『がん』が減らない、増え続けている・・・
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がん罹患者数の推移
前回は、現在1年間の間に、
約100万人の日本人が、『がん』にり患する
といったことをお伝えいたしました。
⇩⇩⇩ 前回の投稿「1年間に『がん』にり患する人の数」はこちら
実はその数字ですが、国立がん研究センターの推計によると、1985年以降、基本的に
増え続けている
というのが、日本の現状です。
ちなみに、過去10年ごとの推移を見てみると、
1980年:約25万人
1990年:約40万人
2000年:約53万人
2010年:約80万人
現 在:約100万人
ということで、右肩上がりに増えていっているのがわかります。
日本の人口は今、いよいよ減少期に入っていますが、
『がん』診断を受ける人は、増え続けている
ということで、国の将来のために、今対策を取ることが、必要ではないでしょうか。
国の取り組み
実は、日本人の『がん』が増えていることに対しては、すでに国をあげての取り組みが始まっています。
がん対策基本法
という法律を耳にされた方もいらっしゃるかと思います。
昭和56年(1981年)に、日本人の死因の1位が『がん』になって以降、国も様々な取り組みを行ってきて、
平成19年(2007年)に、上記の法律が施行されました。その後も時代の変化とともに改正を行いながら、現在は平成29年(2016年)年に、一部改正されたがん対策基本法をもとにした
行動計画(アクションプラン)
に基づいて、様々な活動が行われています。
『がん』を知ること
『がん』が減らない、増え続けている・・・
もちろんいろいろな原因が考えられますが、国はひとつ、大きなところで
私たち日本人が『がん』を知らないからだ
ということを、原因として考えています。
私たち日本人が『がん』を知らないため、予防するために必要な行動をとっていない、そのため、
がんに罹患する人が増え続けている
国はそのように考えています。
たしかに私たち日本人は、学校で『がん』を始めとする病気、若しくは医療に関する教育を受けていません。ですから、何もなければ、自ら学ぼうという意識も働きませんし、気になってもなかなかアクションが起こされません。
ですから、
それを職業にしている(医師など)
家族でがんになった人がいる
という人と、そうでない人で、おそらくかなりの情報格差があるものと思われます。持っている情報の質と量が違えば、意識や行動は当然変わってくると思います。
1次予防と2次予防
国のがん対策基本法に基づいたアクションプランの中で、私たち一般国民に対して、国が啓発していきたいものとして、
『がん』予防
があげられます。細かく言うと、
1次予防と2次予防
に分けられます。
1次予防は、『喫煙』『飲酒』『運動不足』などが代表例としてあげられる、
いわゆる一般的な予防
です。『がん』も生活習慣病のひとつ。生活習慣をあらためて、『がん』の発症を抑えていく、国はそのように考えています。
2次予防は、『がん』になってしまった後の話しです。『がん』になってしまったのは仕方ない、ただし、
早く見つけて、早く治す
ことにより、
『がん』で亡くなる人を減らす
という考えです。適切に検査を行い、『がん』が進行する前に発見し、早期の段階で処置をして治すということです(ちなみにここのテーマではないですが、早く治して、社会復帰を図るということもアクションプランでは目指しています)。
国は私たち国民に、この
『がん』予防
に関する知識を持ってもらい、意識を高めて、行動を変えてもらい、
『がん』を減らす、撲滅する
ことを目指したいと考えています。では、どのようにして、国民へ働き掛けていくのか、次回はそのあたりについて、お伝えしていきたいと思います。
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