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毛筆でオール手書きの年賀状

前回の午年から毎年、和紙に毛筆で年賀状を書いている。親族など限られた人宛てである。
この年賀状は「十二支すべて集めると良いことがある」ということにしているが、まだえとが一回りしていないので、書いている本人の身にも良いことは起こっていない。


草書の「卯」


年賀状を書く工程はこうである。
(用意するもの:年賀はがき、筆、墨汁、アイロンで貼り付ける和紙、顔彩、印、印泥)

  1. 良さそうな字や書体を考える

  2. 和紙にメインの文字を書く

  3. 周りの小さい文字を書く

  4. 顔彩で飾りを書き足す

  5. 年賀はがきにアイロン接着する

  6. はみ出た部分を切る

  7. 印を押す

20枚程度にしていても、軽く半日はつぶれるのである。
そこまでしても手書きの年賀状にこだわる理由は、「伝統文化を大事にしたいから」「手書きの温かさを伝えたいから」とでも言えたら格好がつきそうなものだ。
しかし、その実に何もない。
1年に1回、好きなようにはがきサイズの作品を書きたいという自己満足しかない。

「年賀状じまい」は賛成派であるし、手書きから人柄が伝わる、なんて全然思っていないのだ。
むしろ、楽しく書けないなら年賀状なんてなくなってしまえ、とさえ願っている。


印泥(いんでい):印に付ける粘土状の朱
顔彩(がんさい):固形の絵の具

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