運用商品見直しへ
法改正をきっかけに
前回は、投資をする際の基本である『分散投資』も、絶対的なものではなく、それをもってしてもマイナス運用となることもあることをお伝えしました。
今回は、企業型確定拠出年金制度を導入している企業において、加入者(従業員)が選択できる
商品ラインナップ
を見直していくという動きについてお伝えいたします。
2020年4月17日(金)の日経新聞「P13 投資情報」欄に、
確定拠出型「見直す」過半
といった見出しの記事が掲載されていました。
2018年5月1日、確定拠出年金制度等の一部を改正する法律(改正DC法)が施行され、ルールがそこそこ変更されました。
元本確保型商品の取り扱い
ルール変更の中で、加入者サイドで注目すべき点が、商品ラインナップにおいて、
1つ以上の元本確保型商品の提供義務
がなくなったことです。
もちろん制度が変わったからといって、例えば
定期預金
などの選択肢が、いきなりゼロになることはないと思いますが、国がより一層、加入者、特に若い方に対し、
積極的な運用姿勢をとる(若しくは運用に関心を持つ)
ことを求めているのではないかと、私は思います。
わざわざ元本確保型商品の提供義務を外すということは、逆に
そこに資金が滞留している
ということの表れなのかなと思います。
また、以前も少し述べましたが(※1)、私は個人的に、元本確保型商品は、
手元の資産
で保有していることが多いので(普段自分の余裕資金を置いている銀行預金など)、特に、
受取のタイミングまで時間がたくさんある若い方
は、確定拠出年金で元本確保型商品を選択することは、何か強い目的がない限りは、避けた方が良いのではないでしょうか。
投資教育方法も見直しへ
改正法の中で、もうひとつ目を向けたいのが、制度導入企業に対する
継続投資教育の努力義務化
です。制度導入時の教育はもともと努力義務となっていました。ただし、その後の継続教育については、今まで
配慮義務
でしたが、少し重い義務になりました。
そういった中、新聞記事のアンケート回答企業の多くで、
投資教育方法の見直しを検討
しているそうです。
おそらく今までの教育は、
加入者に対し資料を配布するだけ
か、会議室に集めて
運用会社の人が投資についての話をする
ということが多かったのではないでしょうか。私も自分のお客様に伺うと、そうだったとい方が多くいらっしゃいました。
その投資教育の見直しを考えている企業では、今後
セミナーの開催
eラーニングの導入
を検討しているようです。
最終的には
企業も国の政策に合わせて、様々な対応をしなければならないので、負担が増して大変かと思います。
しかしそれよりも、以前にもお伝えしたとおり(※2)、企業型確定拠出年金が、
退職金制度として
導入している企業もありますので、加入者の方は、是非ご自身の
運用状況
に、関心を持っていただきたいと思います。
学ぶ機会やツールは増えても、最終的にはご本人の気持ちによるところが大きいと思います。
もし、今まで手付かずだった方がいらっしゃれば、これを機会にアクションを起こしてみてはいかがでしょうか。
(※1)以前の投稿「確定拠出年金と家計資産とのバランス」はこちら(※2)以前の投稿「確定給付?確定拠出?あなたの退職金の種類は???」はこちら
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