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保護者会✖️学級経営

 みなさん、こんにちは! 
私は、東京都で小学校の教員している西牧と申します。また3人の子どもがいる父親でもあります。
突然ですが、

 みなさんの学校の懇談会や保護者会はどのようなことしていますか?

 概ね、学習面、生活面の子どもの現状の姿や発達段階のこと、行事のこと、持ち物の名前の記入依頼(笑)など必要不可欠な項目をお伝えしていると思います。
 しかし、毎学期、私は親として保護者会に参加し、疑問に感じてしまうことがあります。それは保護者会の内容が往々にして、配布プリントを読み上げるのみに終始しているときがあり、せっかく休みを取って参加したにもかかわらず、内心「これで終わり?」と感じてしまうことがあるからです。
 教師の多忙さ、保護者としての期待の間でジレンマを感じつつ、あまり時間をかけずに、保護者の方に来た甲斐があり、有意義な保護者会にできないかと考えるようになりました。
 4月を迎え、これから保護者会が始まります。少しでも教師と保護者の信頼関係が構築できる懇談会になるようにしたいですよね。

今回は、保護者会×学級経営=?

について、考えていきたいと思います。
保護者会の柱は、
『教師への信頼、学校への安心、保護者の協力』
3つだと私は考えています。
 これらのことが子どもたちに還元され、よりよい学級経営の一因となります。ですので、これからこの3つのことを中心にお話します。

【教師への信頼】
 特に、4月の懇談会で、最上位に大切だと考えているのが、“自分の教育観”と“人となり”を伝えることだと考えます。
①学級経営理念
 1年間学級を経営していく上で、担任の思いや教育観を熱く語ることです。大事な自分の子どもを預ける保護者の思いとしては、担任がどんな考えで一年間進めていくのか、どんなビジョンを持っているのかは気になるところです。企業に例えると、経営理念が明確でしっかりしていると、業務を遂行するスタッフの指針としての役割になるだけでなく、企業全体の底上げにもつながります。学級でも同様なことが言えるのではないでしょうか。

②担任の人となり
 先ほど、学級経営理念をお伝えすることが大事だと記しましたが、それだけでは、味気ないと思っています。企業とは違って教師は個人ですので、その担任の“人となり”というのも保護者の方は関心があります。教師としてだけでなく、どんな人物であるのかを伝えるようにしています。
 たとえば、生い立ち、趣味、特技などをお伝えし、私は毎回、そこに失敗エピソードを盛り込んでいます。心理学を活用して自己開示することで人間関係を円滑にできるようにつなげています。
 また、その自己紹介や簡単な担任の思いをプリント配布したり、最近ではCanvaで作成したものをQRコードで読み取ってもらったりしています。こういったカードは一度作ったら毎年使えるのでおすすめです。
canvaで製作しました♪

【学校への安心感】
 次に、大切なことは、学校への安心感です。
 ベネッセ教育総合研究所・朝日新聞社共同調査「学校教育に対する保護者の意識調査 2018」では、子どもの通っている学校に望むことで割合がとても高かったのが、「子どもの学校での様子を保護者に伝える」でした(約9割以上)。この9割以上の保護者が望んでいることを満たすために懇談会は絶好の機会となると考え2つのことを実践しているので、簡単にご紹介します。

①自己紹介時のいいところエピソードトーク
 私自身保護者として懇談会に出席して、息子のことをほめてもらったのが、うれしかったことを覚えています。自分の可愛い子どもをほめてもらえると、単純にうれしいですし、担任への好意を持つことができます。また、子どものことをよく見てくれているという信頼にもつながりますよね。
 ですので、学級懇談会でひとり一人のエピソード入れるようにしています。特に、4月の保護者会で保護者の方の自己紹介の際にお伝えするのがおすすめです。インパクトが大きいですし、その後の会の流れも和やかに進められます。

②クラスの様子を写真でお披露目
 各児童のエピソードトークもいいですが、さらにおすすめなのが、クラスの授業の様子、行事の取り組みを懇談会で見せることです。「百聞は一見に如かず」といったことわざがあるように、クラスの様子を画像や動画で子どもたちの表情を見せると保護者の方は喜びますし、何よりも安心します。画像も普段の生活の中でちょっと撮り貯めしおくだけでいいので、ほぼ準備はいらない割には費用対効果が高くおすすめです。

【保護者への協力】
 みなさんの学校でも保護者会の際に持ち物や宿題など、家庭への協力のお願いしていると思います。ここでは、違った視点での協力依頼をお伝えします。それは、“長期的な視点”で子どもを見て欲しいことです。小学校時代はまだまだ目を離せない時期で自立も難しい年代のため、つい口うるさくなってしまうものです。小学校にいる期間の児童の成長も大切ですが、保護者の方はその後の中学、高校まで子育ては続きます。子どもを心配するあまり転ばぬ先の杖的な子育てをしまいがちな気持ちを受け止めつつ、学校、家庭で失敗や挑戦をすることに寛容的になることを共通理解しています。
以下、実際に保護者会でお伝えしたものです。

「親」という字が教えてくれる「可愛い子には旅をさせよ」の意
子どもが新たなことをやり遂げるためには、失敗をし、悔しい思いをし、成功するまで繰り返す必要があります。親が取って代われるものではありません。正しくは、取って代わってはいけないものです。
 不快な気分やフラストレーションは、その子が強くなるための必要なエッセンスです。それを親が「かわいそうだ」と回避させてしまっては、せっかくの強くなるチャンスを逸してしまっていることになります。そう、イヤな気分にさせるのがかわいそうなのではなく、チャンスをつぶしてしまっていることの方がずっとかわいそうなのです。まさに、「可愛い子には旅をさせよ」というわけです。
 やってあげた方が簡単ですよね。確かに、親が手を出した方が早いし、簡単だし、完璧なんですよね。子どもの動作を見守るということは、親にとっては大きなチャレンジなんです。
 でも、親という字を分解してみてください。そこには、「立つ」「木」「見る」という文字がありますね。親業とは、まさに、「木の上に立って見る」ということ。
 「自分は※ヘリコプターペアレントかもしれない」と思ったのであれば、今から行動を変えてみましょう。失敗や間違いは、悪いことではありません。それは子育てでも同じです。いろんな経験を積みながら、子どもと一緒に成長していきましょう。

※ヘリコプターペアレントについての詳細はこちらをご覧ください。


 以上のように「チーム学級」を実現するには、保護者との連携・協働体制を構築することが不可欠となります。保護者会や懇談会を「負担」ではなく、いかに保護者を「サポーター」として協力を依頼できるかが、これからの学級経営のカギとなると思います。学校と家庭との両輪で子どもの成長を支えることが大切だと思います。

保護者会×学級経営=Happy☆

最後まで読んでくださりありがとうございます!
マッキー(西牧雅有)

参考文献
赤坂真二『保護者を味方にする教師の心得』

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