【いまさら訊けない中学受験】いまさらだけど、これって本当に子どものためになるの?誰にも訊けなかった肝心なところをちゃんと知りたい 【その2】
志望校ってどうやって選ぶの?
笠:笠原 紗由香(「親子のための中等教育研究所」所員)
長:長さん(同研究所エグゼクティブアドバイザー)
笠:中学受験は保護者が教育を選ぶ機会だという話でしたけど、実際にどうやって志望校を選んでいけばいいですか?
長:まず、住まいから通える範囲にどのくらいの学校があるかを調べます。学区内の公立中学に通う場合とは違い、電車やバスなどを使った通学になると思います。私立中学の場合、通学時間が90分以内と条件がついている学校もあります。
1都3県の私立男子校を見ていくと、東京に31校、神奈川に10校、千葉は0校、埼玉は3校。私立女子校は東京に66校、神奈川に21校、千葉に3校、埼玉に3校。共学校は東京に81校、神奈川に28校、千葉に21校、埼玉に25校となっています。千葉と埼玉は共学校がほとんど、男子校は選択肢が少ない、ということがわかります。もっとも、男子も女子も共学校を受けられますから、選択肢を狭める必要はありません。
それに、どういった路線を使えるかを考えると、他県の学校も意外に通いやすかったりします。登校時の混雑状況、乗り換えの便、最寄り駅から学校までの距離と環境(繁華街を通ったりしないか)などもチェックポイントです。
笠:私の甥はさいたま市から通うことになるので、埼玉県内の学校よりもアクセスの良い学校が都内にたくさんあります。けっこう選択肢が広がりますね。「どこかいい学校ないですか!」って聞きたくなっちゃいます。
長:住んでいるところにもよりますが、10校以上は候補を見つけます。その際、知名度とか偏差値とか大学合格実績などの先入観は持たずにピックアップすることです。そして、候補として上がった学校の情報を調べていき、説明会など学校訪問できる機会をチェックします。
各都県の私立学校協会のホームページなどを見ると、いろいろな合同説明会のお知らせなども出ていますから、一度に何校も話を聞くことができます。
登校時に上り線なのか下り線なのかもポイントですよ。登校時は通勤時間帯と重なることが多いので、とくに体が小さい中学低学年は消耗します。荷物も多いですからね。信じられないほどの重さですよ。女子は痴漢被害も心配ですね。
笠:確かに。湘南新宿ラインや上野東京ラインの上り、通勤ラッシュはすごいですよ!あの満員電車にかわいい甥っ子が乗車するのを想像するだけで、辛いです!!!!(涙)
長:大切なお子さんの将来のために教育を選ぶのですから、ここは頑張りどころですよ。子どもにばかり勉強を頑張れとは言えなくなってしまいますからね。
笠:学校名とか偏差値とか、表面的なことだけを見ていてはだめなんですね…いろいろな要素を考慮しないと…。
でも実態はどうなのでしょうか?どれくらいの数の受験生がどのような学校を受験しているんでしょうか?
長:では次回は、首都圏の中学受験の全体的な状況、受験生の動向を見ていきましょう。
全体状況を見ると、”学校を知名度や偏差値だけで選ぶ”という中学受験のあり方の問題点が、浮き彫りになってきます。
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