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築225年以上。江戸時代から続く旅館だったお屋敷を買った話。

ずっと念願だった『水の綺麗な田舎への移住』。
目標の3年後(子どもが小学校に上がるタイミング)を待たずして、この10月の頭、とんとん拍子に叶ってしまった。

離婚を決意し家を出た日から、いつか田舎で暮らしたいと、その夢に向かって励んできた3年間だった。
思えば田舎暮らしの夢は独身時代からずっと持っていた。
子供と2人になったことで、理想の項目はこんなにも増えてしまった。

・湧水があるところ。
・車通りの少ないところ。
・自然豊かなところ。
・花が育てられる大きな庭と畑があり、
・綺麗な水辺が近いところ。
・アトリエにできる場所があり、
・できれば築100年以上の古民家。
・行き帰りの道中を心配しなくてもいいように、
 子どもが通う小学校が近いところ。
・それから、いつか店舗や宿泊ができるような
 スペースがあれば最高。
・それでもって、できれば風呂とキッチン
 トイレだけは改修して新しいのがいいな…。

こんなたくさんの願いを叶える場所が、あるわけない、とは思わなかったけど、そう簡単に見つかるわけはないだろうと思っていた。
2025年までに、ゆっくり探そう、それまで陶芸教室のアシスタントでもう少し陶器のこと勉強して…お金ももっと貯めて…そう思っていた矢先だった。

ある日、突然、ふいに、見つかってしまったのだ。
全ての理想を、満たした場所を。

あ、嘘でした。
家の目の前は車二台がギリギリ通れる細い道だが、長野に抜けられる国道になっていて、意外と車通りが多いのだ。
隣の小学四年生のお兄ちゃんが、いつも娘に『白い線から飛び出ちゃダメだよっ!』って注意してくれる。
面倒見のいい、優しいお兄ちゃん。うちのおてんば娘をどうか宜しくお願い致します。

近くを流れる川は翡翠色でとても綺麗。
水量もたっぷりあり、とても豊かで、見ているだけで心が洗われる。
ちなみによく晴れた日は夜になると天の河や流れ星も見える。
もうそれだけでいい。そう思えるほど、自然が素晴らしい。

家から10分ほど車を走らせると湧水が汲める場所がある。
遠くから汲みに来る方も多いらしく、容器に入れて、1ヶ月程もつとのこと。
97%の軟水だという噂で、とても美味しくて飲みやすい。
ご飯もお味噌汁も、インスタントラーメンでさえ、もの凄く美味しくなったような気がしている。

改修にかかる費用
見つけたこの家は、1795年、江戸時代から中馬街道沿いに建つ旅館だったそうだ。
理想を全て叶えた場所でも、古民家を買うことには相当の勇気がいった。
すぐに倒れやしないだろうか。白蟻や害獣が巣食ってないだろうか。そもそも土地付きの家を買うことは時代に合っているのだろうか。幽霊出たらどうしよう。ご近所に変な人いたらどうしよう。山崩れや川の水害などないだろうか…

心配は尽きなかったが、ひとつずつ不安を解消するように、それぞれの専門家である友達に連絡を取りまくってみた。
大工さん、新築戸建て売ってた元リーマン、古民家買って住んでる先輩…
友人は皆偉大である。しっかり話を聞いて、丁寧に返答をくれる。背中も押してくれる。困ったことが起きたら協力するよと言ってくれる…

みんなが勇気をくれたおかげで、買うことを決意できた。
本当にありがとう。


改修にかかる費用だが、この家、実は10年前に大きな家の半分を取り壊しリフォームしてくれてあり、当時の最新・高グレードの風呂トイレキッチンがついている。
私は水回り全てリフォームする気で古民家を探していたので、とても有難かった。
その費用分は浮いた。

しかし古民家再生にかかる費用はそれをゆうに超える。取り壊しリフォームされたのは半分で、もう半分は"江戸時代"だからだ。
崩れて隙間のある土間の打ち直し。
ボロボロになった床や壁の張り替えに塗り替え。
窓の補修、建具の調整、基礎のない床の調整…

それに加えて、理想をさらに追求した改装。
良いものを残し、古さとの調和を考えながら、崩し、手を加えていく。

私は古道具も古い建具も大好きなので、これからのこの作業が楽しみで仕方がない。
理想全てを叶えるまでに、一生かかるかもしれない。
でも大工さんが言っていた。
『古い木(もく)は、手入れして磨けば磨くほどどんどん味のある良いものになっていきますよ。それは今の家には出せないものです。』
と…

日々の生活を楽しみながら、(お仕事一生懸命やりながら)、この古民家を大事に手入れし、また次の世代に繋げていきたいと思う。

読んでくださり、ありがとうございます!
また古民家再生詳細ビフォーアフター載せていきます♪

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