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「岸辺露伴 短編小説集」収録エピソード紹介!

放送されたばかりのTVドラマも話題となりました「岸辺露伴は動かない」シリーズ。この記事ではJBOOKSより発売中の2冊の短編小説集をご紹介します。ドラマになった「くしゃがら」を始め、露伴が遭遇する奇妙な出来事の数々をチェックしてみてください。

『岸辺露伴は叫ばない』収録作品紹介

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「くしゃがら」
北國ばらっど

漫画家の志士十五(ししじゅうご)から決して使ってはいけない「くしゃがら」という語の存在を聞いた露伴。だが、いくら調べてもその意味はわからない。「くしゃがら」を追い求めるあまり次第におかしくなっていく十五。その異様な様子を前にした露伴は、〈ヘブンズ・ドアー〉を発動し、彼を「本」にするのだが……!?

「Blackstar.」
吉上 亮

露伴のもとにアメリカから怪しい依頼が舞い込む。それは世界中で目撃されているという都市伝説〈スパゲッティ・マン〉の肖像画を一枚描くというもの。実は露伴はかつて〈スパゲッティ・マン〉に遭遇して、世界で唯一の生還者となっていたのだ。彼に何が起こったのか? そして依頼人の正体は?

「血栞塗(ちしおりみどろ)」
宮本深礼

〈河豚食への誘い〉という本を求めてS市の図書館を訪れた露伴は、司書から図書館内のどこかの本に見つけると不幸になる〈真っ赤な栞〉が挟まれているという噂を聞く。好奇心よりその栞を探すことにした露伴だが、栞より先に〈河豚食への誘い〉を発見する。本を読み始めた露伴はある異変に気づいてーー⁉︎

「検閲方程式」
維羽裕介

「未知との遭遇」をテーマにした短編の執筆のため、杜王町近くの大学にある図書館を訪れた露伴は、資料探しを手伝ってくれる大学院生の近森が別次元に干渉するための方程式を研究していることを知る。近森によると、この方程式を考案した近森の恋人は突然倒れ今も意識不明のうえ、何者かにノートの一部を破られてしまったという。いまだ解けないこの方程式を取材することに決めた露伴だが……!?


「オカミサマ」
北國ばらっど

顧問税理士の坂ノ上誠子との打ち合わせ中の露伴は、宛名欄に〈オカミサマ〉と書かれた領収書を見つける。誠子によると、宛名を〈オカミサマ〉とすれば〈お金を払わなくてはならない〉という事実が消えるという。だが〈タダ〉より高いものはない。〈オカミサマ〉には〈揺り戻し〉があるという。話を聞いた露伴は実際に領収書をもらってみるのだが……!?


『岸辺露伴は戯れない』収録作品紹介

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「幸福の箱」
北國ばらっど

ある男の自宅に招かれた露伴。そこで見せられたものは、多くの人々が求めたという<幸福の箱>だった。「ただ見てほしい」と言われたものの、相手の誘いに乗ることを癪だと思う露伴は躊躇った。ところが、箱の包みはひとりでに解け、露伴の好奇心を刺激する。そして別の人間の思惑が錯綜し、事態は思わぬ方向へ進行していく…。

「夕柳台」
宮本深礼

杜王町の夕柳台に引っ越したという女の話を聞いた露伴。女の子供は夕柳台の公園で<猿>を見て以来、一言も言葉を発さなくなったという。露伴は子供が見たという<猿>の絵を描いてもらったが、それはとても猿とは言えないようなものだった。興味を惹かれた露伴は件の公園を訪れる。そこにいたのは、大勢の老人たち。彼らは夕柳台を「素晴らしい場所」と口々にいうが…!?

「シンメトリー・ルーム」
北國ばらっど

取材のため、変死事件があったという杜王情報通信大学を訪れた露伴。特に変わった様子もなく退屈な校舎だったが、偶然見かけた男に違和感を抱く。その男・土山はあまりに見事なまでに<シンメトリー>だった。だが盲信的に左右対称でなくては気が済まないという土山と露伴は相容れないまま、事件現場の部屋を訪れる。そこで見たものは――。

「楽園の落穂」
吉上 亮

編集者との打ち合わせで、世界最古の小麦と言われる超古代小麦<楽園の落穂>を生産している村への取材へ行くことになった露伴。村で<楽園の落穂>を使用したパンを食し、あまりの美味しさに、「この味を他の奴らに教えてやりたい」という思いすら抱いたが、とどまるところを知らない異常なまでの食欲により、露伴はかえって<楽園の落穂>への強い疑念を抱くことになる。


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