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【19】お金の前にまず最初に必要なもの~『がん保険』のトリセツ~

前回は『セカンドオピニオンとは?』というタイトルで、その目的や使い方などについて触れてみました。『がん保険』のトリセツというタイトルですが、第1章では、がん保険は出てきませんでした。もちろん第2章でしっかりとお伝えしますが、

がんとできるだけ落ち着いて向き合うために

まずは情報を事前に備えておくことが大切であるとお伝えしてきました。これは、がん患者の家族を体験し、かつたくさんのがん保険を扱ってきた私の実感です。次回からがん保険について触れていきますので、今回は前半戦の第1章を総括してみたいと思います。

まさに今、がん保険の検討をしているあなたへ、お届けしたいおはなしです。

『がん保険に入っているから安心』は、怖い

日本でがん保険に加入している人はたくさんいますが、その中で『がん保険に入っているから安心』と感じている人もやはり多いのだと思います。あなたはどう思いますか?でも安心を得るために入るものなので当然ですよね。

でもあなたが加入しているがん保険は、いざあなたががんの診断を受け、治療を選択する段階で、その選択に対応してくれるでしょうか?あなたにがん保険を提案してくれた生命保険の担当者は、あなたが万が一がんになってしまった時に、どのような治療の選択肢や、その後の経過があるか、それに対してどの程度お金がかかるのか?それをあなたが明確にイメージできて、そのうえで

こういったタイプのがん保険がふさわしい

と勧めてくれたのならば、安心感があると思います。そう、がん保険は

がんに対して、どのように向き合うか

によって、タイプが違うのです。

がん治療と日本の医療のルール

日本でがんの治療を受けるとなると、一般的には『手術、放射線、抗がん剤』の3大治療を中心とした治療を受けることになります。手術よりも『先進医療』などの方がいい治療なのでは?というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、日本においては、

診療ガイドラインに載っている標準治療

が、国と医師が推奨する最良の治療と言われています。がんに関しては、標準治療は3大治療が中心になっています。そして、先進医療は今後推奨される治療になるかどうか、データをとるための『実験治療』でした。いいところもありますが、現時点では、お医者さんから勧められることがありません。そして、それが日本の医療のルールであることをお伝えいたしました。

でも、先進医療を始め、健康保険がきかない自由診療による治療の選択肢も日本にはたくさんあります。もし望むならば、選ぶこともできますが、主治医の先生からその治療方法が勧められることはないので、そもそもその治療の存在を知らなければ受けることはできません。

自分自身で納得して選びたいのならば、自分のがんに対して、どのような治療が存在するのか?という情報が必要となります。

がん治療までの流れを知っておく

がんは、受診したその日に『がんです』となることはありません。体調不良、健康診断、がん検診などで検査を受け、その結果が『要精密検査』だった場合に、紹介状を書いてもらって、大きな病院で精密検査を受診する。そこから一定期間経過後、検査結果を聞きに行き、

『○○さん、残念ですが肺がんが見つかりました』

と主治医の先生から告知を受けます。告知をした先生は、すぐに治療の提案をします。

『今なら手術で取ることが可能です。2週間後の○○日ならば、私が直接執刀しますけど、どうしますか?』

と決断を求められます。ほとんどの患者さんが、そのまま

お願いします

と先生にお任せします。なぜか?自分に他の選択肢がないからです。手術が終わってから、どこかで情報に触れ、

早期の肺がんであれば、切らずに放射線治療と言う選択肢もあった・・・
先進医療で重粒子線治療という治療も選択できたかもしれなかった・・・

と思い、あわせて

なぜ先生はこういった治療の情報を教えてくれなかったのだろう・・・

と感じるかもしれません。でも先生は悪くないのです。標準治療が最良の治療であり、それを患者さんに推奨、提供するのが仕事なのです。

それが日本の医療のルールなのです。

生命保険を扱うものの責任は重い!

こういったことをあらかじめ知っておければ、がんの告知を受けた際に、

違う選択肢とも比較して考えよう

と思えるかもしれません。では、情報を事前に取得するにはどうすればよいか?子供たちは今、学校でがん教育を受ける機会がある。でも学生時代それがなかった今の社会人は・・・。自分で取りに行くしかないのです。でもきっかけは・・・?あらためて申し上げますと、それになり得るのが、

がん保険もしくは生命保険検討時

ということです。がんに対する安心を得るために加入するがん保険。ところががん保険はお金の面しか助けてくれません。お金があっても情報がなければ、納得する治療は選択できません。ですから、がん保険を選ぶということは、まずがんを知ることが前提条件ということになります。そして、それが自力では厳しければ、がんを知る保険の担当者に出会わなければなりません。

ほけんの窓口などの来店型保険ショップへ行って相談する時に、若しくは保険会社の営業担当者に相談する時に、がんについて思いついたこと、不安に思うことをどんどん質問してください。回答が根拠をもったものでなければ、別の店、別の担当者を探した方がいいです。

がん保険に加入する時だけなく、万が一本当にがんになってしまった時に、

・そのタイミングでの標準治療
・先進医療など、他に選択可能なものがあるかどうか
・地域の病院の情報
・セカンドオピニオンをとり方

などについて、一緒に考えたり、アドバイスをしてくれるとベストですが、そこまでできる人はそう多くはないかもしれません。でもこうして考えると、がん保険を扱うということには、非常に重い責任があるということをあらためて感じます。

ということで、今回は第1章のまとめ『お金の前にまず最初に必要なもの』について確認をしました。がんになったら、まずは情報です。お金がたくさんあっても、情報がなければ納得する治療は受けられません。

今まさにがん保険を検討しているあなた

保険加入を慌てずに、まずがんについて理解を深めてから商品を選んでみてください。

次回は『あなたのがん保険はどのタイプ????というタイトルで、いよいよ具体的ながん保険に触れていきたいと思います。今回もお読みいただき、ありがとうございました。

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