現代SB論とトータルフットボール。

結局は、どこのポジションの選手だったとしても、何でもできた方が良いわけです。どの能力も全て高い方が良いわけです。やはり突き詰めていけば、どこのポジションの選手だったとしても、ありとあらゆる能力において、より高い方が強いチームになれるポテンシャルは上がります。そして、ありとあらゆる能力が高い、という選手たちが11人(以上)集まっている状態でのみ実現されるサッカーがトータルフットボールであり、だからこそ、トータルフットボールはサッカーの理想形である、最善の状態である、という事ですね。

但し、ありとあらゆる能力が高い選手たちを11人集める、というのは、とてつもなく困難であり、むしろ、そういう選手が1人でもいれば良い方である、というレベルの話であり、だからこそ、SBならばSBというポジション(役割)を明確にして、あれもできなければならない、これもできなければならない、とならなくても勝てるようにしていくわけです。それは現代だったとしても、いつの時代だったとしても普遍的な部分で、現代のSBは、というような話は、実は存在しない。何でもできるが理想であるのは当然であるから。

だから結局、理想のSBとは、現代のSBとは、という話をしても、その答えというのは、全ての能力が高い、または、そのチームの戦い方に必要とされる能力が高い、その2つしかなくて、そして後者の場合だったとしても、それはプライオリティの問題であり、例えば、守備重視の戦い方だったとしても、その場合は、まずは守備力である、という事であり、つまり、守備力だけあれば他の能力は低くても良い、という事には当然ならないわけで、しかし、ありとあらゆる能力が高いは困難な事であるから、という事であるわけです。

理想というのは追い求めていったらきりがない。天井知らずである。しかし、だからと言って、理想を追い求め続ける事は必要で、なぜならば、なるべく理想に近づけるように努力しないと、いつまで経っても向上できないから。成長できないから。改善できないから。発展できないから。但し、そうではなくても勝てる(機能する)ようにしていく事も必要であり、そのためには、まずはこれというプライオリティをつけていく事が必要になってくると思う。そして、それは個としてもチームとしても同じで、その判断が重要だと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?