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道の街を踊る[2023/11/27-12/3 日記]

11/27(月)
珍しく目覚まし時計が鳴る前に目が覚めたのに、覚醒した瞬間からこの世の終わりみたいな気分だった。それで結局3時間半くらいソファで二度寝して、遅めのお昼ごはんを食べたら、この世の終わりから今週の終わりくらいまで気分は回復した。
ほんとうは全然働きたくなんかない気分だったのに、夫が「暇なら仕事でもしてたら」と言うので、たしかに暇つぶしにはちょうどいいかもしれないと思ってちゃんと働いた。労働に対する意欲がほんとうに低いので、労働のことを人生の暇つぶし程度にしか考えていない。良い子は真似しないでください。
夜ごはんは人生初のカレーうどん。そもそもわたしはカレーが苦手だし、うどんもそれほど好きではないので、カレーうどんなんて絶対に自分から進んでは食べない。けれどカレーが大好きな夫が、「カレーライスがだめならせめてカレーうどんを!」と主張するので、根負けして作ってもらった。ここ数年食わず嫌いが多いのを直そうと思っているのもある。実際にひと口食べたら、実は給食で食べたことがあったかも、という記憶がうっすら蘇ってきたから人生初というのは訂正した方がいいかもしれない。でもとにかく、夫の作ったカレーうどんはとっっってもおいしかったので、いままで食わず嫌いをしてきたことを反省した。しかしわたしは胃腸があまりにも弱いので、食後しばらくおなかの調子がおかしくて、ミントとフェンネルのハーブティーを飲んだらなんとか良くなった。ふう。

お葱たっぷり。

11/28(火)
夜中の3時くらいに一度目が覚めてしまい、1時間くらいで眠れたものの、朝8時くらいにまた目が覚めてしまった(いつも11時くらいまで寝ているのでわたしとしてはだいぶ早い)。いま心配してもどうにもならないようなことが心配で、うわっと夢の中から一気に現実に戻ってきてしまった感じ。隣で熟睡している夫の寝息を聞きながら、なんとかもう一度眠ろうとしたけれど、結局眠れないまま起きる時間になってしまった。
夫は予定よりだいぶ寝坊をして、午前中の予定をすっぽかしてしまったので、寝起きからしょんぼりしていたけれど、市場に行って大量の野菜を仕入れてきたら少し元気になった。夫が野菜の仕込みをしている間に、きょうやるべきことを確認して、そういえば10月のインプットまとめを書いていなかったと思い出して慌てて書いた。まだ11月が半分くらい残っているような気がしていたのに、気がついたら今週末から12月だ。そういえば日本に一時帰国するまであと2週間しかない。それまでにやりたいことが多すぎる。きょうはなんだか焦りばかりが募る日みたいだ。
16時ごろにようやくお昼ごはんを食べて、夫とふたりで「もう日が暮れちゃうね」と言って落ち込んだ。そわそわしすぎて何も手に着かないので、ピクミンのダンドリチャレンジ(ようするに自分との闘い)をうまくできれば気分が変わるかもしれない、と3時間くらい格闘していたけれど、全然うまくできなくて何もかも嫌になってしまった。「そもそもこれクリアできるようにできてるの?」と設計から疑いだす始末。自暴自棄になっているわたしに夫がドイツで買ってきたとっておきのココアを作ってくれて、それを飲んだらちょっと元気になった。甘くてあったかいものは偉大だ。
夫が「最近2週間ごとくらいに何もかもが嫌になる」というので、わたしの躁鬱の波が夫にも影響を与えているのだろうという話になり、とても申し訳なくなる。実際同じ家に精神病患者がいるのといないのとでは、気の持ちようがだいぶ変わってくるだろう。目の前に鬱屈している人間がいたら、自分だって嫌になってくる。しかも我が家は寝室が間取り的にそれぞれの個室がなく、基本ふたりともずっとリビングにいる。そうすると四六時中顔を突き合わせているわけで、気分もだいぶ影響される。実際わたしが「そわそわする~いらいらする~」と言い続けていたら夫までいらいらしてきてしまった。解決策としては、わたしが静かにするべきなんだろうけれど。
落ち着かないのであれば気分を変えようという夫の提案で、ふたりで晩酌をしながら「深夜食堂」を見た。なんだかノスタルジックな気持ちになり、だいぶ落ち着いたので、これは効果があったと言えるだろう。しかしもう夜中なのに眠りたい気分ではなかったので、ずっと読みさしていた『ニューロマンサー』を最後まで読み、シャワーを浴びた。それから夫があと15分で寝るというので待っている間に『なめらかな世界と、その敵』を読み始めた。さすがにいつもより早起きした上に昼寝なしで2時まで起きているのは疲れたようで、布団に入ったらすんなり眠れた。

11/29(水)
きのうダンドリチャレンジをやりすぎて、眠る前に頭の中でシミュレーションしていたせいか、夢の中でもダンドリチャレンジをしていた。そして下手すぎて怒られたところで飛び起きた。ゲームの中で、過去にやったダンドリチャレンジを繰り返しさせてくれるひとが、ダンドリチャレンジのことを瞑想と言っていたが、頭の中でダンドリチャレンジをシミュレーションするのはほんとうに瞑想に近い。
昨夜夜更かしをしたせいで、とても眠くてなかなかすっきり目が覚めない。きょうは早く寝ようと決めた。
きょうは夫の帰りが遅いので、やることリストを確認して、ずっと前からやろうやろうと思って放置し続けてきたことをやることにした。簡単に言うと調べものと韓国語の勉強。それから帰国する前にシーツを変えておきたかったので、えいやっとやる気を出してシーツを交換した。毎日朝のルーティンのあとにその日やりたいこと、やるべきことを確認するというのは、漫然と過ごしてしまうのを防止するうえでとても役に立っているように思う。

11/30(木)
きょうは夫が休みだったので、付き合ってもらって、コートを買うための視察に行ってきた。去年住んでいたボルドーは比較的温暖な気候だったので、薄手のジャンパーのなかにウルトラライトダウンを着込んでなんとか耐えられたが、この街は真冬は最高気温が氷点下になることもあるので、ちゃんとしたコートが欲しかったのだ。あれこれ見て回ったけれど、結局予算内ではユニクロのシームレスダウンが一番軽くて暖かく、デザイン的にも可愛かったので、やはり買うなら日本で、ということになった。12900円のコートが129€なのだから、こっちで買うのは馬鹿らしい。いま1€=160円くらいなので、単純計算で1.6倍の値段だ。
なんだかんだ色々見て回ったら、予定より時間が掛かってしまい、それでもなんとか日が暮れる前には帰宅することができた。といっても最近は16時半でもう真っ暗なので、一日がとても短く感じる。おやつを食べたあと、色々やりたいことはあったけれど、疲れたのか眠くてとても悲しい気持ちになってしまい、結局1時間くらい眠ってしまった。
夜はピザとカプレーゼにビールをつけた。ビールは、アルザス地方の地ビール・メテオールの、クリスマス限定オレンジ風味バージョン。ピザと言ったら映画、というのが我が家の定番なので、食べている間だけ観ようと言ってつけた「耳をすませば」は、結局最後まで観てしまった。いつもよりたくさんビールを飲んだ後に薬を飲んだら頭が痛くなってきて、自業自得と思いながら寝た。

12/1(金)
寝れば治ると思っていた頭痛が、起きたらもっと酷くなってきた。10時の目覚ましを止めたときに、SMSで宅配の予告が来ていたので、それを待ち、11時ごろに受け取ったが、どうにも頭痛が酷くて何もできそうにないので、ちょっとだけ食べて薬を飲んでもう一度寝た。外の明りがまぶたに突き刺さって痛いので、シャッターを完全に下ろして寝室を真っ暗にしたら、とてもぐっすり眠れた。昼過ぎに帰宅した夫が、家の中が暗いので驚いていた。
二度寝をしたら無事薬が効いたようで、頭はすっきりと軽くなっていて、途中で放棄していた宅配の荷物を開封して片づけた。日本から紫乃が本やら薬やらをいろいろと送ってくれたのだ。10月にパリに着ていたKからのプレゼント(茅乃舎のだしパック!)も同封されていた。持つべきものはやはり友達だなあと思いながら、紫乃が貸してくれた本をさっそく読み始めた。近藤聡乃さんが表紙イラストを担当していて気になっていた、『曇る眼鏡を拭きながら』。これがおもしろくておもしろくて、ついつい最後まで一気読みをしてしまった。そのまま『ニューヨークで考え中④』も読み始めて、いま読みたい本が手元にある幸せを嚙みしめていた。

読みたい本がこんなに!


しかし夕飯のあと、またささいなことから夫と喧嘩になってしまい、1時間半くらい話し合いをした。しかもせっかく仲直りができたと思ったのに、寝ようとしたところでまた言い合いになって、腹が立ったのでひとりでさっさと先に寝てしまった。やはり人間はお腹が空いているときと眠いときに話してもろくなことにならない。

12/2(土)
とても怖い夢を見た。寝室でひとりで寝ていると、赤いランプの付いた小さなドローンが音を立てながら部屋に入ってくる。怖いので起きてリビングにいる夫のところに行くと、ドローンも追いかけてくる。それを両手で捕まえて、固いところに叩きつけて壊そうとするも、硬すぎてびくともしない。ドローンの真ん中の赤く光っているランプが、そこにあるカメラを通して誰かが遠くから監視しているという証拠である。ドローンはもう一基やって来る。それも捕まえるが、監視は止まらない。家は気がつくと自宅ではなく祖母の家になっている。部屋の中は夜明け前みたいに薄暗い。二階からぱちぱちと何かが燃える音がする。さらにもう一台のドローンが、二階に置いてある本に火を点けたのだ。どうしても二階に行って、やめさせなければ、と思ったところで目が覚めた。今の家は間取りが祖母の家に似ているせいか、度々気がつくと祖母宅にいるという夢を見るが、それがたいてい悪夢なのはなぜなのだろう。
朝夫がいってきますも言わずに家を出て行ったのが気になって、二度寝しようにも落ち着かず、いつもより早く起きた。夫はまだ怒っているんだと思うと、こんな帰国直前に喧嘩している場合じゃないのに、と気分が落ち込んでくる。けれど落ち込んでいるからといって何もしないのはよくないぞと気を取り直して、朝ごはんをもりもり食べて、てきぱき家事をした。昔の自分だったら喧嘩をした翌日は何もする気になれなくて、泣きながらベッドの中で一日を過ごしていたけれど、前に読書会で紫乃が言っていた、「めちゃめちゃ嫌なことがあったときほど超健康に生きてる」という言葉に、自分もそうしなくてはいけないと強く思ったので、きょうはめちゃくちゃ元気に過ごしてやろうと決めたのだ。
それでも16時半に帰ると言っていた夫が17時をとうに過ぎても帰ってこなくて、もしかしてきょうは帰ってこないんじゃないかと思ったらとても不安になってしまって、18時には泣きながら電話をかけていた。夫はちょっと寄り道をしていただけで、まさかわたしがそんなに心配をしていたとは夢にも思っていなかったらしい。「帰ってこないかと思った」と泣きながら訴えたら、笑って「帰らなかったことなんてないじゃない」と言っていたけれど、全然笑い事じゃない。
仲直りがしたくて、夜ごはんを食べながら「伯爵」という映画を観た。チリの独裁者ピノチェトが実は吸血鬼だった!というトンデモ歴史もの。最近吸血鬼ものがまた流行ってきているみたいで、物心つく前からドラキュラに心を奪われてきたわたしとしては、時代がようやく追いついてきた感じがして嬉しい。「SHERLOCK」製作陣による「ドラキュラ伯爵」も観なくてはとずっと思っている。

12/3(日)
きのう夜更かししたせいで、夫婦そろって寝坊してしまった。お昼過ぎにのそのそ起きてきて、この前半分だけ食べた晩白柚の残りを食べた。普通の晩白柚と違って、身が赤いのがかわいい。わたしは無類の柑橘類好きなので、こっちでも色々な柑橘類を試してみているけれど、日本の柑橘類はどれもかなりおいしい気がする。実家の近所のスーパーが謎に柑橘類に力を入れていて、冬は色々な種類の柑橘類が取り揃えられているので、一昨年は全制覇する勢いで食べ比べしていたな、ということを思い出した。あれがもう一昨年なのか、時間が経つのは早すぎる。

食感がぷちぷちしていて美味しい。


天気が良かったので、お昼ごはんを食べたらごみ捨てついでにお散歩に行こうかと言っていたのに、お昼が15時半くらいになり、さらに家を出ようとしたところで夫の帽子が見当たらないことが発覚してふたりで大捜索をしていたらすっかり暗くなってしまった。帽子は結局見つからなくて、いつ最後にかぶっていたか記憶をたどった結果、木曜日の買い物のときに落としてしまったらしいということで結論が出て、夫は終始しょんぼりしていた。
帰宅してから、お茶を飲もうねと言いながら居間のベッドでごろごろしていたら、いつの間にか眠ってしまっていた。夫は途中で起きて洗濯物を干したりしてくれていたけれど、わたしはそのまま2時間くらい爆睡してしまった。久しぶりに外に出たら寒すぎて冬眠モードになってしまったらしい。
きょうはもうなんだか何かをする気分になれなくて、夕飯までYouTubeを見てだらだらした。最近あまりYouTubeを見ていなくて、大好きな鹿の間ちゃんの動画が何本か溜まっていたので見るものには困らなかった。GRWMとかナイトルーティンとか、そういう系の動画ばかりを見て、わたしもちゃんとスキンケアするぞ~というモチベだけは高まった。実際ちゃんと寝る前に久しぶりに丁寧にスキンケアしたからえらい。
しかし変な時間に爆睡してしまったせいか、全然寝付けなくて困った。もうすぐ日本に帰ると思うと、そわそわしてしまって落ち着かない。


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