久保建英の現状に歯がゆさを感じているのですが、どうすれば良いと思いますか?

ボルダラス監督のヘタフェでの久保、という事に関しては、個人的には、最近の久保というのは、少し要領を掴んできたような気がしていて、以前の記事で『久保はビルドアップされてきたボールを受けるのは得意なタイプの選手だがセカンドボールを拾うのは得意なタイプの選手ではない』、と書いたのだが、4月22日のバルセロナ戦ではセカンドボールを拾って良いプレーができていたし、また5月2日のビジャレアル戦でも良い位置でセカンドボールを拾ったシーンがあって、おそらくは、『トップ下であろうが右SHであろうが、攻撃面で第一に求められているのは「セカンドボールを拾う事」であり、だから右SHの時も、サイドに開くのではなく中央寄りに、というオーダーを受ける事になる』、という事に、気が付いたというのか、そこに自分をアジャストさせたのではないかと感じている。

特に「4-2-3-1」の「3」の中央で使われた時には、2トップの1枚的にロングボールを競り合って、という事をやらなければならないと思っていたような気がするのだが、そもそも、どんな監督であっても、それを久保のようなタイプの選手に要求する事はしないと思うから、従って、その場合には、ロングボールを競り合う役割の選手は2枚から1枚に減らして、そのぶんセカンドボールを拾う役割の選手を1枚増やして、という意図だと思うので、例えば、ロングボールを競り合うを重視したいのであればハイメ・マタとエネス・ウナルの2トップにした方が良いと思うし、あるいは、ロングボールから競り合ってフリックなどで裏という事を狙うのであればアンヘルを使った方が良いと思うし、と考えれば、久保に要求されているのはそういうプレーではない、と言えるのではないかとも思う。

一時期、ポゼッション型のサッカーに切り替えてチャレンジして、それが頓挫して原点回帰、という事にはなっているが、だからと言って、久保にもハイメ・マタやエネス・ウナルのようなプレーを、という事は考えていないと思うから、但し、ポゼッション的なプレーでもない、という事ではあると思うから、そうなるとやはり一番に求められている事は「セカンドボールを拾う事」であり、当然それというのは「セカンドボールを拾った後に得点を生み出すようなプレーをする」という続き、それとセットになってくるが、とりあえず「セカンドボールを拾う事」だけでもできていれば、起用される機会は増えてくると思う。そこに気が付いたというのか、そこに自分をアジャストさせたタイミングが、もう残り試合が少なくなってから、というのは残念だが、まだ挽回できると思うので頑張って欲しい。

結構、久保という選手は、傾向として、FC東京の時もそうだったと思うし、マジョルカの時もそうだったし、そしてビジャレアルの時も、「4-4-2」あるいは「4-1-2-3」から久保がトップ下的にプレーする「4-3-1-2」的になる形、それで活きる形が見え始めた矢先のヘタフェへの移籍で、つまり、ある程度、そのチームにアジャストするまでに時間がかかるので、そういう意味では、今後の事を考えると、これまでのようにレンタル移籍で短い期間でプレーするチームが変わってしまうよりも、しっかりと腰を据えて、1つのチームで3年ぐらいは、という方向性の方が良いのではないかと思う。東京五輪を見据えたり、次のW杯を見据えたり、という事が大きな理由の1つだったのではないかとは思うが、やはり、もう少し時間的な余裕を持つ方向に舵を切った方が良いように思う。

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