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ダイレクトリクルーティングのメリット・デメリット、他の採用手法との違い、成果を出すコツをわかりやすく解説します

数年前から一気に注目を集めている「ダイレクトリクルーティング」

このnoteでは、
ダイレクトリクルーティングと従来の採用手法の違い
導入のメリット、デメリット
ダイレクトリクルーティングで成果を出すコツ
についてわかりやすく解説します。

■ ダイレクトリクルーティングとは

ダイレクトリクルーティングとは、企業が候補者に直接アプローチする採用手法を指します。

2007年頃からアメリカで定着し始めた採用手法で、海外では「LinkedIn」が有名なサービスです。日本では、2010年前後にサービスを開始した「ビズリーチ」や「リクナビNEXTプロジェクト(現在はサービス終了)」が先駆け。参入企業が徐々に増え、現在では数多くのダイレクトリクルーティングサービスが存在しています。(後半に中途採用向けのサービス紹介あり)

 - 従来の採用手法との違い

ダイレクトリクルーティングが誕生する前から存在していた、求人広告・人材紹介は「候補者が企業へ応募する」サービスでした。一方、ダイレクトリクルーティングは「企業が候補者へアプローチする」サービスです。

従来の採用手法だと企業側は候補者が応募するのをただ待つのみでしたが、ダイレクトリクルーティングでは能動的に企業側からアクションできることが大きな違い

以下、コスト・工数・母種団形成・マッチング度の観点から、ダイレクトリクーティング・求人広告・人材紹介それぞれのサービスを比較しました。募集職種や採用条件によっては表と異なる場合もありますが、ダイレクトリクルーティングの導入を検討されている方はぜひ参考にしてください。

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■ ダイレクトリクルーティングのメリット

ダイレクトリクルーティングのメリットは大きく3つあります。

 - 1. 欲しい候補者に直接アプローチできる

求人広告は誰でも応募できるため、応募者の書類合格率は5%〜10%程度。転職エージェントが介在する人材紹介は求人広告に比べて書類合格率は高いですが、応募者の書類合格率は30%〜40%程度です。

ダイレクトリクルーティングは、企業が欲しいと思った候補者にしかアプローチしません。つまり、書類合格率は100%。

採用要件と応募者のマッチング度が低く 、採用充足の見込みが立たない募集ポジションでは、ダイレクトリクルーティングが効果を発揮する可能性は高いと思います。

 - 2. 人材紹介に比べ、採用コストを抑えられる

専門性の高い職種やハイクラス人材であればあるほど採用難易度は高くなり、人材紹介やヘッドハンティングに頼らざるを得ないため、採用コストが高騰します(人材紹介:提示年収の30〜35%、ヘッドハンティング:定時年収の40〜50%(着手金+成功報酬))。

そのため、採用予算が潤沢にあるような場合を除き、採用計画全てを人材紹介やヘッドハンティングに頼るのは難しいのではないでしょうか。

最も採用単価を抑えられる求人広告には向き不向きがあり、専門性の高い職種やハイクラス人材とはあまり相性が良くありません。その点、ダイレクトリクルーティングでは、専門性の高い職種やハイクラス人材を、人材紹介・ヘッドハンティングよりもコストを抑えながら採用できます

 - 3. 転職潜在層へアプローチできる

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ヘッドハンティングを除いた従来の採用手法(求人広告、人材紹介)では、転職サイトや転職エージェントに登録して積極的に転職活動している「転職希望者」、あるいは数ヶ月以内の転職実現を目指して情報収集している「転職顕在層」しかアプローチできません。

しかし、ダイレクトリクルーティングは「良いところがあれば転職したい」と考えている転職潜在層にもアプローチ可能

転職希望者や転職顕在層に比べて、転職潜在層の人数規模は大きいため、従来の採用手法に比べてアプローチできる候補者数は圧倒的に多いです。また、転職希望者や転職顕在層の候補者は他社求人と競合しやすいですが、表立った転職活動をしていない転職潜在層の候補者は他社求人と競合する可能性が低くなるメリットもあります。

■ ダイレクトリクルーティングのデメリット

一方、考えられるダイレクトリクルーティングのデメリットとしては、以下があります。

・採用工数が増加する
・ノウハウがないと成果が出にくい

 - 1. 採用工数が増加する

求人広告や人材紹介ではアウトソーシングできていた「求人情報(求人票)の作成」「応募者の1次対応」など、基本的にダイレクトリクルーティングでは自社の採用担当者が担当しなければなりません。

以下は、ダイレクトリクルーティングで必要な業務の一例です。

・候補者の抽出及びスクリーニング
・スカウトメール文面の作成
・スカウトメール送信
・応募者への1次対応
・面接日程調整
・懸念払拭、入社意欲醸成
・その他応募者とのコミュニケーション

採用コストは抑えられる反面、採用工数は増加するデメリットがあるため、採用担当者のリソースに余裕が無い状態でダイレクトリクルーティングを導入するのはお勧めしません。採用担当者のリソースを増やすか、ダイレクトリクルーティングの業務を代行してくれる企業を見つけてから導入を決定したほうが良いと思います。

 - 2. ノウハウがないと成果が出にくい

ダイレクトリクルーティングは担当者のスキル次第では全く成果が出ない可能性もあります。

特に、
候補者の抽出及びスクリーニング
スカウトメール文面の作成
はダイレクトリクルーティングの肝となる業務。

これらの業務品質の向上は採用成功に繋がりますが、向上させるためにはダイレクトリクルーティングのノウハウが必要不可欠であるため、未経験者がすぐに成果を出すのは難しいかもしれません。

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当社はダイレクトリクルーティングの豊富な業務代行実績があり、候補者抽出及びスクリーニング、スカウトメール文面の作成など全て代行可能です。
ご興味がある方はお気軽にお問い合わせください。

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■ ダイレクトリクルーティングで成果を出すには

ダイレクトリクルーティングで成果を出すためには「TMP」を磨くことが欠かせません。

ちなみに「TMP」とは、以下の頭文字をまとめた言葉です。

Targeting:適切な採用候補者の設定
Messaging:候補者の心を動かすメッセージの作成
Processing:採用プロセスの最適化

従来の採用手法においても重要な考え方ですが、ダイレクトリクルーティングで採用成功できるか否かは「TMP」に掛かっていると言っても過言では無いと思います。

 - 1. Targeting(ターゲティング)

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ダイレクトリクルーティングでは、適切なターゲットにアプローチしなければ成果が出ません。適切なターゲットとは以下のA、Bいずれにも該当する候補者を指します。

(A)募集ポジションの採用要件を満たす
(B)応募可能性がある(応募するメリットがある)

あらかじめ候補者のレジュメを確認できるため、(A)の採用要件を満たすかどうかについては一目瞭然だと思います。難しいのは、(B)の応募可能性があるかどうかの判断。

「年収がアップする」「仕事の裁量が大きくなる」など、候補者にとって明確なメリットがある場合を除いては、実際にアプローチしてトライ&エラーを繰り返しながら判断していくほかありませんが、トライ&エラーを繰り返す過程で、返信が見込める候補者(=応募するメリットがある候補者)の属性、つまり自社の「勝ちパターン」を把握できます

一度自社の勝ちパターンを把握してしまえば、他ポジションへの流用、人材紹介など他の採用手法にも展開可能です。

*関連noteはこちら

 - 2. Messaging(メッセージング)

アプローチすべき候補者の属性がわかったら、その候補者が「応募したい」と思ってくれるような魅力(=訴求ポイント)を伝える必要があります。ここで注意していただきたいのが、自分たちが考える会社(募集ポジション)の魅力が、必ずしも候補者にとっても魅力に映るとは限らないこと。

過去、求人広告や人材紹介で「思うように応募が集まらない」「求める人材からの応募が来ない」といった経験がある場合には要注意です。

そのような時は、直近の入社者へのヒアリング(応募・入社動機など)、候補者レジュメを読み込み、訴求ポイントの整理から始めます。

「アピールにならないと思っていた部分が実は魅力になっていた!」
「魅力だと思ってアピールしていた内容が、世間では割と一般的な事柄だった、、、」
など、思いの外、新たな発見があるかもしれませんよ。

ターゲティングと同様、ブラッシュアップした訴求ポイントは他の採用手法に展開できますし、採用ブランディングにも応用可能です。

*関連noteはこちら

 - 3. Processing(プロセシング)

ターゲティングとメッセージングは「応募を集める前」に関係する要素。これからご説明するプロセシングは「応募を集めた後」に関係する要素です。

せっかくターゲティングとメッセージングを磨いて候補者を集めたとしても、選考プロセスをダイレクトリクルーティングに合わせて最適化していなければ、最悪、選考途中で全員に辞退されてしまうことも・・・

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ここまでお読みになった方であれば、ダイレクトリクルーティングと従来の採用手法(求人広告・人材紹介など)ではアプローチの向きが異なるのはご理解いただけていると思います。

従来の採用手法(候補者から企業へのアプローチ)では、応募してきた候補者の志望意欲は総じて高いです。一方、ダイレクトリクルーティング(企業から候補者へのアプローチ)では、応募してきた候補者の志望意欲にバラつきがあり、必ずしも志望意欲が高いとは限りません

そのため、志望意欲が高いことを前提に面接を進めると、選考途中での辞退が増加傾向にあります。

ダイレクトリクルーティングでは、以下のポイントに注意して選考フローや面接時の質問内容を設計するのがお勧めです。

ポイント1.自社から声をかけて候補者が応募してきている
ポイント2.ファーストコンタクトは「相互理解」の場と割り切る
ポイント3.面接によって入社意欲を高める

■ ダイレクトリクルーティングのサービス例(中途採用)

最後に、中途採用に特化しているダイレクトリクルーティングサービスをいくつかご紹介します。

 - ビズリーチ

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画像引用元:ビズリーチ公式サイト

株式会社ビズリーチが運営しているハイクラス採用に特化したダイレクトリクルーティングサービスです。

日本におけるダイレクトリクルーティングのパイオニア的な存在で、ダイレクトリクルーティングといえばビズリーチを第一想起する方も多いのではないでしょうか。株式会社ビズリーチは、20代向けに特化した「キャリトレ」というサービスも展開しています。

 - doda Recruiters

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画像引用元:doda Recruiters公式サイト

人材大手のパーソルキャリア株式会社が運営しているダイレクトリクルーティングサービスです。

大手求人サイトdadaとデータベースを共有しているため、日本最大級となる約189万人(2020年6月末時点)の人材データベースに直接アクセスでき、スカウトメールを送信できるのが魅力的だと思います。

 - Liiga

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画像引用元:Liiga公式サイト

株式会社ハウテレビジョンが運営している若手ハイクラス採用に特化したダイレクトリクルーティングサービスです。

20代〜30代の次世代幹部候補として活躍できる人材がデータベースに登録されているのが特徴だと思います。

 - OpenWorkリクルーティング

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画像引用元:OpenWorkリクルーティング公式サイト

国内最大級の社員クチコミサイト「OpenWork」を運営している株式会社オープンワークのダイレクトリクルーティングサービスです。

OpenWorkに登録しているユーザに向けてスカウトの送信が可能であり、OpenWork内での評価スコアが高い企業であるほど利用するメリットは大きいと思います。

■ まとめ

現在ではメジャーな採用手法となりつつあるダイレクトリクルーティングは、使いこなせれば採用の幅が広がり、強力な武器になります。

ダイレクトリクルーティングの導入直後は成果が出にくく、採用工数が増えてしまうデメリットもありますが、採用コスト削減や欲しい人材にピンポイントでアプローチできるなど、デメリットを補って余りあるメリットがあると考えています。

こちらのnoteを参考に、ぜひダイレクトリクルーティングの導入を検討されてみてはいかがでしょうか。

従来の採用手法との違い

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ダイレクトリクルーティングのメリット

1. 欲しい候補者に直接アプローチできる
2. 人材紹介に比べ、採用コストを抑えられる
3. 転職潜在層へアプローチできる


ダイレクトリクルーティングのデメリット

1. 採用工数が増加する
2. ノウハウがないと成果が出にくい


ダイレクトリクルーティングで成果を出すための「TMP」

Targeting:適切な採用候補者の設定
Messaging:候補者の心を動かすメッセージの作成
Processing:採用プロセスの最適化

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最後までお読みいただき、ありがとうございます。

当社ではダイレクトリクルーティングの導入支援から、導入後の運用サポートまで一気通貫したサポートが可能です。

当社では、製造業・IT業界・コンサルティングファーム・ベンチャー/スタートアップを中心に、年間数十名〜数百名規模の採用を行う企業様のダイレクトリクルーティングを支援しています。

採用支援実績は年間100名以上、そのうち約80%が技術職(コンサルタント職含む)のポジションで、一般的には採用が難しいと言われる技術職の採用支援に関して強みがあります。

ダイレクトリクルーティングについてお困りごと、ご相談がある場合にはぜひお気軽にご連絡ください。