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社会科勉強会~小・中それぞれの学習をどのように繋げる?~③

みなさん、こんにちは。
授業てらす4期生 社会科部屋のハジメです。

限られた授業時数で、
「この時代・テーマを、どれだけ扱えばよいのかなぁ…」
「濃密な授業時間にするために、どのような問いが相応しいのだろう?」
という悩みをお持ちの先生はいませんか?

今回は『大正時代』を例に、小学校の学習ではどのように扱うとよいのか、中学校の学習における視点から、議論しました。

<大正時代に、民主主義は実現したのか?> 
提案:ハジメ

僭越ながら、今回は私からの提案です。

※ここからの内容は、主観に偏っていることを御承知おきください。

今から約100年前の『大正時代』といえば、皆さんはどんな時代というイメージをお持ちでしょうか?

民主主義の実現に向けた動きが加速したイメージから、
「なぜ政府は、普通選挙を実現させることができたのか?」
という問いを、私は設定しました。

ここに落とし穴が…

① そもそも大正時代の政府は、普通選挙の実施に前向きだったのか?

衆議院議員選挙 有権者率の推移

明治時代、衆議院議員選挙は実施されていたものの、選挙権は高額納税者に限定されていました。
天皇主権の国家をつくった明治政府は、選挙にそこまで積極的ではなかったことを示しています。

② 普通選挙の実現を求めたのは誰か?

『全国水平社』演説会の様子

大正時代は、『全国水平社』や『青鞜社』が結成されたり、労働争議が行われたりするなど、民主主義の実現に向けた動きが、平民の中で活発でした。
一方、政府は普通選挙法制定の直前に『治安維持法』を制定し、思想の統制を図っています。

普通選挙法制定に向けた動きに着目して調べると、
・民主主義の実現を目指す動きがあり、その一手段として普通選挙の実現を掲げている
・政府は普通選挙に対し、それほど積極的ではなかった
ことから、
「なぜ政府は、普通選挙を実現させることができたのか?」
より、
「大正時代に、民主主義は実現したのか?」
という問いの方が相応しいのではないかという結論に至りました。

ポイントを絞ってアプローチすることは、教材づくりにおいてとても大切な視点です。しかし、最初からポイントを限定したアプローチをすると、全体像を掴めず、問いが成立しなくなるリスクもあります。
・広げ深める教材研究
・絞る教材研究
どちらも疎かにしてはいけないとあらためて感じました。

また、小学校の学習では1コマ相当の学習事項を、中学校では複数時間使って、より深く学習します。
「単元を貫く問いの設定に限界があるのではないか?」
「ドラマのように、前時と本時を繋げられればよいのでなないか?」
単元計画の設定から、もう一度見直してきます。

次回の勉強会では、どのような提案があるのか?
ますます期待が膨らみます。
そして、多くの参加者をお待ちしています。

ハジメ_山﨑 創

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