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浄土真宗法話「浄土真宗のお寺がある意味」

         「浄土真宗のお寺がある意味」
                                                     群馬県みどり市 西福寺  阿部信幾 師

                         築地本願寺に於いて

 浄土真宗のお寺ということについてお話を申し上げて見ようかと思います。
お寺にいったら大体「ご本尊」のないお寺はございませんね。
その「ご本尊」に、例えばお寺によっては「何かお願い事をしに行く」とか
禅宗あたりのお寺のご本尊は、自分より先に悟りをひらいた「お釈迦さま」
だから先生ですね。先生をご本尊として、その先生に倣うという意味でそこで修行する
というのが、禅宗のお寺のお釈迦様をご本尊とする理由みたいですね
浄土真宗の「阿弥陀如来」、しかも立った仏さま。座った仏さまがご本尊であるのは
浄土宗のご本尊です。
浄土真宗のご本尊は立った仏さま
これはどこからきているかといいますと
『観無量寿経』に韋提(いだい)希(け)というお城のお妃が阿弥陀様と出逢ったそのときが
空中に阿弥陀様が現れたということで、そのお姿をご本尊としているといいます
その阿弥陀様と出逢ったときに、韋提希が「信心」をいただいた
当時、お釈迦さまがおられましたから、お釈迦さまがおられたので、韋提希は
お姿として阿弥陀様のすがたを見ることができた
ところが今の時代の私たちは、お釈迦さまのいる時代じゃありませんので
おすがたとして阿弥陀様をみることはできません
だけどお名前がおすがたなんです
「南無阿弥陀仏」という六字の名号そのものが実はお浄土の阿弥陀様が
ここに届いている「お喚(よ)び声」とはいいますけれども
一文字一文字が仏さまのおすがたであると受け取っていいんです
これをご本尊にした、この名号をご本尊にしたのが
実は蓮如上人からの本願寺のすがたです
それまでは親鸞聖人のお墓が中心だったんです。
お墓の前に六角のお堂を造ってそこに聖人のおすがたを安置して
そしてみんな聖人にお礼を言ったわけですね
それを、御本尊を「南無阿弥陀仏」の名号にして
そして親鸞聖人の教えを伝えてくださったのが
蓮如上人ですから、今のような浄土真宗のお寺の形というのは
蓮如上人のときから始まったと言ってもいいんです。
蓮如上人のご教化というのは、難しいこともなんもないです
いわば、御本尊が「南無阿弥陀仏」ですから
もう私が、お浄土に参る証拠は
もう「南無阿弥陀仏」と届いている
その届いているものを形にしたのがお寺のご本尊なんです
だから浄土真宗のお寺というのは「お礼をする場所」なんです
そして御本尊の阿弥陀さま、
もっといえば「南無阿弥陀仏は」「いったい私にとって」「どういう意味を持っているか」と
いうことをお伝えしていく、言うなればお寺の住職の仕事であり、
その同じ南無阿弥陀仏の証拠をともどもによろこびあう場所が本堂であり
その南無阿弥陀仏をよろこびあう者同士を
御同行(おんどうぎょう)・御同朋(おんどうぼう)というわけです
だから仏教というのは御本尊がそれぞれみなありまして
「観音さま」がご本尊のお寺があれば
「お釈迦さま」がご本尊の場合もあれば
「薬師如来」がご本尊の場合もある
「阿弥陀さま」がご本尊の場合も
「座った阿弥陀さま」をご本尊としているお寺もあれば
我々のように「立った阿弥陀さま」をご本尊にしている場合もある
だから蓮如上人は「当流には、木像よりは絵像、絵像よりは名号といふなり。」と
おっしゃるのは木像が悪いという意味じゃないんです
木像であろうが絵像であろうがそれは
「南無阿弥陀仏の名号がご本尊であるぞ」というお示しが蓮如上人のお言葉だと
いただく必要がありますね
だからお寺があって、そこに名号が届いている。
それはその地域が明るいんです。なんで明るいか
だって「往く先」が明らかですからね
私たちはいつか死んでいかなきゃならんけども
しかし死んでいくんじゃありませんよ
仏の世界に生まれてゆくんだよ
「えっ なんでそんなことが言えるのか?」
だってあのご本尊、お寺のご本尊をどんなおすがたか
お聞かせあずかったら、私たちが間違いなく
お浄土に参るという南無阿弥陀仏の六字の名号が
お寺のご本尊でありますから「我々のお浄土参りは間違いないんだ」
「今度お会いするときはお浄土で会いましょう」と言える
そうゆう地域、それが浄土真宗のお寺があるという意味であり
そのお寺を中心にお浄土に参れるよろこびをともに味わいながら
暮らしてきたというのが実は浄土真宗のご法義が伝わってきたということでありますから
その前で『御文章』を読むということは、どういうことかというと
もう証拠が届いているんだから、こちらのはからいはいりませんよ
ただ南無阿弥陀仏とお念仏を申してお礼をするばっかりであります
というのが『御文章』ということになるわけですね

まあ時間はこのぐらいでやめさせていただこうと思います。
参考URL
https://www.youtube.com/watch?v=PuxzjuohVoM

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