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【14】保険適用外のがん治療~『がん保険』のトリセツ~

前回は、『診療ガイドラインと標準治療の存在』というタイトルで、日本の医療のルールといったことを確認しました。主治医の先生は何を根拠に、どういった治療を提案するのか。

他の情報がほしければ自分で取りに行かなければ手に入らない。また、その情報の存在すら気づかずに治療が終わってしまう可能性もあります。今回は、健康保険が適用とならない治療にどんなものがあるか、一緒に確認していきたいと思います。

最近注目の・・・

楽天の三木谷オーナーが、個人でも多額の出資をしたことで話題となったがんの新しい治療で、

光免疫療法

というものがあります。がん細胞(正確にはがん細胞に多く出るたんぱく質だそうです)にとりつく、特殊な薬剤を点滴で投与し、薬剤ががんにいきついたところで、患部に光(近赤外線)を当てると、がん細胞が破壊されるそうです。

治療についての細かいところはこのあたりにしますが、副作用が非常に少ないということがメリットだそうです。で、この光免疫療法ですが、最近世界に先駆けて、日本で健康保険の適用になっています。

現時点で対象になっているのは、

切除不能な局所進行または局所再発の頭頸部がん

だけでかなり限定されています。今後治験を進めて、他のがんへ広げていくことを目指しているようです。

様々なものがある

前に触れた重粒子線治療や陽子線治療もひとつの選択肢ですし、他にも免疫細胞療法、ホウ素中性子補足療法(BNCT)、遺伝子治療といったところもよく耳にするようになりました。ちなみに東大付属病院では

ウィルス療法

なんていう治療も研究されています。

中には訴訟になっているものも・・・

ただ、健康保険がきかない

自由診療(医療費は全額自己負担)

でがん治療を行っているクリニックなどでは、ほとんど効き目のない治療で高額な治療費をだまし取る

詐欺まがいのもの

も実際にあり、裁判になりクリニック側に賠償判決が出たものもあります。ネットで『がん』『免疫療法』などで検索すると、ものすごい数の検索結果が出てきます。その中には、

末期がんが消えた!!

などの、悩んでいるがん患者さんに響くような文言で勧誘しているものも混ざっているようです。

選択肢はたくさんある

ひとつだけ言えることは、日本にはがん治療の選択肢はたくさんあるということです。主治医の先生は、基本的に標準治療を勧めてくださいます。まずそれはそれでしっかり話を聞いて、納得して先生にお任せするのもひとつでしょうし、いったん他の治療の話も聞いてみて、比較をしてから決めるという手もありだと思います。

また決めるにあたって、昔はがんは不治の病と言われていたので、

どちらの方が助かる(延命できる)可能性が高いか?

という観点が重視されていました。ところが現在は、治療の選択肢が増えて、昔よりがんとともに生きることができるので、

自分の生活の質(QOL)を保てるのはどちらか?

といった観点で決める方も増えてきているようです。

次回は、『4つのがん療養』というタイトルで、今まで触れてきた治療を含めて、がんになってしまった時の療養について整理していきたいと思います。今回もお読みいただき、ありがとうございました。

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