個人的に強く印象に残っていたり歓喜したり憤ったり残念な気持ちになったりした2010年以降の日本代表の9つの試合。

■ 個人的に強く印象に残っている2010年以降の日本代表の3つの試合。


2012年10月12日 国際親善試合 ブラジル戦

まずは、ザックジャパン時代の、この試合。自分たちのサッカーの力試し、という事で、ハイプレス&ポゼッション、攻撃的に、という事で戦った日本。その日本に対し、試合の最初は、日本は守備的に戦ってくるだろう、という予想で、一気にギアを上げて攻撃的に、という戦い方をしてきたブラジルだったのだが、その予想に反し、日本が攻撃的に戦ってきたので、すぐにブラジルはカウンターの戦い方に切り替え、日本を自陣深くまで誘い込んでカウンター、それでスコア「0-4」で日本は敗れた、という試合だったのだが、なぜこの試合を選んだのかというと、1つには、ブラジルの選手たちのプランAからプランBへの切り替え、それが、あまりにも素晴らしかったからで、日本もそうなりたい! と強く思った事と、そして2つには、この試合をザックジャパンのターニングポイントにするべきだと、その当時、すごく思ったからで、結局、そうしなかった、あるいは、そうできなかったために、ブラジルW杯の惨敗に繋がっていく、その予兆的なものを強く感じたからです。


2016年10月11日 ロシアW杯アジア最終予選 第4戦 オーストラリア戦

次は、ハリルジャパン時代の、この試合。アウェイのオーストラリア戦だが、1トップに本田を起用し、トップ下の香川も下がってトリプルボランチの左のボランチのようにプレーし、結果はスコア「1-1」の引き分けだったのだが、なぜこの試合を選んだのかというと、2010年の南アフリカW杯の戦い方を彷彿とさせる戦い方で、そこからの進化、つまりは、南アフリカW杯の戦い方を雛形として、そこからの組織や個としてのクオリティの向上、それが、個人的には今でも日本がまず目指すべきサッカーであると思っているのだが、ホームのオーストラリアを相手に、守備で常に優勢を保ち、カウンターで先制点を奪い、PKを与えるミスが無ければ、結果も内容も素晴らしいものだった、という事において、すごく良い可能性を感じた試合だったからで、ただ、そうであったのにも関わらず、この戦い方に不満を抱く選手たちがいて、それがハリルジャパンの監督と一部の選手たちとの対立の火種にもなり、やがて、ハリルの解任に繋がっていく、という流れを感じたのも含めて、やはり、ハリルジャパンのターニングポイントとなった試合だった、と思うからです。


2018年6月8日 国際親善試合 スイス戦

そして3つ目は、西野ジャパン時代の、この試合。ハリルジャパンのサッカーからザックジャパンのサッカーへと、その揺り戻しが起こっていたなかで、スイスにスコア「0-2」で内容的にも結果的にも完敗し、また逆振れしてハリルジャパンのサッカーとザックジャパンのサッカーの中間地、あるいは、そのハイブリッド的なサッカーへと西野ジャパンのサッカーが変化する、それが、次のパラグアイ戦の勝利に繋がり、そして、ロシアW杯の好成績の要因の1つになっていく、という事が、すごく個人的には腑に落ちるところがあり、それがこの試合を選んだ理由。ここには、特に選手たちにおいて、ジーコジャパンの失敗も含めて、過去の失敗から、それを繰り返さないように、というベクトルが感じられた事と、それは数ヵ月まではできていなかったのだが、それがこの試合後に大きく変化して、という事があった事も、この試合を選んだ理由。という事で、これらが、個人的に強く印象に残っている2010年以降の日本代表の3つの試合なのだが、皆様的にはどうでしょうか?


■ 個人的に強く歓喜した2010年以降の日本代表の3つの試合。


2010年6月14日 南アフリカW杯 初戦 カメルーン戦

岡田ジャパンは、すごく苦しんでいて、世間一般的には、憤りと諦めの一色な感じになっていたのだが、個人的には、それなりに希望というモチベーションは持ち続けていて、その理由は、その当時に、このブログをずっと読んでくれていた人たちには、それが後出しジャンケンではないとわかってもらえると思うのだが、戦い方を変えさえすれば、という、確信に近い思いを抱いていたからで、そして、その強く望んでいた流れが5月30日の国際親善試合のイングランド戦から生まれ、後はもう、とにかく、その戦い方で1つでも良い結果が出れば、と思っていたので、南アフリカW杯の初戦のカメルーン戦は、本当に勝って欲しくて、そして、内容的にはヒヤヒヤものだったが、本当に勝ってくれた時には、まさに歓喜だった。松井のクロスから本田が決めたシーンは今でも忘れられない。


2011年1月29日 アジアカップ 決勝 オーストラリア戦

トルシエジャパンの時のアジアカップも、ジーコジャパンの時のアジアカップも、やはり、優勝した大会のアジアカップは、どの試合の決勝での勝利も嬉しかったのだが、その中でも特に嬉しかったのは、個人的にはザックジャパンの時の決勝、オーストラリア戦の勝利だった。日本はオーストラリアの強いプレスと放り込み攻撃に苦しめられて、かなり危険な状態が続いていたのだが、後半10分、CBの岩政を入れ、CBの1枚だった今野を左SB、左SBだった長友を左SH、と変えた采配が的中。放り込み攻撃を弾き返せるようになって、攻撃を地上戦に変えなければならなくなったオーストラリアは明らかにパワーダウン。そして、スタミナ面で少しずつ日本が有利に立つようになり、長友のクロスから李が決めて勝利、という流れが、本当に劇的だったし気持ち良かった。特に、放り込み攻撃を弾き返せるようになって流れが変わった瞬間というのは、今でも忘れられない。


2019年1月28日 アジアカップ 準決勝 イラン戦

前述のオーストラリア戦と少し似ているのだが、やはり、放り込み攻撃に弱い、フィジカル勝負になると弱い、という日本のサッカーにおいて、そういう戦い方に長けている強いチームとの試合で、そこの部分で日本が常に優位性を持って戦えた試合というのは、個人的には、すごくテンションが高くなり、尚且つ、それで勝利もする事ができた、という試合は、とにかく嬉しさが強い。決勝でカタールに負けてしまったので、世間一般的には、そちらの方が強いインパクトとして残ってしまい、このイラン戦はあまり語られなくなってしまっているが、そうである事が勿体ないような試合だったと思う。なかなか、2018年のロシアW杯のベルギー戦がそうだったように、まだ脱アジアレベルには通用できていない現実はあるのだが、かつてはアジアレベルでも長くそうだった事を考えると、このイラン戦というのは、日本のサッカーの成長が感じられた試合であり、とても嬉しかった。


■ 個人的に強く憤ったり残念な気持ちになった2010年以降の日本代表の3つの試合。


2013年6月20日 コンフェデ杯 第2戦 イタリア戦

イタリア相手に日本が2点を先に奪い、しかし、3失点して逆転され、その後、日本も3点目を奪って同点に追い付いたのだが、結局、日本は4失点して逆転負けする、という試合だったのだが、個人的には、イタリア相手に3得点も奪ったスゲー、という印象を抱いた試合では全くなくて、むしろ憤りや、強い残念な気持ちになった試合だった。その理由をすごく簡単に言えば、とにかく日本はゲーム運びが稚拙だった、という事なのだが、省エネ&舐めて戦ってきたイタリアに対して2点を先に奪い、その足元をすくえる大きなチャンスだったのに、とにかく攻撃、とにかく自分たちのサッカー、という戦い方で3失点して逆転され、そこからまた3点目を奪って同点にしてからも、また同じ感じで戦って結局は4失点して負ける、という、そのゲーム運びの稚拙さに強い憤りや残念な気持ちを感じた。


2014年6月15日 ブラジルW杯 初戦 コートジボワール戦

ドイツW杯のオーストラリア戦もそうだし、ロシアW杯のベルギー戦もそうだし、途中からケーヒルが入って、途中からフェライニが入って、そして、この試合、ブラジルW杯のコートジボワール戦もそうで、途中からドログバが入って、それで簡単に流れを変えられてしまって逆転負けする、というパターンを日本はW杯で3回も繰り返していて、そういう意味では、その3つの試合はどれを選んでも良かったのだが、2010年以降という事でドイツW杯のオーストラリア戦は除外し、そして個人的には、ロシアW杯のベルギー戦よりもブラジルW杯のコートジボワール戦の方が強い憤りや残念な気持ちを感じたので、そちらの試合を選ぶ事にした。やはり、有利な試合展開になった時に、そのまま勝ち切れるかどうか、または、せめて負けは回避できるかどうか、そこに真の実力が出てしまうと思う。


2019年6月17日 南米選手権 第1戦 チリ戦

日本がスコア「0-4」で完敗した試合だが、まだ世界のトップは遠いと、すごく実感して強く残念な気持ちになった試合だった。ゾーン型のハイプレスを試みて、日本が世界のトップを相手にハイプレスで戦うのであれば、マンツーマン型のハイプレス(オールコート型のハイプレス)ではなく、ゾーン型のハイプレスでなければ厳しいと思うのだが、それをチリの選手たちは簡単に無効化し、まだ先は遠い、という感じだった。もちろん、トップの選手たちを揃えた日本代表というわけではなかったのだが、やはり、それでも、見事なまでのやられっぷりではあったので。特にそれを、おそらくではあるのだが、チリの選手たちは自分たちの判断によって、日本のそれを無効化するビルドアップからの攻め方をやったと思うので、そこに大人と子供ぐらいの実力差を感じ、とても残念な気持ちになった。

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