灰原哀のまま生きていく。

aikoの歌う『相思相愛』を聞いていたら、涙が溢れてきた。歌詞を灰原哀に重ねてしまって。そして、灰原哀が、どこかわたしに重なってしまって。

18歳で組織から逃げてきたこと。
話せないことで溢れていること。

みんなが笑っている下校中、ひとり冷めたことを考えているところ。
みんなと笑っていると、自分はここにいちゃいけないと感じるところ。
みんなと笑っていると、失うのが怖くなっていくところ。
江戸川くんがくれた言葉を、江戸川くんが思っているよりも大事にしていて、何度も思い出してたすけられているところ。

今の場所以外には居場所がないこと。
見つかってしまったら、ここにはもういられなくなること。

ずっと誰か、何かに追いかけられている気持ち。
自分に関わる人間を、巻き込んでいってしまっていること。
巻き込みたくない人間ほど近づきたくなってしまうところ。
恐怖に鈍くなっていく安心と、少しのきっかけで全ての恐怖が蘇ってしまうこと。



灰原さんは、黒の組織が潰れれば全てが解決して、元の姿に戻れる。
灰原さんは、元の姿に戻りたいのかな。戻りたくないのかな。

黒の組織を潰す。全く簡単なことではないし、命がかかっている。それでも、それさえ解決すれば身を隠す必要がなくなるなんて、シンプルでいいな。なんてわたしは思ってしまう。

わたしは全ての過去が解決することはないから、元の姿には戻れない。
わたしはこのまま、灰原哀のまま生きていく。

シンプルでいいな。なんて言ったけれど、灰原さんも、全てが解決して元の姿に戻れたって、きっと誰か、何かに追われ続けるんだろうな。

人間の世界は、全て人間が関わり繋がっているから。


灰原さんは、どんな未来を生きたいのかな。


P.S.
哀ちゃん。哀ちゃんとコナンくんは、ちゃんと「愛おしい同士」だよ。

While Writing
『aiko/相思相愛』

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