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「センスねーなー、やめたら」と言う人こそ、やめたほうがいい 003

これまで、あまりにも抽象的に書いてきたので

「何言ってんだか、わかんない」と

ほとんどの方がそうおっしゃっているのではないかと思います。

まったくその通りかもしれません。

それはそれで、無理に理解しようとしないで

むしろ忘れてもらって構いません(苦笑)。

(理解しようとして読んでくださった方、申し訳ありません…)

ここから少しずつ核心に迫っていきます。


「デザイナー」は「アーティスト」ではない

さて、これまで「デザイナー」と漠然と言ってきましたが、

デザイナーと言っても

「グラフィックデザイナー」                   「webデザイナー」                        「プロダクトデザイナー」                      「ファッションデザイナー」                     「エディトリアルデザイナー」                   「インテリアデザイナー」

といったように(まだまだ書ききれません)、相当な数の職種があります。

そこで、これからより具体的に話をすすめるにあたり、

「グラフィックデザイナー」に絞って話していきます。


グラフィックを含めた「デザイン」は、

「美術」の授業で習ったように“アート”ではありますが、

仕事になると“アート”ではなくなります

というのも、

「デザイン」を仕事にしている「デザイナー」は、

「アーティスト」ではないからです。


イニシアチブはどちらにあるのかが大きな問題

仕事の流れで見てみると、

「デザイナー」と「アーティスト」の違いは明白です。


「グラフィックデザイナー」の場合、

まずクライアント(依頼者)から

「新製品を出すので、広告を作ってほしい」

と依頼があってはじめて仕事が発生します。

依頼を受けた広告代理店(またはプロダクション)は

クライアントと打ち合わせ&プレゼンを繰り返し

最終的にクライアントが納得したものを制作して、

その対価としてお金をいただきます。


それに対して「アーティスト」の場合は、

自身が「なんかイメージが湧いてきた」

といったタイミングで仕事にとりかかります。

自分が納得いくまで何度も作り直し、

出来上がったら市場に出します。

それをユーザーが喜んでお金を出して買います。


あるいは、

クライアント(依頼者)が

「うちのテレビ局でオリンピックの番組に使うテーマ曲を作ってほしい」

なんて依頼があってから仕事をする場合もあります。

それでも、仕上がった曲がどんな曲だろうが

文句も言わず、ただただ「ありがとうございます」といって

お金も言い値(場合によってはありえる)で支払います。


明らかに違いがわかりますよね。


「グラフィックデザイナー」の場合は

クライアントがいてはじめて仕事になるので

決定権はお客様であるクライアントが握っています。

ですが、「アーティスト」の場合は

クライアントがいようがいまいが

自身が作り出すものに価値があるので

どんなものであろうがみんなが喜んでお金を出してくれます。


なんて理不尽な! と思う人もいるかもしれませんが、

“才能”があるからこその特権です。

こんなことを考えたら、一介のデザイナーが

センスがある、ない、とかよく言ってられんなーと思います。













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