生きにくいこんな世の中じゃポイズン

インターネットは変わってしまった。
最近、そういうことをいう人が多い気がします。

僕はインターネットが好きです。
父の影響もあったのだと思います。小さいころから、気づけばインターネットという世界は僕にとっては、この現実と同じくらいに現実でした。

確かに、なんだか違和感というものは感じます。
知らない町の、ちょっと薄暗いお気に入りの路地裏が、気づけば栄えて人が増えていた。みたいな。
栄えることは嬉しいんだけど、なんとも言えない気分になる、みたいな。
あのアイドルは儂が育てたおじさんも驚きのティピカル老害です。

かつてインターネットはアンダーグラウンドでした。
個人文章サイトのキリ番報告が義務だったり、エッチな画像一枚見るために何回もリンク飛ばされたり、一太郎スマイルが幅を利かせたりする、そんな魔境でした。(偏見)
でも、そんな”サブ”カルチャーに惹かれていた気がします。

そもそも、そこにいたのはそんな人間たちです。
現実ではない、ちょっとへんてこな空間を求めていました。
そこは現実の世界ではないこと、匿名であること、”サブ”であることを、心のどこかで何となく理解していた人が多かったように思います。

いまや、インターネットは世界一巨大なインフラになりました。
日々、そこで様々な人が活動し、多くのものが生まれます。
それがリアルといっていいほど、現実に非常に近くなりました。
そして、かつての路地裏はメイン通りになったのです。

だれもがインターネットを使います。
小学生だって、年寄りだって、だれでもです。
かつてチェック服とメガネだらけだった世界に、前髪かきあげキラキラタピオカ女子が入ってきました。怖いです。

「常識」は大衆によって作られるものです。
だからこそ、一昔前の「ネットリテラシー」というものは通用しない。
それを作った人達は、”サブ”カルチャーとしてのインターネットを見ていましたが、今の人にとってインターネットはそもそもの位置づけが異なっているからです。

簡単に切り離せなくなっているからこそ、考える必要があると思います。
現実とインターネットと自分の立ち位置を。
日々変化しているのは、インターネットを使う僕たちと、それを囲む社会の在り方です。

インターネットは何も変わってないです。
相変わらず、そこは現実ではない匿名の世界です。
来るものを拒まず、日々世界を大きくしながら、ただそこにあります。

やっぱり僕はそんなインターネットが大好きです。
現実だけだと大変だから、今日もそんな広大なネットの海に潜ります。
メイン通りよりも一本外れた路地裏を探して。

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