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商品選択を考える

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基本は分散投資

前回、確定拠出年金における、具体的な運用方法を考える際の大原則をお伝えしました。今回は、その中の、「分散投資」について、お伝えいたします。

⇩⇩⇩ 前回の投稿『確定拠出年金の運用方法を
考える際に・・・』はこちら

分散するということは、毎月の積立金の行き先(運用先)を1か所にしない、つまり複数の運用商品に配分するといことです。

では、商品ラインナップを見て選ぶわけですが、

どれにしたらいいんだ???

と思う方がたくさんいらっしゃると思います。もちろん、

こうすれば絶対もうかる!!

というものではありませんので、一定の方針をもって選択していくこととなります。

ひとつの例として

ちょうど昨日(2020年4月1日)の日経新聞で、2020年度の日本の公的年金の資産運用方針が掲載されていました。

それによると、その運用方法は、大きく均等に4分割した分散となっております。その中身は

① 国内債券 25%
② 国内株式 25%
③ 海外債券 25%
④ 海外株式 25%

というものです。これはひとつ参考にしてよいスタイル、かつわかりやすいスタイルかと思います。

投資対象と投資先

上記の分散方法は、大きく2つの軸で分けられます。それは、

① 債券か、株式か
② 国内か、海外か

です。

まず①ですが、これは

安全性が高いが、収益性が低い「債券」
収益性は高いが、安全性が低い「株式」

簡単に言うと、

ローリスク・ローリターン
ハイリスク・ハイリターン

のものに半分分けるということです。要するに、予想される価格変動の幅が大きいかどうかということです。また、一般的に債券と株式は、反対の値動きをする傾向もあるとも言われています。

つまり、株価が下がってしまっているときは、債券による運用成績が良くなるといった具合です。

次に②ですが、これは

収益期待は低いが、為替の影響を受けない、「国内」資産
為替の影響はあるが、収益期待が高い、「海外」資産

こちらも総じて言うと、

ローリスク・ローリターン
ハイリスク・ハイリターン

のものに、半分ずつということです。

日本は、金利も低いですし、少子高齢化等の影響で、企業の成長期待もそう高いものではありません。

一方、海外に目を向けると、日本より金利の高い国はたくさんありますし、また今後日本より成長が見込まれる国や企業があります。ただ、日本と比べて戦争、テロや紛争が起こるリスクや、いくら運用商品が値上がりしても、為替が「円高」になってしまうと、損失が発生したりする、価格変動要素が、国内だけで運用するより多くなります。

こうして25%ずつ均等に分けておくだけでも、一定のリスク低減効果が見込まれます。また、このパターンだとわかりやすさもあると思います。

もし損失が発生したら・・・「喜んでください!!」

商品ラインナップの中には、安全性が高く、「元本確保型」という分類の、

定期預金

などの選択肢があります、

私が過去にアドバイスを差し上げたお客様の中にも、最初は株式などを選んでいたけど、リーマンショックで評価がマイナスになり、怖くなったので

全部定期預金に変更した

という方がいらっしゃいました。おそらく世の中に同じような方はたくさんいらっしゃると思います。

私はアドバイスを差し上げた方には、

「今後運用レポートを見た時に、評価が赤い字でマイナスになるときもあると思います。その時は・・・」

「是非喜んでください!!」

とお伝えしていました。相場が低迷しているということは、その低迷した安い価格で積立(仕込み)をしているということです。つまりその後相場が高くなった時に利益がでるわけです。

これが、前回原則としてお伝えした、

「長期投資」と「積立投資」

を行うメリットです。確定拠出年金の成果は老後に得るものです。今積み立てている間は、価格(評価)は低くて全く問題ない、むしろその方が良いとも言えるわけです。

私自身も約10年前に資産運用を初めて行いましたが、最初の3年間くらいは、運用レポートを見るたびに、

プラスだったりマイナスだったり

でした。でも5年を超えた頃には、安定してプラス利回りが固定化されていき、多少株価が大きく下落する機会があっても(それこそ今回のコロナショックでも)、平均利回りがマイナスになることはありません。

石の上にも3年

と思って、是非将来へ向けて動き出してみてください!!

次回は、家計資産とのバランスについてもお伝えしたいと思います。

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