カラスとの大激戦。

「ガシッ!」突如頭を鷲掴みにされた。
カラスであった。(カラスであるなら、鷲掴みではないか。)
カラスの足は鋭く、すっきりとまとめたポニーテールにこなれ感が出るくらいには髪が引き出された。
カラスはわたしの目線よりも少し高い柱に止まってこちらをじっと見下ろす。

まさに、バトル開始の演出。

人生初、カラスとのバトルが始まる。(NO DETA)
アイテム:帽子(防御)グミ(回復)
攻撃スキル:なし

このバトルは敵を倒すことよりもゴールに辿り着くことがクリア条件であり、ゲームジャンルでいうとマリオに近い。
攻撃スタイルは飛行から飛び乗りの1パターンであったので、歩いて距離を保っては、カラスが羽を広げ「くるぞ!」というタイミングでしゃがむことで被ダメを防ぐことを学んだ。カラスはスキル発動準備時の対象の位置に合わせて飛行攻撃をしてくるので、怖がって中腰で構えていると、「くるぞ!」のタイミングでしゃがんでも若干被ダメするハメになる。しっかり直立し、高低差を生むことが鍵である。


困った。被ダメを防ぐばかりである。なにか逆転の一手はないのだろうか。


全力ダッシュで距離をとっても飛行ですぐに詰められてしまうだろうし、長距離飛行になればコントロールが効きやすくなってヒット率が上がる。加えて加速攻撃になるので受けるダメージもでかいだろう。
それでも、HPを犠牲に体当たりで強行突破するしか攻略法が見当たらない。


覚悟を決め全力ダッシュ。後ろから長距離飛行で襲撃に来ている様子が容易く想像できる。

が、そんな気配が全くない。

振り返ると、さっきまでの激しいバトルはなかったかのようにカラスとは目すら合わなくなった。戦闘範囲から外れたらしい。なるほど、そういう仕様ね。

冷静になってから今回のバトルについて反省をした。
被ダメに対しての攻略は結構はやかったな。圧倒的にカラスに対して知識不足であったな。まさに「敵を知り己を知れば百戦危からず。」である。
3人のうち1人が特にしつこく攻撃を受けていたので、その1人の特有性を考えてみたが、特にわたしたちと変わっているところはなく、強いていえば属性が(スタッフ)(スタッフ)(キャスト)であったので、キャラデザが何かに反映されているのではないかという説が上がった。(真偽不明)

HP補給にグミを食べようとしたら、アイテム(手L):「空のビニール袋」が無くなっていることに気づいた。HPが削られた時に一緒にドロップしたのだろう。レアリティ★☆☆☆☆であるし、ストレージ的にもゴミであったのでまあいい。


カラスからは何もドロップしなかったが、あのモブからドロップするのはせいぜいフンくらいであるので、惜しくもなんともない。

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『ワンダーランズ×ショウタイム/ぼうけんのしょがきえました!』

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