【数学】合成関数とその微分・対数微分法・F(ax+b), f'(x)/f(x)の積分
明けましておめでとうございます。Junです。
今回は、合成関数とその微分また、そこから派生する関数の積分について書いていきます。
⒈ 合成関数
定義
関数$${f(x)}$$と$${g(x)}$$があるとき、
$${g(f(x))}$$となるとき、$${g}$$は$${f}$$の合成関数であるといい、
$${g\circ f(x)}$$と書きます。
例
・$${f(x) = 2x+1}$$, $${g(x) = x^2}$$の時、
$${g \circ f(x) = g(f(x))=(2x+1)^2}$$
・$${f(x) = 2x}$$, $${g(x) =\sin x}$$の時、
$${g \circ f(x) = g(f(x)) = \sin 2x}$$
・$${f(x) = -2x}$$, $${g(x) = e^x}$$の時、
$${g \circ f(x) = g(f(x)) = e^{-2x}}$$
練習問題
(1) $${f(x) = 3x-1}$$, $${g(x) = \log x (x> \frac{1}{3})}$$の時、
$${g \circ f(x)}$$を求めなさい。
(2) $${f(x) = \cos x}$$, $${g(x) = \frac{1}{x}}$$の時、
$${f \circ g(x)}$$を求めなさい。
⒉ 合成関数の微分
定理
$$
(g \circ f(x))'= (g(f(x)))' = g'(f(x))\cdot f'(x)
$$
【証】
導関数の定義より、
$$
(g \circ f(x))'= (g(f(x)))' = \lim_{\Delta x \to 0}\frac{g(f(x+\Delta x))-g(f(x))}{\Delta x}
$$
ここで、$${f(x)=u}$$, $${f(x+\Delta x)-f(x)=\Delta u}$$とおくと、
$${f(x+\Delta x) = u+\Delta u}$$
$${\Delta x \to 0}$$の時、$${\Delta u = f(x+\Delta x)-f(x) \to f(x) -f(x) =0}$$
そうすると、
$$
(g \circ f(x))'= (g(f(x)))' = \lim_{\Delta x \to 0}\frac{g(u+\Delta u)-g(u)}{\Delta x}
$$
$$
=\lim_{\Delta x \to 0}\frac{g(u+\Delta u)-g(u)}{\Delta u}\frac{\Delta u}{\Delta x}
$$
$$
=\lim_{\Delta u \to 0}\frac{g(u+\Delta u)-g(u)}{\Delta u}\lim_{\Delta x \to 0}\frac{f(x+\Delta x)-f(x)}{\Delta x}
$$
$$
=g'(u)\cdot f'(x)
$$
$$
=g'(f(x))\cdot f'(x)
$$
【証明終】
覚え方
「中身が$${x}$$のつもりで微分し、その後中身の微分をかける」と考えると覚えやすいかもしれません。
例
・$${((ax+b)^2)'}$$
まず、中身を$${x}$$だと思って微分、
$$
2(ax+b)
$$
その後、中身$${ax+b}$$の微分$${(ax+b)'=a}$$をかければ、
$${2a(ax+b)}$$となり、これが微分の結果になります。
$$
((ax+b)^2)'=2a(ax+b)
$$
・$${(\sin 2x)'}$$
これもまず、中身$${2x}$$を$${x}$$だと思って微分、
$${\cos 2x}$$
その後、中身$${2x}$$の微分、$${(2x)'=2}$$をかければ、微分の結果になり、
$$
(\sin 2x)'=2\cos x
$$
となります。
・$${(\log(f(x)))' (f(x) > 0)}$$
これも同様にして、
(*)
$$
(\log(f(x)))' =\frac{1}{f(x)}\cdot f'(x) = \frac{f'(x)}{f(x)} \cdots (*)
$$
この式は後ほど用いるのでマークをつけておきます。
・$${F(x)}$$の導関数を$${f(x)}$$とするとき、
(**)
$$
F'(ax+b) = a f(ax+b) \cdots (**)
$$
この式も後ほど用いるのでマークをつけておきます。
練習問題
以下の関数を微分しなさい。
(1)
$$
y = (3x+4)^3
$$
(※展開しない方法で)
(2)
$$
y = \cos (-2x)
$$
(3)
$$
y = e^{-x^2}
$$
(4)
$$
y = e^{3x}(\sin 2x + \cos 2x)
$$
(4)のヒント、
積の微分も使います。
⒊ 対数微分法
定義
関数$${f(x)}$$をそのままでは微分しにくいとき、両辺の対数(通常は自然対数)をとることによって微分ができるようになることがあります。
このような微分法を対数微分法と言います。
例
$${(x^x)'}$$
$${y = x^x}$$として、両辺の自然対数をとると
$$
\log y = \log x^x =x\log x
$$
(*)より、両辺を$${x}$$で微分すると、
$$
\frac{y'}{y}=\log x + x\cdot \frac{1}{x} = \log x + 1
$$
これより、
$$
y' =y(\log x + 1) =x^x(\log x + 1)
$$
練習問題
対数微分法により、
$${(x^\alpha)'=\alpha x^{\alpha-1} }$$ $${(\alpha:}$$実数$${)}$$となることを証明せよ
⒋ F(ax+b)の積分
(**)より、 $${f(x)}$$の原始関数を$${F(x)}$$とすると、
$$
\int f(ax+b) dx = \frac{1}{a}F(ax+b)+C
$$
例
・
$$
\int(2x+3)^2dx =\frac{1}{2}\frac{1}{3}(2x+3)^3+C
$$
$$
=\frac{1}{6}(2x+3)^3+C
$$
・
$$
\int_{0}^{\frac{\pi}{4}} \sin 2x dx = [-\frac{1}{2}\cos 2x]_{0}^{\frac{\pi}{4}}=-\frac{1}{2}(\cos\frac{\pi}{2}-\cos0)=\frac{1}{2}
$$
練習問題
(1)
$$
\int (3x+4)^2dx
$$
(※展開しない方法で)
(2)
$$
\int \cos2xdx
$$
(3)
$$
\int_{0}^{1} e^{-x} dx
$$
⒌ f'(x)/f(x)の積分
(*)より、
(なぜか式化できないので、ここのみ画像にしました。)
ポイント
関数をうまく$${\frac{f'(x)}{f(x)}}$$の形にできる場合があるので、見極めが重要です。
例
・$${\int \frac{2x}{x^2+3} dx}$$
$$
\frac{2x}{x^2+3}=\frac{(x^2+3)'}{x^2+3}
$$
と変形ができるので、
$$
\int \frac{2x}{x^2+3} dx = \int \frac{(x^2+3)'}{x^2+3} dx
$$
$$
=\log|x^2+3|+C = \log(x^2+3)+C
$$
$${\because x^2+3 > 0}$$
・$${\int\tan xdx}$$
$${\tan x =\frac{\sin x}{\cos x} = -\frac{(\cos x)'}{\cos x}}$$と変形できるから、
$$
\int\tan xdx =\int\frac{\sin x}{\cos x}dx = -\int \frac{(\cos x)'}{\cos x}dx
$$
$$
=-\log|\cos x| +C
$$
よって、
$$
\int \tan x dx = -\log|\cos x|+C
$$
が成り立ちます。
三角関数のnoteで、$${\tan x}$$の積分を紹介しませんでしたが、ここで紹介しました。
練習問題
(1)
$$
\int \frac{x}{2x^2+3}dx
$$
(2)
$$
\int_{1}^{2}\frac{e^x}{e^x-1}dx
$$
(3)
$$
\int_{0}^{2}xe^{2x} dx
$$
(3)のヒント
部分積分を使います。
まとめ
今回は、合成関数とその微分、対数微分法、F(ax+b)の積分及び$${\frac{f'(x)}{f(x)}}$$の積分について書きました。
ここで$${\tan x}$$の積分についても紹介しました。
次回からは、一旦微分の応用に入っていきます。
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