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大切にしている言葉

皆さんもこれまでの人生で、心に残る言葉や胸に刺さる言葉に出会ったことがあるのではないでしょうか。そうした言葉は悩んだ時のよりどころになったり、困ったときに指針を示してくれたりします。私にも、自身を励ましてくれたり、周りの人にも声がけをし続けたりしている言葉があります。今回のnoteでは、私が大切にしている言葉をテーマにしたいと思います。


私が大切にしている五つの言葉

私は社員のみんなや仕入先様・お客様に自己紹介をする際、いつも、これら五つの言葉を大切にしていることをお話ししています。

大切にしている五つの言葉

これらの言葉は、このnoteを読んでくださっている皆さんにも役立つことがあるのではないかと思い、紹介させていただきます。

モノ開で生まれ、ジェイテクトにも浸透させたい「Yes for All, by All !」

一つ目は、「Yes for All, by All !」です。これは、私がトヨタ自動車の「モノづくり開発センター」のセンター長になってから生み出したオリジナルの言葉です。
当初は、社内の困りごとや課題解決など「何でもやろう」という思いを込めて、「Yes for All」というスローガンを掲げました。Yes はまさにその言葉通り、どんな相談ごとも否定をせずに、まずは素直に受け止めるということを指します。そしてfor Allは、相談ごとを選り好みせず何でもチャレンジするという意味を込めており、このスローガンをセンター内だけでなくトヨタ全社に示しました。さらには、モノ開の組織が大きくなっていく中で、誰一人欠かさず「みんなでやろう」という思いを込めた「by All」をつなげ、「Yes for All, by All !」という言葉となり、私が仕事をするうえで最も大切な言葉となりました。

ジェイテクトでも、この「Yes for All, by All !」を浸透させたいと思っていますが、少しだけ意味合いを変えていきたいと考えています。
ジェイテクトには自動車だけでなく、鉄道や建設機械・農業機械、半導体製造装置や医療機器など、多様な産業のお客様がいらっしゃいます。こうしたさまざまなお客様が進める社会課題の解決のお役に立ちたいという思いを込め、ジェイテクトでは「Yes for All, by All !」を「みんなのために、みんなでやろう」と位置付け、このようなステッカーもつくりました。

「Yes for All, by All !」のステッカー

「Yes for All, by All !」は、誰かのために何かを成すということですが、そのためには「何に困っているか」「何を実現したいか」を相手側の視点(You視点)に立って考えることが大切です。You視点に立つからこそ課題解決、ソリューションの実現につながっていきます。
You視点に立って課題を解決することは、結果としてその仕事に取り組んだ人たちの成長にもつながり、その成功体験がモチベーションを上げ、人生の幸福度も向上すると考えています。

一緒に働く仲間全員が活躍するために

「Yes for All, by All !」は、モノ開時代でもジェイテクトに着任してからも「みんなでやろう」ということに変わりはありません。私が大切にしている残り四つの言葉「時は命なり」「利他の心」「謙虚・感謝」「全員活躍」は、すべて「Yes for All, by All !」につながる言葉と言えます。

「時は命なり」という言葉は、人生の大先輩、豊田英二さんの言葉です。会社は社員一人一人の時間を預かり事業を行っていますが、言い換えると、会社は社員の人生の一部を預かっているということです。時はお金ではなく命だと考え、ムダな時間・ムリな要求をしてはいけないということを意味します。

「利他の心」とは、自分のことよりも他人の幸福を願う、相手の利益となるように努める心のことです。自分自身の利益を得ることを第一とする利己とは反対の言葉です。この利他をし尽くすと、結果として相手から信頼を得ることができたり、自分自身が成長できたりするので、結果として利他は相手だけでなく自分の利益にもつながると言えます。

一方で、自分の力量や経験に頼るばかりでは利他を実践することはできません。相手の目線に立ち、常に「謙虚」で「感謝」の気持ちを持ち続けることが重要です。

大きな「利他」、すなわち大きな課題解決は、個人の力や単独行動では実現できません。チームや組織で行動し、課題に取り組まなければなりません。チームや組織の各人が、同じ役割を担うのではなく個々の能力や個性を発揮することでシナジーを生み、強いチームや組織に飛躍することができます。「全員活躍」という言葉を大切にしている理由がここに凝縮されています。

今回紹介した五つの言葉が、どれか一つでも読者の皆さんに響けば幸いです。

次回予告

ジェイテクトグループには、グループ会社それぞれが歴史と実績に基づく独自の強み、コンピテンシーを持っています。このコンピテンシーを掛け合わせて、さまざまな社会課題を解決するグループシナジーを生み出すために、「Yes for All, by All ! (みんなのために、みんなでやろう)」をグループ共通の合言葉にしていきます。そして社員一人一人が自らの意志“will”を持って活躍することで、ジェイテクトグループ一丸となって地球・世の中・お客様に貢献していきたいと考えています。
時間はかかるかもしれませんが、「ジェイテクトがいないと困る」「徳のある会社だね」「ジェイテクトの社員は素敵な方が多いですね」と評価していただけるように、ジェイテクトを進化させていきたいと考えています。

次回は、「Yes for All, by All !」に基づき策定した、第二期中期経営計画のお話をしたいと思います。

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