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インプットまとめ[2023年11月・12月]

ばたばたしていてすっかりさぼっていましたが、久しぶりのインプットまとめです。ひとまず昨年分ということで、11月分と12月分をまとめています。12月下旬から日本の実家に帰っていたので、いつもより本が多めです。

映画

「君たちはどう生きるか」(2022)

久しぶりに映画館で観ました。

宮崎駿監督の今までの作品の色々なエッセンスが含まれていて、ある意味集大成的な作品だったのかな。モチーフとしてよく出てくるので、いままで、宮崎駿監督は鳥が好きなのかと思っていたけれど、今作では鳥がめちゃくちゃ気持ち悪く描かれていて、逆にめちゃくちゃ嫌いなのでは!?という疑惑が生まれた。

物語はもっと自由でいいんだという強いメッセージを感じて、わたしはとても好きだった。ヒミのキャラ造形がちょっと白雪姫を彷彿とさせて、子供の頃から白雪姫大好きなわたし的にはとてもよかった。

「耳をすませば」(1995)

なんだか久しぶりに観たくなってしまって。

冒頭のシーンで、月島家の面々が、夜(夕食後?)皆ダイニングでそれぞれ読書や書きものに没頭している感じが、自分の実家を思い出して懐かしい。

ところであまり共感はされないかもしれないけれど、わたしが「耳をすませば」を好きな理由と「君の名前で僕を呼んで」を好きな理由はたぶん同じで、アカデミックな雰囲気のある家庭に憧れているのだと思う。

しかし結婚してから改めて観ると、雫と聖司は家庭環境が違いすぎて、実際に結婚したらめちゃくちゃ苦労するだろうな……と考えてしまった。それでも純粋な好意が「結婚したい」につながる純真さは好ましく思う。若いっていいね。

「伯爵」(2023)

吸血鬼ものに目がないんです。ほんとに。

(以下ネタバレです)

ヒロインの修道女カルメンがめちゃくちゃセクシーで、セクシーな修道女が吸血鬼の誘惑に負けて堕落する、なんてストーリー、万人が好きに決まってる。カルメンが吸血鬼退治に行く前にペディキュアを塗っているところが好き。カルメン役の俳優さんの演技がほんとうに素晴らしくて、今後も注目しておきたい。

ナレーションがなぜこてこてのクイーンズイングリッシュなのかが分かるシーンがトンデモすぎてめちゃくちゃウケた。

「Cold War」(2018)

2023年ベスト映画。

あまりにも哀しい物語で、でもその哀しさが、過度に演出されてものではなくて、ほんとうにふたりが幸せになるためには、この時代のこの状況ではこれしかなかったんだということが痛切に分かるから、とてもつらいけれどいい映画だったと思う。

初めは素朴な田舎の少女だったヒロインが、都会の洗練された女性に成長していく様子がとても美しかった。

昔同じ監督の「イーダ」という作品を観て、それもとても良かったので、この監督のことは信頼できると思う。

「マレフィセント」(2014)

飛行機の中で観た。日本語字幕がなくても話が分かるくらい台詞が簡単なのがありがたかった。アンジェリーナ・ジョリーとエル・ファニングのどちらも大好きなので、ふたりの共演は見ていてとても楽しかった。

(以下ネタバレです)

「真実の愛」というのが、「男女の恋愛感情」ではなくて、「血の繋がらない親子の愛」であるというところにぐっときた。もちろんそれを描きたかった映画だと思うけれど。

ドラマ

「深夜食堂」Netflixシーズン2 第一話・第三話(2019)

ストリップ劇場の踊り子の話で、学生時代に読んだ井上ひさしを思い出した。このドラマのテーマソングはどうしてこうも、胸がぎゅっと締め付けられるのだろう。

紫乃が日本から本を送ってくれたのと、12月下旬から日本に帰っていたので、いつもよりたくさん読めました。ずっと読みたかった本も読めて嬉しい。

ウィリアム・ギブスン『ニューロマンサー』早川書房

2023年の「今年こそ読む積読本」だったもの。ちゃんと2023年中に読めた。

ここまでこてこてのSFは久しぶりに読んだので、最初なかなか苦労したけれど、途中から物語に引き込まれてしまって一気に読んだ。とても難しそうだけれど映画化してほしいなと思ったら、映画化の話は何回も出ているらしい。続編も読みたい。

(以下ネタバレ)

「ニューロマンサー」というタイトルを、New Romancerだと思っていたら、Neuromancerで、なんだかネクロマンサーっぽいなと思ったら全部合っていたので嬉しかった。

くぼたのぞみ・斎藤真理子『曇る眼鏡を拭きながら』集英社

紫乃が送ってくれた本。

あまりにも面白くて、大切に読みたかったのに、読み始めたら止まらなかった。本に関する本を読んでいて、ここまでどきどきわくわくしたのは、沼野充善先生の『世界は文学でできている』以来。そう思っていたら、沼野先生のお名前も出てきて嬉しかった。

海外文学はそれなりに読んできた自負があったのに、知らない本がたくさん出てきて、読んでみたくてうずうずした。世界にはまだまだ読んだことない本が山のようにあると思うと、長生きしなくてはいけないと強く思う。

ずっと覚えていたいくらい素敵な言葉がたくさん出てきたので、抜き書きしながら読み返そうと思う。近藤聡乃さんの装画も素敵。

近藤聡乃『ニューヨークで考え中④』亜紀書房

こちらも紫乃が送ってくれた本。

近藤さんが猫を飼い始めて、途中から猫の話ばかりになっているのが微笑ましくもあり、羨ましくもあり。近藤さんのお家のような窓際の大きな本棚に憧れる。

尾形亀之助『カステーラのような明るい夜』七月堂

新婚旅行のときに京都の恵文社一乗寺店で買ったきり、読んでいなかったのをようやくした。

尾形亀之助のことは寡聞にして存じ上げなかったので、読んでいて最近の詩人かと思いきや、戦前の詩人で驚いた。それくらい、現代にも通じる感覚の詩が多かった。

池袋のジュンク堂で他の詩集も見かけて買いたかったのだが、そのときは予算が足りず断念した。そのうち手に入れたい。

坂口恭平『躁鬱大学』新潮社

実家に帰った途端母が勧めてくれた本。

もともとはnoteの連載だったそうで、まだまだ知らないだけで、世の中には有益で有用なnoteがたくさんあるのかもしれないと思ったり。

まさにわたしが求めていた情報が書かれていて、とてもありがたかった。それと同時に、心のどこかではずっと、診断は下りていても躁鬱だと認めたくない自分がいたので、ここまで当てはまっていたらもう逃れようがないなという諦めも生まれた。自分でも対処しきれない部分もまだまだあるので、もっと理解してもらうために、夫にも勧めてみようと思う。

石井睦美『キャベツ』講談社

姉に勧められたもの。実家に帰るなり家族が次から次へと本を勧めてきたのがおもしろい。

実は石井睦美の作品を読むのは初めてだったが、とても読みやすくておもしろかったので、もっと読んでみたくなった。

姉に、主人公の妹がわたしに似ていると言われて読んでみたら、主人公が妹に甘々だったので、ポジティブすぎるわたしは、「お姉ちゃんってめちゃくちゃわたしのこと可愛いって思ってる?」と訊いてドン引きされた。

ミヒャエル・エンデ『モモ』岩波書店

こちらも「今年こそ読む積読本2023」のうちの一冊。kindle unlimitedで読み始めたのだが、どうにも読み進まず、実家にあった単行本で読んだら2日くらいで読めてしまって拍子抜けした。やはり電子書籍はあまり得意ではないのかもしれない……。

すごく温かみがあって優しい作品で、もっと早く読めばよかったなという気持ちもありつつも、今だからこそ読めたのだという気もする。

森数機・はまぐり『シェパードハウス・ホテル②』集英社

電子で買って積んでいたのを、日本に帰ったときに紙版を入手してそっちで読んだ。やっぱり電子苦手かも……。でもどちらにせよ紙でも欲しかったのでちょうどよかった。

モアちゃんの過去もちょっとずつ明かされてきて、続きがますます楽しみ。これは一巻の話だけれど、なぜモアちゃんはNevermoreなのかが気になっている。

新井すみこ『気になってる人が男じゃなかった』KADOKAWA

Twitterで話題になっていて気になっていたので紙で買いました。期待以上にめちゃめちゃおもしろかった。母に貸したら、母もハマっていた。

ふたりのファッションがすごくかわいくて、真似したくなる。Twitterで公開されているプレイリストも聞いてみたい。2巻楽しみだな~。

園山ゆきの『ブレス①』講談社

上記ふたつを購入したときに見かけて、ついでに買ってみた。

個人的にはメイクにおいて重要なのは、色と質感だと思っているので、それを白黒の漫画で表現するのはすごいなと思う。主人公がわりと好みだった。

ノムラララ『夏の魔物③④』双葉社

どうしても紙で欲しくて、通販で買って実家に送っておいたのを、ようやく読めた。

高校生の性欲って描くのがとても難しくて、でもなかったことにはできない、見ないふりはできないものだと思うので、その塩梅がとても良くて、わたしにとってはとても大切な作品になった。

その他

バレエ「くるみ割り人形」

夫が「クリスマスはやっぱりくるみ割り人形でしょ」というので観に行ってみた。実はくるみ割り人形を観たのは初めて。

前日あまり眠れなくて、前半すごく眠くなってしまったのがもったいなかった。後半の、さまざまな民族舞踊を取り入れた部分がおもしろかった。

「劇団ドラマティカ Act2」

わたしが日本を出る日に母と姉が観に行っていたやつです……。Blu-rayでやっと観れた。

Act1より歌があまり印象に残らなくて、それがちょっと残念だった。

どう考えても続きがありそうな感じで終わったので、「えっ!? ここで終わり!?」と叫んでしまった。ギィのキャラクターがめちゃくちゃ良くて、もし続きがあるとするなら、彼はどんな立ち回りをするんだろうと勝手に楽しみにしている。

「ミュージカル『刀剣乱舞』千子村正蜻蛉切双騎出陣~万の華うつす鏡~」

これを観るために帰国しました。ほんとうにこのためだけに。

浅井さやかさんの脚本がほんとうに好きで、しかも大好きなおふたりの主演・演出で、こんなに素晴らしいものを観させてもらえるなんて、生きていてよかったと心の底から思った。

あまりにも最高すぎて、第一部は体感10分だったし、第二部は体感5分だったので、体感としては休憩時間のほうが長いくらいだった。というのは冗談としても。

わたしが見たかった村正派の正解がここに現れていたので、一周回ってめちゃくちゃ二次創作したくなった。ポエミーでドリーミーな同人誌出したい。

浅井さやかさんともっくんとspiさんには足を向けて眠れない。一体どっちに足向けて寝たらいいんだ? とりあえず日本の方角には足を向けないでおこう。


毎月観た映画や読んだ本をまとめています。



















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