見出し画像

ワークビザ申請時期を考える手がかりとなる8つの質問(2021年6月)②

前回に引き続き、ワークビザの申請時期を考えるうえでのポイントを挙げてみます。

6. 永住権を申請しているか、または申請する予定か
将来的に永住権技能移民部門(Skilled Migrant Category =SMC= resident visa)等の永住権申請を考えている方の場合、永住権申請からの審査期間が執筆日(2021年6月8日)現在で21か月から25か月かかるとされています。(審査期間は移民局ウェブサイトで確認でき、随時更新されます)
https://www.immigration.govt.nz/new-zealand-visas/waiting-for-a-visa/how-long-it-takes-to-process-your-visa-application

また、SMC resident visa、ワークビザとつながる永住権申請(Residence from Work =RFW= resident visa)のうち、優先審査対象外の申請(Non-prioritised application)について、移民局は2021年5月21日現在、2019年8月30日に提出された申請の審査担当オフィサーを決めているとしています。(この情報も移民局ウェブサイトで確認でき、随時更新されます)
https://www.immigration.govt.nz/new-zealand-visas/waiting-for-a-visa/how-long-it-takes-to-process-your-visa-application/smc-and-rfw-timeframe-information

上記を考えますと、現在ニュージーランドに滞在中で、永住権申請されている、または今後永住権申請を予定されている方は、今後2-3年間は一時入国ビザ(Temporary Entry class visas, visitor, work, student visaを含む)で滞在する必要があります。前回ご説明した所得基準(Remuneration threshold)引き上げが予定されていることを考えあわせると、現段階で最長3年間のワークビザが取得可能なのであれば、いまのうちにES work visaを取得する方が得策かもしれません。

7. どの地域から申請するか
2021年11月1日スタートのAE work visaでは、国内を下記の3つの地域に分け、それぞれでAE work visa申請手順が若干変わってくるということです。

①都市部(Cities) 【北島】オークランド(Auckland)、ハミルトン(Hamilton)、ウェリントン(Wellington)【南島】クライストチャーチ(Christchurch)、ダニーデン(Dunedin)
②労働者豊富地域(High Supply Area) 【北島】ノースランド(Northland)、マナワツ・ワンガヌイ(Manawatu-Wanganui)、ベイオブプレンティ(Bay of Plenty)、 ギズボーン・ホークスベイ(Gisborne/Hawke’s Bay)、タラナキ(Taranaki)、ウェリントン郊外(Regional Wellington)【南島】タスマン・ネルソン(Tasman/Nelson)、マールボロ・ウェストコースト(Marlborough/West Coast)
③労働力不足地域(Lower-Supply Regions) 【北島】ワイカト(Waikato)【南島】カンタベリー(Canterbury)、オタゴ(Otago)、サウスランド(Southland)

執筆日時点での移民局の情報では、①都市部と②労働者豊富地域の申請基準や有効期限に大きな違いはありませんが、③労働者不足地域からの申請は手続きが簡単になるようです。また、この基準は今後変わってくる必要があります。もし労働者不足地域から申請する予定であれば、AE work visaスタート後に申請した方が有利かもしれません。

8. 特定業種からの申請か
AE work visa導入を発表した2019年の時点では、外国人労働者を必要としているが、所得基準等を満たすことが難しいと思われる下記業種の代表者と業界別協定(Sector Agreement)を締結し、一般的な基準に満たない申請も優遇するとしていました。

在宅介護(Residential Care)
食肉加工(Meat Processing)
酪農(Dairy)
林業(Forestry)
陸上貨物輸送(Road Freight Transport)
観光およびホスピタリティ(Tourism and Hospitality)
建設業(Construction)
園芸(Horticulture)

移民局は2019年半ばから半年に2業種ずつ業界別協定を締結するとしていましたが、それ以降、締結したとの発表がありません。ですので、当初予定よりも進捗が遅れ、2021年11月1日のAE work visa申請スタートには間に合わない可能性が高いと思われます。しかし、将来的に業界別協定が締結されれば、上記業種での申請に通常より低い所得基準を適用する、といった優遇措置が出てくる可能性があります。

上記業種のジョブオファーでワークビザを申請する予定で、現在のビザの有効期限が1年以上あり、業界別協定の締結を待てる余裕があるのであれば、今後の動きを見極めるというのも1つの考え方だと思います。

AE work visaの申請基準はまだ詳細がはっきりしない部分が多く、現段階で明確なアドバイスができないことがもどかしいのですが、ワークビザ申請を考えている方は、上記の点を参考にしていただければと思います。

(この稿おわり)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?