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【動画視聴&質問から学ぶ】教師の言葉で子どもが生きる 子どもと創る算数授業



はじめに


7月19日(水),授業てらす5回目の授業公開企画が開催されました。今回、授業提案してくださったのはてらすメンバーサトシさん,こと,松浦悟史先生です。
 今回,私はアーカイブ配信でこちらのセミナーを視聴しました。
視聴後,サトシさんに質問してみたい…という内容がたくさん浮かんできたので,同じ算数部メンバーの特権!ということで,突撃インタビューを実施しちゃいました。サトシさんもご多用の中,とても丁寧に回答してくださって私の学びも深まりました。サトシさん,本当にありがとうございました。
 今回は,質問内容とその回答から見えたこと,そして私の思いや考えを中心に書いていきたいと思います。
 

笑顔のヒミツは…

アーカイブを視聴して,まず思ったこと。それは,セミナー実施の最中,サトシさんがずっとニコニコしている!ということです。参加している先生方の意見や感想を聞いている時も,それに対して回答している時も,サトシさんがこのセミナーを一番楽しんでいるように見えました。
この質問をしてみたら,その笑顔の理由が少しわかったような気がしました。

ということで1つ目の質問です。
Q1 このトピック単元で授業公開をしようと思われた理由は??
 
A.この授業は宮崎大学の学生に見せた授業でした。その目的は学習集団づくりをどのように松浦が行っているかというものです。
てらすでもこの授業を公開した理由は、「子どもの文脈で授業を進めていく大切さを伝えたかった」からです。算数の内容よりも私の授業中の行為に着目してほしいという思いが実はありました。私の大切にしていることが割と多く詰まった授業が全国の先生方にどのように映るのか。その上で御意見をいただければ私が成長できると思い提案させていただいた次第です。自分の成長のためという何とも自分勝手な思いもありました(笑)
 
なるほどなるほど。サトシさんが「大切にしていること」が詰まった授業が全国の先生にどう映るのか,という意図があったのですね。そこでたくさんの意見や質問が飛び交い,みなさんが真剣に話し合い学び合っていたので,サトシさんも嬉しくなって笑顔だったのかなぁと思いました。←私の勝手な想像です(笑)
 
 

いつもフラット。だけどその奥にある熱い想い

次に,私がサトシさんの授業の様子を見てとてもホッとしたところがあったのです。それは…
サトシさんが,同じリズム,同じ口調で授業をされている,ということ。
サトシさんは2年生の担任をしておられます。私は,とっても久々に1年生担任になったのですが…オーバーリアクション・低学年向けの雰囲気を出すこと(上手に表現できないのですが伝わったら嬉しいです)が苦手で,「あぁ,去年と同じような感覚で授業してるな…。1年生に向けて授業しているのだから,私の言い方や反応の仕方などに工夫必要なのだろうか…」と,悩んでいたのですよね。
ですが,サトシさんの授業動画を見て,1年生だから,低学年だから…と変に気負うことはしなくていいんだなと思うところがありました。

ということで2つ目の質問です。
Q2 サトシさんはあえて意識して低学年でもフラットな感じにしているのか,それとも自然にそうなっているのでしょうか?

A.私の口調やリズムは自然なものです。実はオーバーリアクションが苦手です。何かわざとらしいのが嫌というか…苦手です。先輩の先生方からは抑揚がないといつも指摘されていました。
 しかし、私の欠点は実は私の強みなのかもしれないと思っています。だって授業の主役は子どもでしょ?教師がパフォーマンスしなくてもいいんじゃない?教師はファシリテーター、つまり脇役でしょ?だったら私の口調やリズムってちょうどよくないか?と考えています。そこまで教師が全面に出なくてもいいのではないかと考えていますが、その先生方のキャラクターもあると思うので難しいところですね。
 よく授業を見た先生からは驚かれます。あんなテンションで授業をするだなんて!?大学生からも言われるし、現職の先生からも言われるし、私が宮崎大学附属小に赴任している際の公開授業を見に来た,てらすメンバーのぴーちゃん にも言われました。その次の年にぴーちゃんは附属に来ることになります(笑)


確かに,先生方のキャラクターってあると思うので,一概にどちらが良い,ということではないと思います。ですが「教師はファシリテーター,つまり脇役」この意識が必要になる時ってあると思います。私達教師は,場面によって使い分けていくことが必要になるのかもしれないですね。
「欠点も自分の強みだ!」名言です!!!
 

遊んでいるように見えて,実は…

次に…セミナーの質問タイムの時,動画を見ていて衝撃を受けた場面がありました。
アーカイブを見てない方には伝わりにくいと思うのですがごめんなさい。
質問タイムの時に「後半が遊びになっていたのではないか」という意見が出たんです。そしたら,サトシさんは「遊んでいました」と笑顔で仰いました!笑顔で言えちゃうサトシさん,すごい。
ですが,その後「きまりを守って活動していたので,良いかなと思っていた」とも仰いました。え?!遊びになってるなぁと思いながらも子供たちの様子を見ていて,そして,ちゃんと視点をもちながら見ていたということがわかりました。「遊んで」いても,そこにも意図があったのだということがわかりました。

ということで3つ目の質問。

Q3 後半の場面で,サトシさんはどのように子供たちを見ていたのか気になりました。きまりを守って活動しているか?がサトシさんの視点の1つだったと思うのですが,他にも意識して見ていたことはありましたか??
 
A.授業冒頭から子どもの意識がどこにあるのかを子どもの声を聴きながら考えていたところです。子どもの活動したいことは「形づくり」なのか、私が考えている4枚、5枚の文脈なのか。子どもの発言は枚数でできる形よりも何枚かでできる形に関する発言が多く出ていました。2枚のときも3枚のときも、そして4枚のときも。さらには「〇枚がいい!」という発言も聞こえてきます。だったら、「子どものしたいことをさせよう」という判断をしたところです。
決まりを守って活動していたというのは、ルールが全員理解できたということです。この授業では全員が形づくりのルールをお互いの言葉を聞きながら理解していく過程に価値があると考えています。「6月なので学習集団としては仲間の声をしっかりと聴くということを意識」しています。つまり、後半の活動はその時に自由が利くように設定していたのです。
後半の活動で意識して見ていたことは、子どもが楽しく活動したり追究したりしているかな?という視点が大きいです。どんな子がどんな活動を選択したのかという興味もありました。後は、子どもの様子を見ながら4枚で思考している子どもたちを私が一緒に活動することで支援していくということぐらいでした。この時間で解決するつもりはなかったので、4枚の子どもたちとそれ以外の子どもたちにも「何だか見つけたきまりが違うみたいだぞ」というモヤモヤを残せれば次につながると考えていたぐらいです。
 
う~~ん。すごい。
「子どものしたいことをさせよう」「6月なので学習集団としては仲間の声をしっかりと聴くということを意識」「後半の活動はその時に自由が利くように設定」「『何だか見つけたきまりが違うみたいだぞ』というモヤモヤを残せれば次につながる」
教材研究と言ってしまえば一言ですが,授業の見通し,児童の反応,様々なパターンを考える…など,そういう準備があってこその,あの授業展開だったのだと思いました。この授業で何を教えるか,何を身に付けるかを教師が意識することの大切さを再認識しました。
 
 

ペアでの話し合い。教師の視点

そして最後に,ペアで話し合う場面があったのですが,絶妙のタイミングだと思ったんです(子供たちが話したくて仕方ない感じ)。

ということで4つ目の質問。
Q4 ペアでの話し合いのタイミングは授業開始前からこのタイミングで!と考えておられたのでしょうか。それとも,ペアでの話し合いのタイミングは,いつも授業を進めながら,子供たちの様子を見て決めていらっしゃるのでしょうか。
 
A.ペアで対話させる際には全員が話せるタイミングで対話させることを意識しています。お互い話せない時にペアを入れても意味がないですよね。今回、ペアを入れたタイミングも全員が話せるという感覚が私にあったから入れました。それに加えて、誤答を示した子どもにリトライする機会を与えるためにペアでの対話を入れています。ペアで誤答に気付き、それを基に全体の場でもう一度発言させる。素敵な誤答を示した子どもにも、やはり正答を語らせる必要があると考えています。
授業中に子どもの様子を見ながら決めていることもありますが、授業前に決めている時もあります。授業前に決める時は、本時の評価に関わる場面でペア対話を入れています。本時の学習で大切なことについて「お隣さんと立って確認して終わったら座りなさい。」と指示をして対話させます。教師は子どもの様子を見て、なかなか座れないペアにフォローしたり、あまりにも早く座ったペアに確認したりすればよいという状況をつくります。子どもの理解度を見取るために入れています。
 

「全員が話せるという場面で。誤答を示した子へのリトライ。そして全体場でもう一度発言。」「評価に関わる場面で入れる」
誤答を示した子へのリトライ。正答を語らせる。そうか,そうですよね。やみくもにペア学習を入れても意味がない,とは思っていたのですが,どんな時に,教師何を意識してペア学習を入れるべきなのか,ということが私の中ではっきりしました。

おわりに

と,いうことで,質問コーナーは以上です。いかがだったでしょうか。
セミナーに参加していなくても,アーカイブを見ていなくても,このnoteのサトシさんの回答の内容から学べることがたくさんあるのではないかと思います。思い切って質問させていただき,私の学びも深まりました。特にペアの話し合いのタイミング,授業の見通し,2学期は意識していきたいです。

そしてそして,アーカイブを視聴していないてらすメンバーのみなさん,アーカイブ動画,てらすサロンの中にアップされていますので,ぜひご視聴くださいね!!視聴することで,このnoteの記事の何倍も実になること間違いなしです!!
 
最後まで,お読みいただき,ありがとうございました。
まだまだ,夏休みは続きますね。みなさんお体に気を付けて,素敵な夏をお過ごしください。


(授業てらすメンバー いくみに)





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