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【数学】置換積分(通常置換)

こんにちは。Junです。

前回は、逆関数と媒介変数表示、およびその微分について書きましたが、

今回からまた積分に戻ります。

今回は、置換積分について書いていきます。

その中でも、今回は単に別の文字で置き換えをする方法について書きます。

⒈ 置換不定積分

まずは、不定積分の置換積分から紹介いたします。

例1

$$
I=\int x(3x+1)^4dx
$$

を解くとき、$${(3x+1)^4}$$を二項定理で展開しても良いですが、少々手間がかかります。

そこで、$${t=3x+1}$$とおけば、

$$
x=\frac{t-1}{3}
$$

$$
\frac{dt}{dx}=3 \\ \frac{1}{3}dt=dx
$$

となるので、

$$
I=\int \frac{t-1}{3}t^4\frac{1}{3}dt \\=\frac{1}{3}\int(t^5-t^4)dt
$$

$$
=\frac{1}{3}(\frac{1}{6}t^6-\frac{1}{5}t^5)+C \\= \frac{1}{30}t^5(5t-6)+C
$$

$$
= \frac{1}{30}(3x+1)^5\{5(3x+1)-6\}+C \\= \frac{1}{30}(3x+1)^5(15x-1)+C
$$

となります。

例2

$$
I=\int (\log x)^2 dx
$$

を解く時、

$${t=\log x}$$とおくと、$${x=e^t}$$となり、

$$
\frac{dx}{dt}=e^t \\dx=e^tdt
$$

となるので、

$$
I=\int t^2e^tdt
$$

あとは、これを部分積分していけば良いので、

$$
I=\int t^2(e^t)'dt
$$

と見做して、

$$
I=t^2e^t-2\int te^tdt \\ =t^2e^t-2(te^t-\int e^tdt)
$$

$$
=t^2e^t-2(te^t-e^t)+C \\ =(t^2-2t+2)e^t+C
$$

$${t=\log x}$$、$${x=e^t}$$なので、

$$
I=\{(\log x)^2-2\log x +2\}x+C
$$

となります。

ポイント

置き換えのポイントは、被積分関数の中に、関数の$${n}$$乗のような式があった場合は、それを$${t}$$などの文字でおいてしまえば、計算しやすくなる場合があります。

練習問題

以下の不定積分を計算しなさい。

(1) 

$$
\int x\sqrt{x+1}dx
$$

(2)

$$
\int x\sin(x^2+\frac{\pi}{6}) dx
$$

⒉ 置換定積分

今度は、定積分の場合を紹介いたします。

例1

$$
I=\int_{0}^{1} x(3x+1)^4dx
$$

$${t=3x+1}$$とおけば、

$$
x=\frac{t-1}{3}
$$

となります。

ここまでは不定積分と同様ですが、今積分範囲が$${0}$$から$${1}$$までと
定められているので、これを$${t}$$の範囲に置き換えてあげる必要があります。

$${t=3x+1}$$より、

$${x:0 \to 1}$$の時、 $${t:1 \to 4}$$となります。

これより、

$$
I=\int_{1}^{4} \frac{t-1}{3}t^4\frac{1}{3}dt \\=\frac{1}{3}\int_{1}^{4}(t^5-t^4)dt
$$

$$
=\frac{1}{3}[\frac{1}{6}t^6-\frac{1}{5}t^5]_{1}^{4}
$$

$$
=\frac{1}{30}[5t^6-6t^5]_{1}^{4}
$$

$$
=\frac{1}{30}\{(5\cdot 4^6-6\cdot 4^5)-(5\cdot 1^6-6\cdot 1^5)\}
$$

$$
=\frac{1}{30}\{1024\cdot (20-6)+1\}
$$

$$
=\frac{14337}{30}=\frac{4779}{10}
$$

となります。

例2

$$
I=\int_{1}^{e} (\log x)^2 dx
$$

$${t=\log x}$$とおくと、$${x=e^t}$$となり、

$$
\frac{dx}{dt}=e^t \\dx=e^tdt
$$

となります。

また、

$${x:1 \to e}$$の時、$${t: 0 \to 1}$$となるので、

$$
I=\int_{0}^{1} t^2e^tdt
$$

あとは、これを部分積分していけば良いので、

$$
I=\int_{0}^{1} t^2(e^t)'dt
$$

と見做して、

$$
I=[t^2e^t]_{0}^{1}-2\int_{0}^{1} te^tdt \\ =e-2([te^t]_{0}^{1}-\int_{0}^{1} e^tdt)
$$

$$
=e-2(e-\int_{0}^{1} e^tdt) \\ =e-2(e-[e^t]_{0}^{1})
$$

$$
=e-2\{e-(e-1)\} = e-2
$$

ポイント

不定積分の場合は、複雑な部分を一旦別の文字$${t}$$に置き換えたあと、最終的に$${t}$$を元の式に戻す必要がありましたが、
定積分の場合は、一度$${t}$$で置き換えたら、$${x}$$の範囲を$${t}$$の範囲に変えてしまうので、再度$${t}$$を元に戻す必要はありません。

練習問題

以下の定積分を計算しなさい。

(1) 

$$
\int_{0}^{1} x\sqrt{x+1}dx
$$

(2)

$$
\int_{0}^{\sqrt{\frac{\pi}{6}}} x\sin(x^2+\frac{\pi}{6}) dx
$$

まとめ

今回は、複雑な部分を単に別の文字で置き換えをする置換積分について書きました。

この辺からが、数IIIの微分積分で入試問題によく出る内容になってきます。

次回は、特殊な置換をするタイプの置換積分について書いていく予定です。

また、これまでの練習問題の解答・解説については、微分積分についての最後の単元である、面積・体積の後に作成します。

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