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道の街を踊る[2023/12/04-12/09 日記]

12/4(月)
朝起きて寒いなと思ったら、昼前から雪が降り始めた。せっかくなので動画を撮ってインスタのストーリーに上げたら、夫から「ウェス・アンダーソンみたい」と言われた。確かにそうかも。
いよいよ来週日本に帰るので、帰るまでにやりたいことを書き出してみたら、あまりにも多くて早くも嫌気が差してきた。色んなひとがnoteやTwitterで年内にやりたいこととか、今年やりたかったことの振り返りとかをしているなかで、正直それどころじゃないという状況が嫌だ。そもそも直前になるまで色々なことを放置しすぎである。しかも帰ったら帰ったで、日本にいる間にやるべきことが山積みなのだ。それはさすがに早めにリストにしておこうと決めた。なんなら飛行機の中で考えてもいいくらいだ。
ずっと前に塗って剥げかけていたマニキュアとペディキュアを落とそうとしたら、手は無事に落とし切ったけれども、左足の親指だけ落としたところで除光液がなくなってしまった。しょうがないから日本に帰ったら落とそう、と思ったものの、視界に入る度にちょっとぎょっとする。足の指一本だけ色がないと、ちょっと妖怪みたいだ。

12/5(火)
きょうは夫が休みなので、コルマールへ観光に行くことにした。しばらく前から行こうか、とは話していたものの、寒かったり疲れてたりで延期していたのだ。しかしきょうは朝から晴れているし、気温も比較的高いので、絶好の観光日和と言えよう。
午後一の出発予定だったので、午前中に急いでシャワーを浴びて、洗濯と掃除をして、朝ごはんをもりもり食べた。ほんとうはわたしは洗濯はきょう出来なくても明日すればいいかなあと思っていたのだけれど、夫が出掛けるときには家事を全部終わらせたい派の人間なので、ふたりで協力して全部済ませた。ひとはこうやって夫婦になっていくのかもしれない。
しかし予定より5分強遅れで家を出たら雨が降っていて、しかもかなり寒い。トラムに乗ったのは電車が出る20分前で、間に合わないかもしれないという。幸先悪いな、と思ったけれど、電車が20分遅延していたので事なきを得て、コルマールに着くころには雨もやんでいた。
コルマールは映画「ハウルの動く城」でソフィーが住んでいた街のモデルになったところで、たしかに街並みはとてもきれいだけれど、ストラスブールとそれほど大きな違いがあるわけではない。なのでクリスマスマーケットをちょっとだけ冷やかして、大聖堂を見学した後は、アルザスワインのcaveに行って、ゆっくりワインの試飲を楽しんだ。アルザスワインは正直これまでちゃんと飲んだことがなくて、やっぱりワインはボルドーでしょ、と思っていたのだが、ここのワインはとっても美味しかった。好みの味をお店のひとに伝えると、見繕って持ってきてくれて、しかもそれが4杯で10€という良心的価格なのだ。アルザスワインは基本白ワインがメインなので、わたしは辛口のものを、夫は甘口をオーダーして、お互いのをちょっとずつ味見した。外がだんだん暗くなっていくなかで、真剣にワインの味について話し合って、どれを買おうか相談するのはとても楽しかった。なんだか夫婦になったんだなという実感が湧いた。結局絞り切れずに3本購入したけれど、こういうのも旅の醍醐味だよね、と話しながら帰った。

美味しいワインたち。

12/6(水)
昨日はいつもよりだいぶ早く寝たのに、目が覚めたのは昼前だった。比較的暖かったとはいえ、10度を切っている中で歩き回って、思ったより体力を消耗していたらしい。
軽く朝ごはんを食べて、お昼ごはんまで暇があったので、手近にあった『カステーラのような明るい夜』を読んだ。これは去年新婚旅行で京都に行ったときに啓文社一乗寺店で衝動買いしたものだったけれど、ずっと積んだままにしていた。しかしわたしにはとても心地よく馴染む文体で、買ってよかったなと思った。積読といえば、わたしは現在200冊弱の積読があるのだけれど、そのほとんどが手元になくて、エア積読状態になっているのがけっこうもどかしい。日本にいる間に減らそう。色んなところに分散しているのが良くないのかな。それから電子書籍も地味に積んでいるのが増えてしまって、もう今手元にある分が読み終わるまで買わないぞ、と思っているけれど、電子書籍の積読って物量として目の前にないからほんとうに厄介。
昨日はしゃいだ代償で、絶対そうなると分かってはいたが、やっぱり一日中どんよりとした気分だった。ピクミンをちまちま進めたり、YouTubeを見て気を紛らわしていたけれど、どうにもうまくいかなくて、こういうときの気分の切り替えがうまくなりたいと強く思った。
夜寝る前に、届いてからずっとシュリンクをかけたままにしていた、くどうれいんさんの『桃を煮るひと』を開封した。ぱらぱら捲っただけで、「フォントかわいい!」「手触りがいい!」と興奮しまくり。いつ読むか。いま読むか。もうちょっと熟成させるか。むむむむ。最近わたしのなかで、すっかりくどうれいんブームが来ているので、日本に帰ったら『うたうおばけ』の文庫と『水中で口笛』と『水歌通信』を買いたい。買いたい本が多すぎる。

12/7(木)
朝7時くらいに目が覚めてしまって、まだ起きなくていいのに、なかなか寝付けなかった。いっそ布団から出てお茶でも飲もうかと思いつつも、寒いのでおふとんでごろごろしていたら、8時半くらいから11時半まで二度寝してしまった。「おっさんズラブ」の夢を見た。牧に囚われすぎである。
急遽大量の仕事が降ってきたので、嫌々ながらも一日中働いていた。あまりにも働くのが嫌なので、Spotifyで「おみゆの好き蒐集俱楽部」を聞いたり、ディーンフジオカを聞いたりしながら仕事をした。
ディーンフジオカのことは日本にいた頃にドラマ「シャーロック」でファンになり、「パンドラの果実」も毎週かじりついて観ていた。歌手だから当然かもしれないけれど、やはり声がとても美しくて癖になる。特に「Shelly」はCDも買ったくらい好きで、MVがとても良いのでぜひたくさんのひとに観てほしい。SFタッチとコンテンポラリーダンスというわたしの好きなものてんこ盛りなのだ。


12/8(金)
朝から市内でお土産の買い出しの予定だったので、いつもよりずっと早起きをして急いで家を出た。雨の予報はなかったのに、ぱらぱらと雨が降っていて、やっぱり雨女だなあと思った。スーパーとSEPHORA(フランスの@cosmeみたいなお店)とをめぐって、友達に頼まれていたものを探すけれどなかなか見つからない。それから夫と合流して、観光案内所、Reck(コーヒー屋さん)、DAMMANN FRÈREとpalais des thésをはしごして、カップ&ソーサ―やらオーナメントやらお茶やらをたくさん買った。市内は平日の午前中とは思えないぐらいひとでごったがえしていて、観光シーズンのすごさを思い知った。
早起きが祟ったのか、お昼ごはんを食べたら急速に眠くなってきて、ソファで2時間ほどすやすや眠ってしまった。眠くない、寝たくない、と言いながら、一瞬で眠りに落ちてしまったのだから怖い。起きた後もなんだかぼんやりしていて、ちょっとnoteを書いたり、YouTubeを見たりしてのんびり過ごした。
ひさしぶりに夫とピクミンをして夜更かしをしてしまい、寝たのは3時半くらいだった。

12/9(土)
久しぶりの読書会で、それまでにやらなきゃいけないことがたくさんあったので、10時過ぎに飛び起きて、ばたばたとしているうちに時間になった。隔週を目安に開催している「紫乃と美甘の読書会」だけれど、紫乃が最近多忙を極めているので3週間ごとかひと月ごとぐらいになっている。そうすると何が問題かというと、お互い話したいことが溜まりすぎて、ついつい長話をしてしまうのだ。しかし今回は明日も紫乃が仕事だというので、日本で日付が変わる前くらいにはお開きになった。それでも4時間近く話していたことになるけれど。ついに来週末にはリアルで会える予定なので、嬉しくて、どこに行こう、なにをしよう、という話で盛り上がった。1年以上紫乃に会っていなかったことは、出会って以来なかったので、なんだかそわそわしてしまう。家族より頻繁に電話しているとはいえ、画面越しと実際に会うのとではテンションの上がり方が天と地ほど違う。ほんとうに楽しみ。
それからきょうもなんだかんだちまちまとピクミンを進めた。日本に帰る前に全クリは無理でも、ひとまずストーリーを最後まで見るところまではやりたいのだけれど、終わってしまうのが寂しくてすごくゆっくりとしか進められない。それに単純に終わりが近づくにつれ、難易度が上がっていて、なかなか一筋縄ではいかないというのもある。ダンドリチャレンジの難易度Maxのうちのひとつを、もうたぶん50回くらいプレイして、ようやくあと1ポイントですべて取れるところまでは行ったのだけれど、どうしてもプラチナメダルが取れない。あまりにもやりすぎてマップが完全に頭の中にできてしまっている。このままでは日本にいる間も瞑想してしまうかもしれない。
夜ごはんはわたしが日本に帰る直前ということもあり、夫の誕生日前夜祭でもあったので、鯛めしでだし茶漬けだった! しかもなんと鯛のお刺身もある。しかも皮をあぶってある! 前に夫の後輩が遊びに来たときにお土産で貰ったスイスの白ワインが、魚料理に合うとのことだったので合わせてみたら、これがほとんど日本酒みたいな味のワインで、鯛にこのうえなくぴったりだったので、久しぶりにふたりで一本空けてしまった。



だいぶ間が空いてしまいましたが、せっかく書いたものなので公開しました。今週から日記を再開します。

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