米国農務省、オーガニック認証の規則変更を提案

元記事:USDA Proposes Stricter Regulations for Organic Certification - Daily Coffee News [Nick Brown | August 12, 2020]

米国農務省(USDA)は、オーガニック認証プログラムの規則の大幅な変更を提案しており、従来のコーヒー業界やスペシャルティコーヒー業界に大きな影響を与える可能性がある。
この新基準と規則案は 8 月 5 日に連邦登録簿に掲載され、10 月 5 日(月)までコメント期間が設けられています。 承認されれば、2000 年に初めて採用されて以来初めての大幅な規制改正となる。

新しい規制では、農業協同組合、輸出・輸入業者、コーヒーロースターなどのサプライチェーンの関係者に対し、新たなコンプライアンス要件の追加や監視の追加を行うなど、認証オーガニック製品のサプライチェーン全体を厳しく監視することが求められている。

農業マーケティングサービス(AMS)(全米有機プログラム(NOP)を監督する米国農務省の一部門)は、サプライチェーンの複雑さと過去20年間のオーガニック製品市場の成長により、監視増加の必要性が増したと述べた。


AMSは提案書の中で「現代のオーガニック産業の成長と複雑性に対応するには現行の規則では限界があり、元の規制では対処しきれない監視と施行の間の溝が明らかになってきた。規則の中に明確で具体的な基準がなく解釈の違いや一貫性の欠落業界全体での不平等な施行につながることもあった。オーガニックと銘打つには信頼が必須であるにもかかわらず、サプライチェーンが複雑になるにつれ透明性は低下し、トレーサビリティはより複雑になる。さらに、NOPの監督なしにオーガニックサプライチェーンが営業を行えば、オーガニックという誠実さにとってリスクとなる。これは、オーガニック製品の誤処理、オーガニックという信頼の喪失、不正行為につながる可能性がある。新規則案は、これらのリスクに対処するよう設計されている。」と記した。


米国農務省によると、米国のオーガニック製品の総売上高は、1997年の34億ドルから2019年には551億ドルに増加している。
コーヒーはバナナやココアと同じく、主として米国国外で生産されている数少ない農産物の一つであり、オーガニックプログラムの「生産者グループ」基準に該当し、小規模農家が大規模な協同組合などを通じてオーガニック認定を受けることができる。Allied Market Research や ReportLinker などの企業による最新の市場調査によると、昨年の米国における USDA 有機認証コーヒー(オーガニックコーヒー)の市場規模は約 57~68 億ドルで、さらに成長を続けている。 


有機認証コーヒーはプレミアム価格で取引される傾向にあるが、生産者や生産処理業者、ロースターにとってのコストとメリットに関するデータは非常に少なく、オーガニック栽培だが認証されていないコーヒーがどれだけあるのか、またどれくらいの認証オーガニックコーヒーがプレミアム価格なしで通常のコーヒーと同じように販売されているのか、といったデータもほとんどない。

DCN は今後数週間のうちに、これらの変更案と、コーヒー生産者、取引業者、ロースターへの具体的な影響についての詳細を発表する予定である。

提案された変更案、変更案にコメントをするならこちらのリンクから(英語)

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junko