小規模農家にアグロフォレストリーを導入する3つのプロジェクト

元記事:Three Campaigns Supporting Agroforestry for Small-Scale Coffee Farms - Daily Coffee News [Nick Brown | August 12, 2020]

オレゴン州ポートランドを拠点とする非営利団体 Grow Ahead とバーモント州を拠点とする非営利団体 Food 4 Farmers が提携し、先住民や女性主導のコーヒー農園向けに「アグロフォレストリープロジェクト」を支援するための 3 つのクラウドファンディングキャンペーンを開始した。 
(注釈:アグロフォレストリー…樹木を植え、植えた木の間で家畜を飼育したり、農作物を育てる農業方法)


3つのクラウドファンディングキャンペーンは現在それぞれ 2 万ドルを目標としてGrow Ahead のウェブサイトで実施されている。
キャンペーンにはニカラグアの SOPPEXCCA、コロンビアの COMPECAFE、グアテマラの Maya Ixil など、Food 4 Farmers と関係のある協同組合で進行中のプロジェクトが含まれている。それぞれのキャンペーンは、小規模農家におけるアグロフォレストリープロジェクトを支援するという Grow Ahead のミッションと連動しており、同時に Food 4 Farmers の食糧安全保障と農場の多様性戦略にも従っていると Grow Ahead は述べている。


アグロフォレストリーとは一般的に、作物栽培システムに樹木や低木を組み込むこと、と定義されている。コーヒーの栽培においては、アグロフォレストリーシステムは気候変動に対する地元・周辺地域の回復力を促進するということが証明されているが、その一方で、農家の新たな食糧源となったり、作物の多様化を通じて収入が増える可能性もある。


Grow Ahead のプロジェクト・マネージャーであるジュリア・ジェントナー Julia Gentner は、3 つのキャンペーンの立ち上げの発表の中で、「農地に植樹をすることで生物多様性が増加し、農家にとっても食糧と栄養の安全保障につながります。アグロフォレストリーを導入することで、小規模農家は食料安全保障を向上できるだけでなく、大気中の炭素を安定化させ、経済的な機会を増やし、他の生態系の循環を向上させることもできます。小規模農家が気候変動に直面しても生き残っていけるようにするために、このように広範で、相互に増強し利益を提供しあう対応が必要なのです。」と述べた。


ニカラグアでは SOPPEXCCA 協同組合が、女性が経営する 103 のコーヒー農園・家庭菜園に 34,950 本の木と植物を植えることを計画している。「女性が食料を生産し利用できるようになれば、地元の市場ともつながりができ、経済的な自立に向けて動き出すことができます」と SOPPEXCCA のファティマ・イスマエル所長 Fatima Ismael は語った。 

コロンビアでは COMPECAFE プロジェクトにより 16,875 本の新しい木が植えられ、約 150 の先住民族のコーヒー生産農家のために、食料生産・シェードツリーのための育苗所(ナーセリー)が作られる予定だ。

グアテマラでは、200人のメンバーで構成されるマヤ・イクシル協同組合 Maya Ixil プロジェクトが、200 の先住民が所有するコーヒー農園に約42,000本の新しい木と作物の苗を導入することになっている。

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junko