新緑浴びました。

あぁ。涼しい。涼しいです。
新緑を浴びに新宿御苑に来ています。

5月に入り、わたしに新緑モチベが湧き上がりました。お手軽に新緑を浴びることができるといえば、やはり新宿御苑ですよね。お家がだいすきなくせに新緑モチベが高いなんていう都合のいい人間に都合のいい新宿御苑は、わたしのような怠惰な人間が集まるかと思いましたが、来園者の顔からは平日昼間の代官山T-SITEと同じ類の精神的余裕を感じました。どの人も優雅に時を過ごしていて、平日昼間に新宿御苑でくつろげる余裕のある人間、生活を理想に、自身の今後の活動に気を引き締めます。

わたしの指先は、高まる新緑モチベの心に従いグリーンカラーに染まっています。
水中の藻のような奥まった発色。水ぶどうのような色。ペットボトルにマッキーで色を塗ったような透明感。と言ったところでしょうか。まさに初夏って感じです。
正直言って、ネイルカラーを決めリファレンスを集めるという月1のタスクは結構だるいです。

園内のスタバで優雅に読書でもしようと、吉田ユニさんのポーチに山内マリコさんの本を入れて持ってきました。すばらしくセンスのいい人間だと我ながら感心します。
長い列を並んでから、席は先に取っておくシステムであることに気づきました。激しく混んでいましたから、諦めつつではありますが一瞬列を抜けて店内を覗くと、その瞬間に席が空きました。いつもそうです。こういう小さな幸運を大切にしたいと思いましたが、全く小さくありません。列に戻りましたが、後ろにいる人がすんなりと列への戻りを許してくださったのも大きな幸運でした。

注文の列に並んでいると、わたしの取った席、遠くから見たらまさしく空いていそうな席に期待をして一直線に向かった人間の「ダメだった...。席取ってあった...。」という声を何度も耳にしました。わたしにはそれがどうしようもなく居心地悪く感じてしまい、ミルクコーヒーを受け取るとすぐに置いていた荷物を持って外へと逃げました。

「この席だとあまり新緑を感じられる眺めではなかったし。」
「ガラスの向こう側に虫が止まっていてずっと目が合う感じだったし。」
この席を手放すことへ前向きになれるよう必死でした。

日陰も広いので芝へ座りました。
芝は当たり前だけど草で、わたしが今日食べたサラダも当たり前だけど草なんですよね。先日、湘南野菜というカラフルでちょっとヘンテコな野菜のサラダを食べましたが、ヘンテコではありながらも総じて「草」って感じであったので、芝も草として平等に食べられる気がします。

わたしの腕に虫が止まりましたが、食べているサラダの中から出てくるニョキ虫と違い、なにも驚くことはありません。芝の上ですから。
一昨日サラダボウルで出会ったニョキ虫は透き通っていて、サラダの葉の欠片と見間違うほど全く同じ緑色をしていたものですから「野菜室の中で贅沢に食べよったな。こいつ。」と思いました。ティッシュに退場願い、食事が終わったらさようならをしようとニョキ虫を観察しながらのお食事になりました。さぞ背筋を鍛えているようで悲願するように仰け反るものですから、ゴミ箱ではなく庭へ逃がしてあげることにしました。

揺れている遠くの葉を眺めては、本当にあの葉はわたしが今受けている風と同じ風を受けて揺れているのか不思議な気持ちになりました。どうもわたしには、演出として自ら揺れてくれているように感じます。


わたしのまわりで3.5等身の人間が動き回っていて、とても愛らしいです。


普段身体につく跡といえばイヤホンなどのコードといった電子機器によるものですが、今わたしの左手には芝の跡がついていて、わたしは何よりもそれに、自然に触れたことを感じました。


While Writing
『少し離れたところで開催されている、ママたちによる3.5等身の人間の育て方についてのお話』

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