、できるだけリスクと影響の見立てをもとに判断したいなと思う。

まあ…意識ある状態で体切られるのは怖いから、帝王切開ならできれば全身麻酔にしてほしいかな…。


ありがとうございます。 いただいたサポートは最近始めた某資格の受験料の足しにしたいと思います