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【小説】ダーツとフリースロー

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2019年11月の記事一覧

【小説】ダーツとフリースロー 2.『憤懣やるかたない』

 三浦大地が父である三浦和也から引っ越しの必要性を告げられたのは7月半ばのことだった。

「――決まったよ。ようやく教授になれそうだ」

 母真理恵と並んだ夕飯の食卓で大地は父からそう聞いた。

「あら~やったわね。おめでとう和也さん」
「おめでとう父さん」
「うんうん、皆、ありがとう」

 妻のお酌したビールをぐびりと飲み、和也は大きくひとつ息を吐いた。「しかし、真由には怒られるかもしれないな」

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