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「どちらが先にお願いするか」にこだわろう

私が25歳で創業した頃、一つ、自分に課した決め事がありました。

「最初のお客とは、(福岡市の中心部である)博多か天神以外では、会わない」

という決め事で、こう書くと尊大で図々しい気もしますが、「用があるほうが来て下さい」という形で、「相手が私に会いに来たくなるような有用性の高いサービスを提供しよう」という意気込みから定めた、決め事です。


この決め事をしたきっかけは、生命保険の営業マンの友人が、

「お客様からのご相談とあれば、保険以外の用件でも、その日のうちに佐賀、長崎、熊本、大分、どこでも飛んでいくフットワークの軽さが、オレの武器だね」

と言っていたことに違和感を抱いたからでした。

・本業以外の相談でも自分の時間を使うことは、「プロの仕事」なのか?
・「仕事=相手の問題解決」である以上、お客様が自分の問題を自覚できるように説明できてこそ、プロじゃないのか?
・問題を解決できると分かったお客は、自分から出向いて解決をお願いするのではないか?

このように、私は「初対面で自分が行くか、相手が来るか」、「どちらが先にお願いして商談が始まるか」は、実はビジネスでとても大きなことではないかと考えました。

だから、決してサービス、時間、自分を安売りせず、全ての商談と契約を「相手からのお願い」で始まるようにすべく、努力を重ねました。


これは海外取引でも同じで、弊社の輸出データを見ても、「バイヤーが先に『欲しい』と手を挙げて始まった商談」のほうが、日本側から提案した時よりも圧倒的に成約率が高いです。

ところが、日本企業は国際商談になると、このシンプルなルールを忘れ、ポジショニングの重要性をよく考えることなく、自分から「さぁ、海外販路開拓だ!」と売り込む不利な立場に立ちたがります。

地方の小さな会社は、商品よりも「相手が先に『欲しい!』と手を挙げる製品説明方法」にこだわるべきではないでしょうか。

そして、それは、十分、可能なのです。



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