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深圳1泊850円の激安宿。エレベーター無しの7階でベッドは硬い。しかし、人は温かく柔らかく日本人の僕を受け入れてくれた。

広州から帰って来てから、テック系の企業が集積している深圳市南山区にある宿にお世話になっている。

1泊850円

深圳市内でも特に開発が進んでいる南山区でこの価格は破格と言えるだろう。いわゆるドミトリー形式で、二段ベッドが4台並んだ8人部屋。エアコン、WiFi有り。全く問題なく暮らせる。気になる点を挙げるとすれば、駅から少し遠く、7階建てだがエレベーターがなく階段で上り下りする必要がある点だろう。

▲階段から見える隣の建物。”億ション”が乱立する中、こういった団地のようなものも存在する。写真で伝わるか不明だが、こんな古ぼけた建物でも、最上階屋上テラス付きだと余裕で億越えらしい

ルームメイトも悪くない。大学を卒業したばかりで江西省や四川省、遼寧省など地方から深圳に出て来て仕事を探している僕と年の近い人が多く話しやすい。仕事をすでにしていたり、就職活動中なのでルームメイトの入れ替わりは激しくなく、学生寮のような雰囲気がある。一緒に晩御飯を食べに行ったり、遊びに行ったり、居心地は良い。

ただ、中国語ができない日本人は結構キツイ。家主のお姐さんは英語を多少話せるが、そのほかの住人の中国人は英語を話せない人が多い。僕がチェックインした前日には若い日本人女性が泊まっていたらしいが、言葉がわからなくて話ができなかったとコミュ強系中国女子が嘆いていた。

あと、いかんせん中国人が多いため、欧米から来ている人、マレー系の人が同じ場所にいても中国語で話し続けてしまうのは感じが悪いなと思う。自分もその輪に入ってしまっているから同罪ではあるのだが。それでも一緒に水餃子を作って食べたり、ひまわりの種を食べながら駄弁ったりする輪に果敢に入り込んでくる非中国人の住人たちには素直に尊敬しかない。それぐらいのグイグイ行く気持ちがないと、部屋でVPN経由のおっっそいネットでサーフィンするしかなくなってしまう。

ちなみに中国語ができない人向けのゲストハウスについても軽く触れておきたい。広州に行く前、深圳に着いてすぐに住んでいたゲストハウスだ。一泊1,300円。会展中心駅の辺り。おそらくチェーンのゲストハウスで24時間カウンターに人がいたし、鍵もカードキー、カードキーで施錠できる貴重品ボックスもあった。布団もふかふかで一日中寝れるほどの心地よさだった。しかし、そこでは同じゲストハウスに住む人同士の交流はなかった。お互いがお互いに距離感を持つ感じ。年齢層もバラバラだった。

学生の数人組で深圳旅行2泊3日とかで利用するのには最適だと思う。近くにコンビニもあるし、もう少し歩けば麺料理やお粥を食べられる店もあるし、スーパーや果物屋もある。この宿に泊まる時だけに限らず、中国では果物が日本に比べて圧倒的に安いのでぜひ果物を楽しんでもらいたい。

中国に来て1週間で大分慣れて来た深圳生活

ここの宿に来てから深圳に帰属意識が少しずつできてきた。これまでは深圳でバリバリ働いている日本人と知り合ってはいた。なので孤独、というわけではなく、相談もさせていただいていた。

でもやはり、どこかに孤独感があった。要は夜が暇すぎた。暇だと余計なことを考えすぎてしまう。東京に帰って、大学の友達と飲みたいなとか凌駕のラーメン食べたいなとかゲストハウスのベッドに寝転がって、寝る前になんども考えていた。

今、ここに引っ越して来てそういうことは無くなった。

「元気してる?」と聞かれれば、

「元気してるよ!」と心底から答えられるようになった。

今仲良くしているルームメイトも仕事を見つけ、それぞれの目標に向かって進んで行くことだろう。毎日2社も3社も面接を受けている彼らを見て、自分もしっかりしないとな、と思った。

深圳生活、やっとこさっとこ真に楽しくなって来た。





本noteを読了いただきありがとうございます。著者は大学(理系)を卒業して、大学院を蹴って深圳に住み始めるもたった1ヶ月で帰国してきた夢見る世間知らず系プー太郎です。フォロー、サポートいただきましてありがとうございます。