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女性ホルモン注射から1年経ってみて

既に1ヶ月以上前にはなりますが、初めて女性ホルモン注射を打ってから1年が過ぎました。もう1年、やっと1年、まだ1年。「どれだけ変わるの?」という疑問はあることと思いますが、こればかりは正直言って「人による」としか言いようが無いです。マジで。ある程度共通した作用はあるのですが、元々の性ホルモン量や受容体数、何より投与開始年齢(というか第二次性徴の発現度合い)に左右されてしまうので、具体的にどうとは答えられないんですね。あくまで経験ベースでお話するほか無く。その点はご留意下さい。私の場合、変わったことも少しはありますが、総じて変化に乏しい1年間でした。また、厳密には「投与1年」ではなく「注射1年」であることもご了承願います。注射の前に9ヶ月ほど経皮投与をしていた時期がありましたので。

この1年で変わったこと

まずは、胸部が少しだけ膨らみました。乳腺の発達と硬結。触ると時に痛みもあるし、走ると胸周りがしんどいことも多いです。サイズに関わらず。外からは胸筋がある人や太った人と区別が付かない…と思ってはいますが、痩せている人の場合は不自然に膨らむのでばれ易いかも。私は鍛えていて胸筋がある人と大差無いです。あと、どうしても上半身の大きさや肋骨の広さの関係で離れ胸にはなります。寄せろ。
次に、SAOがトランセルする回数が明らかに減りました。ソードアートオンラインではないです。察して下さい。今の私の場合だと、いわゆる「半分」が2週に一度あるか無いかレベルですね。朝に…ということも無くなりましたし、何よりムラムラする感覚が乏しい。これも個人差が大きく、私がこうなったのはつい最近のこと。抗男性ホルモン剤を服用しているともう少し早いと思いますが、主に肝臓への負担がとてつもないので治療のごく初期に留めるべきだし錠剤を割るとか工夫して下さい本当に。真面目に責任は負えませんので。
これに関連して、ソードアートオンラインと浅草キッドの博士じゃない方のサイズがやや小さくなったとも感じております。天然男性ならわかるかな……冷水を浴びた後、みたいな。投与後数日は下腹部にもたまに鈍痛が来る。嬉しくはありますが元々極小だったのでありがたみは薄い。そして物理的に脚の間に存在していることが何より我慢ならないので、殊更に言うべきことではないかもです。乳酸菌飲料に関しても、半透明を経てそもそも「そういう時」も出なくなりました。親の手前、凍結保存だけでもするべきだったのでしょうが、もうできないんですかね。投与を辞めれば人により復活してきますが(FtMの方でもホルモン投与を止めると月経が来るといいます)、中身はどうなっているかわかりゃしません。私は元々の男性ホルモン値が高いので恐らく復活しますけどね。やれって言われるんだろうな。
あとは、血中濃度が下がってきた際――私はだいたい10日後ですかね――に、火照りを中心とした諸症状が出るようになりました。そんなに強くはありませんが、ソワソワと落ち着かなかったり多少ネガティブになったり倦怠感があったり体温が平熱より僅かに上がったり。これこそ個人差が強く、日常の活動に支障が出るという方もいます。また、逆に血中濃度が急に上がる投与数時間後には私は強い眠気が来ますね。俗に「ホルボケ」と言いますが、活動への影響という点では寧ろこちらの方が私には強いかも。
最後に、体臭がきつくなくなりました。特に発汗時。治療前は自分ですぐに鼻を突くのがわかりましたが、洗濯機に入れる前の服からも刺激臭は激減しました。これに限りませんが、男性ホルモンの強力さたるや。そのせいかわかりませんが、他人の体臭にも敏感になりました。

この1年で変わらなかったこと

色々書きましたが、変わらないことも多くあります。というか、全体的に見ると変わらないことだらけだとおわかり頂けるかと思います。
まずは体付き。下半身の脂肪の付き方は全く変化が無く、あったとしてもヒップアップストレッチ以上の効果は見出せませんでした。脂肪もそうですが腰周りは第二次性徴に伴う骨盤の広がりに依拠する所が大きいので、それが終わってしまっている身にはどうしても見える変化は得られにくいのです。筋肉量も人によっては大きく変化があるようですが、私は全くもって男性的なまま。休日の度に重い楽器を背負っているせいもあるでしょうが、元の骨格上の限界の方が理由としては大きいと思われます。いかんせん肩幅50cm以上のラガーマン体型なので。
他には肌のキメ細かさもそうですね。これも個人差が大きい。私の場合は目に見えて悪くなってもいませんが、プラスの変化は感じられません。これはホルモンというよりはスキンケアの方が強く影響するのだろうな。皮脂量や乾燥度合いも。
意外と誤解されがちな体毛の量や太さ。これは既に生えてしまったものがホルモン投与で減ることは無いんですよ。減ったのは脱毛、それも医療脱毛のおかげです。まぁまだ撲滅できてはいませんが。元々薄い人だとと2~3回の光脱毛で髭が無くなることもあるそうですが、私はそれより強い医療用レーザーでも20回やってまだ無くなりません。平井堅には辛い。減る要因が他にあるとすれば加齢やAGAでしょうか。AGAへの不安から育毛剤を試している今日この頃です。
誤解されると言えば、声も変わらないんですよ。男性ホルモンにより声帯が大きくなりますが、一度大きくなったものを元には戻せません。この男性ホルモンの不可逆性こそが多くの当事者を苦しめるものであることに疑いを挟む余地は無いでしょう。私も普段から高めのトーンで話すよう意識していますが、脱・中尾彬の道のりは長い……。歌のボイストレーニングとも少し違うようですからね。余裕ができたらオペを受けたいと思っています。
最後に顔。元が男性的過ぎて悪ぅございました。平たい顔族の皆様は勝者です。誇って下さい。


これから

以上、女性ホルモン投与後の変化や変化しなかったことを長々と述べて参りました。ホルモン由来のものに絞りたかったので、社会的状況の変化等は除外。メンタル面は肉体的・社会的どちらの要因も考えられる上に、日常生活に支障が出るレベルの影響では(今の所)ないので敢えて入れず。それにしても、歳がいっているせいなのか元々自分の身体に受容体が少ないせいなのか、まだ1年程度とは言え、「こんなに変わらないものか」としんどくなるレベルです本当に。過度な期待は禁物。長い目で見る必要はあるかと思うのですが、焦りは募ります。男性ホルモンの製造元である東急のDT07/OM15は、取れれば早くて今秋。それで新たな変化は起こるでしょうか。先輩方を見ていると、性ホルモンの欠乏によるうつ状態がとてもとても心配ではある。でも加齢は待ってくれない。一気に両方取れる状況でもない。メスになる為にメスを入れたら戻せないですから、そりゃ慎重にもなります。

まぁ、少なくとも身体がクロスホルモンに拒否反応を示していないだけでも御の字なのかも知れません。

もしよろしければ、ご無理の無い範囲でお願い致しますm(__)m