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X100Fとさんぽ|暑い夏は早朝の公園で

暑い夏、皆さんはいかがお過ごしですか?写真撮れてますか?私は暑さに負けて撮りにに出掛けてませんでした。

うちの玄関前で暑さゆえ“無”になる地域猫

⒈夏の朝方の光の綺麗さに気づく

Steetphotography好きな私にとって、光がしっかり出て影もしっかり出る日中は暑すぎて出かける気になれず、いや身体を守るには出かける気になれなくていいのかもしれませんが、でも写真を撮りたい気持ちをどうしたらいいか、と思っていました。そんな中、朝方の光の綺麗さに少し心惹かれている自分がいました。

今年の6月、朝の城山公園辺り

それで、お天気アプリで1日の中でも気温が低い時間帯を調べてみたら、朝の5時6時でした。これは、と思って朝の6時台前後に公園に行ってみました。
そしたら、結論、とてもいい光に出会えました。そして、涼しいとは言いませんが、それでも過ごせる暑さでした。
半袖半パン姿なので格好的な優位性も考慮してください。私が行った松山市の中心にある城山公園には、緑がたくさんあって大体半袖半パンだと虫のえじきですが、朝方は気温が低いためか、あまり虫もいませんでした。でも場所に寄りますから、長袖長ズボンがいいかもです。
このnoteで紹介した写真は全てUnsplashにアップロードしました↓。noteより高画質でご覧いただけます。

⒉公園に着いてすぐ輝く朝日の出迎えを受ける

(以下、今週の7月29日月曜に撮ってきた写真です)

2-1.城山公園運動場付近にて

インスタなどで見るKodakGold200を使ったフィルム写真が私の目には美しくて、富士フィルム機で再現できるレシピ↓を使って撮っています。この日の朝日の光は、私の目にはまさにKodakGold200っぽく見えました。

KodakGold200Recipe
Classic Chrome
Dynamic Range: DR-Auto
Highlight: -2 / Shadow: +1 / Color: +3
Noise Reduction: -4 / Sharpening: -2
Grain Effect: Strong  / Color Chrome Effect: Off
White Balance: Daylight, +4 Red & -5 Blue
ISO: Auto, up to ISO 6400
Exposure Compensation: +2/3 to +1 1/3 (typically)

FujiXweekly.com
2-2.城山公園運動場付近にて

↑この写真の露出、iPadOSのカメラアプリのEXIF情報だと0.7evなので、+2/3にしたんだと思います。けっこう眩しいぐらいに朝日が照らしていたので、控え目にしたくて少し落としました。

2-2の写真のEXIF情報

左上の遠景に、山上に鎮座する松山城が見えます。この写真を撮影した日は7月の豪雨で発生した土砂崩れの為、まだ入山禁止でしたが、7月31日に入山できるようになりました。
逆光で特に強い光の場合、X100Fはフレアやゴーストが発生します。F値を絞ると角度により丸いリングが出るんですが、しっかりそのリングを故意に出す時もあるし、ファインダーを覗きながらカメラを上下左右に少しずつ動かすとフレアの出方が変わってきます。ここはフレアをしっかり出して光を表現するより、朝日が照らし始めた公園の一瞬の静けさに重点を置いてみました。

⒊影の様子も好きな感じ

3-1.城山公園運動場付近にて

この日の朝日は、はっきり出ていたのもあり、影も長くはっきりしていました。影がはっきり出るのかどうか、長いのか短いのか、どっちの方に伸びるのか、この辺りを意識して影を入れた構図を考えると、楽しいです。

3-2.城山公園にて

↑この写真は、手前側右はシャドウ側に落ち込んでいます。ここで強調したかったのは、朝の光が木の枝と葉っぱの間から溢れているような瞬間と、その光が手前まで届いて地面の草の一本一本も照らしている様子。路面は反射して輝き、地面の草はKodakGold200Recipeの作り出すトーンで少しゴールドっぽくなっています。そこにシルエット的に公園の中央に進み始めたおじさまが写り、おじさまの影がこっちに伸びて影の存在感も少しあります。

影をラインとして考えたら、↓の写真の構図はあんまりです。おじさまと朝日が一直線に並ぶ位置に自分が移動して写してもいいところです。でも、朝の気持ちいい空と遠景の街並み、芝生広場とその間を横ぎる道のラインが、構図としてスッキリしているなと見えました。

3-2城山公園の芝生広場にて

人と影に目が行くと気づかないですが、空と陸が写真の中で2分割ぐらいになっています。もちろん好みがあるので一概に言えませんが、見ていて気持ちいい構図になったと思います。

⒋芝生のモリモリ感と影の味わい

4-1.城山公園芝生広場にて

今は夏だからか、城山公園の芝生がモリモリしています。モリモリして芝生としては背が高い分、シャドウが濃くなっています。芝生のシャドウが濃くなるタイミングなんて、太陽がだいぶ低い位置じゃないと出会えません。

4-1のヒストグラム(LightroomMobile)

ここでヒストグラムを見ながら振り返ります。この写真の瞬間は、朝日が山の麓から顔を出していて、それでいて愛媛県庁の建物で遮られてもいるので、写真中央はシャドウ側になっています(=ヒストグラム:中間調の光量が低い)。
写真中央にシャドウ側になる部分がありつつ、中央から下はハイライト側、手前になるほどシャドウが濃くなっています(=ヒストグラム:シャドウ側の青の波長が赤黄緑と全く違う背の高さ)。通常、写真を見る人の視線を考えると、中央かその周辺の被写体は明るいものを持ってきがちですが、私は朝日が芝生をしっかり輝くように照らしている、という光の働きとその輝きを強調したかったので、撮りたいように撮った感じです。写真中央部分、愛媛県庁の建物で影になりつつ、その影の合間の光が当たった部分に人のシルエットが通った瞬間を持ってきました。それで、写真中央にシャドウがきても面白いなと思ったところです。

4-1.中央だけ切り取り

そして空はこれだけ光量が多いながら白飛びせず、しっかり空の青の色も出してくれています(=ヒストグラム:ハイライト側の青の波長の背が高い)。印象に残る1枚になりました。
こうやってヒストグラムを見ながら、分析していくと、編集したい時などどの山を低くしてどこを高くしたらどういう色や光の表現になるか、目的としたところに最短で辿り着けます。

4-2.城山公園の芝生広場にて

↑の写真を見ると、もっと芝生のモリモリ感がよく分かると思います。1枚前の写真が朝日の出てきた東を向いて逆光で撮った1枚で、この写真もカメラの位置はあまり変わりませんが、方向は東南方向です。
この写真はレイヤーを楽しんでみました。モリモリの芝生、朝日を受けて左半分が光っている背のあまり高くない桜の木々、真ん中辺りに朝日の方向に向いて歩いているお二人のおじさま、桜の木々の後ろに広がる深緑の大きな木々、その後ろに広がる水色の空。このレイヤー構造は城山公園にくればいつでも見れるものですが、朝日を受けたこの瞬間しか見られない色が私の目を引きました。

4-2.のヒストグラム

ここでヒストグラムを見ながら振り返ります。写真左から届く朝日に照らされた芝生と緑はKodakGold200レシピのせいで少し黄色から黄金色に寄っています(=ヒストグラム:ハイライト側で山になった赤と緑の波長)。その後ろの背の高い木々は背に朝日を受けているはずですが、この写真で見える側は太陽がまだ低いために、シャドウ側になって緑が濃くなっています(=ヒストグラム:シャドウ側と中間調の間辺りに盛り上がった青の波長の山)。そして、絵に描いたような何もない水色の空(=ヒストグラム:ハイライト側に上がりすぎた青の波長)。これはKodakGold200のレシピの元になっているクラシッククロームの特徴的な青が出てきたのかなと思います。

4-3.城山公園の芝生広場にて

↑の写真は、朝日を背にして、西側に向いて撮った1枚です。太陽の位置が高くないけれど、光がはっきり出ていると影もしっかり出つつ、長くなって影遊びもできます。この写真では左半分に木の長い影を配置して、見えてない木の存在感を残しつつ、朝の芝生の気持ちよさが出ました。いますぐ寝転びたい感じです。写真上半分の木々が少しV字の谷を作り、そこに気持ちよく晴れた青空。私にとってはX100Fでクラシッククロームを使い始めた頃に好きになったあの青です。

4-3のヒストグラム

ここでヒストグラムを見ると、4-2の写真と同じくハイライト側で青が飛び出ています。これが空の青の部分。4-2の写真のヒストグラムにあった、中間調の青の山はシャドウ側に移ってでもここでもしっかり山を作っています。この山が写真左下を占有する木の影の部分。こう見ると、KodakGold200のレシピですが、思ったより青の波長が出ている気がします。

Lightroomのカラーグレーディングパレットで
4-3のシャドウを微調整

そうしたらLightroomでカラーグレーディングでシャドウ側を青と逆の色、黄色や赤の方へ移動させると、ヒストグラムも変わってきます。

4-3のヒストグラム(上記カラーグレーディング後)

青の山がより左に寄り、赤の山が中間調に近づきました。ヒストグラムと実際に撮った写真のハイライトやシャドウを分析しながら振り変える意味はここら辺にもあります。皆さんもよかったら挑戦してみてください。

⒌光と影に慣れたところでドラマを探す

ここまで見た情景や構図も気に入ったけれど、少し違うドラマはないかと探している自分がいました。朝の公園ですし、そんなにないんですが。

5-1.城山公園の芝生広場にて

暑くて私なんかは走る気なんて起きないんですが、早朝からランニングされている方々をチラホラ見ました。↑この瞬間、こちら側は木の枝の間から光る朝日が輝いて綺麗だなと思いつつ、遠景の路面には影ができつつ光の筋ができてそこにスポットができていたのを見つけました。そこにちょうどランニングの方が入ってきて、影が綺麗に出た瞬間です。

5-2.城山公園の芝生広場にて

↑の写真も場面としては似ていますが、大きな木の枝の広がりを入れたいのもあり横にしました。写真右上の空を見ると露出が高くて白飛びに近い感じです。しかし、ここでそこまで露出を上げたのは、朝日を受けた、この大きな木のシャドウ側の様子を写したかったんだと思います。ハイライト側もシャドウ側も綺麗に写り、白飛びしすぎないところを狙ってシャッターを押したんだと思います。かすかに、ワンちゃんとお散歩されている方のシルエットが写っています。朝の風景っぽいなと思ったけれど、遠すぎて様子が分からないですね汗。

5-3.城山公園の芝生広場にて

朝の時間帯だからでしょうか、少し急いで走って職場に向かう姿もありました。ちなみに、5-3の写真の中央に写った大きな木が5-2の写真の木です。

5-4.城山公園を愛媛県庁側に抜けて

城山公園を抜けて街側の風景を見てみたら、朝日が街を照らし、建物で大きな影ができていました。

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