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ワークビザ申請時期を考える手がかりとなる8つの質問(2021年6月)①

移民局が認定雇用主ワークビザ(Accredited Employer =AE= work visa)の開始日を2021年11月1日と発表したこともあり、最近、ワークビザ申請に関するお問い合わせを多数いただいています。2021年7月以降に所得基準(Remuneration Threshold)の変更も予告されており、「いつ申請するのがベストなのか」と悩まれている方も多いようです。そこで、ワークビザ申請時期を考えるうえでのポイントを考えてみました。

1. 現在のビザが2021年12月31日までに切れるかどうか
AE work visaは2021年11月1日からスタートします。同ビザは最も一般的な必須技能ワークビザ(Essential Skill =ES= work visa)と比べると、申請者にはあまり大きな変更はありませんが、ワークビザをサポートする雇用主は雇用主認証(Employer Accreditation)が必要になるといった準備作業が増えます。AE work visaスタート直後は雇用主認証が間に合わない可能性もありますし、年末年始は雇用主も移民局もクリスマス休暇に入りますので、AE work visaスタート前にビザが切れる方はもちろん、2021年中にビザが切れる方はAE work visaスタート前にビザを更新しておいたほうが良さそうです。

2. 永住権申請につながるワークビザが申請できるか
AE work visaスタートに伴い、現在のワークビザカテゴリーのうち6つが廃止されます。特に、現段階で永住権申請につながるワークビザ(Work to Residence = WTR= work visa)が申請できるのであれば、廃止前に申請されることを強くお勧めします。

WTR work visaは、これまでChefやIT関連業種の方がよく申請されていたカテゴリーです。一般的なES work visaに比べて申請可能業種が限られて申請条件が厳しい反面、同ビザを取得して24か月間以上働くと、ポイントや英語力の基準に関係なく永住権申請が可能になるメリットがあります。申請可能業種や条件は移民局ウェブサイトのSkill Shortage List Checkerで確認できます。
https://skillshortages.immigration.govt.nz

AE work visa申請スタートが2021年11月1日となったことで、執筆日(2021年6月8日)から申請準備をしても間に合う可能性があります。他のカテゴリーで永住権が申請可能な方でも、WTR work visaを取得しておくことで、ビザ承認後2年後に確実に永住権が申請できる権利をキープしておくことが安心材料になるかもしれません。

3. 廃止対象のワークビザを申請する予定があるか
ワークビザのカテゴリーはいくつかありますが、AE work visa新設の影響を受けるのはES work visa、WTR work visa、シルバーファーン・ワークビザ(Silver Fern work visa)のみです。ワーキングホリデービザ(Working Holiday Scheme = WHS= work visa)、パートナーに基づくワークビザ(Partnership-based work visa)、学習後ワークビザ(Post Study work visa)などは対象外です。

このため、廃止対象外のビザを申請予定の方は、申請を急ぐ必要はありません。例えば、ご家族でニュージーランドに滞在されていて、メインの方は廃止対象のワークビザ保持者だが、ご家族の方はメインの方との家族関係に基づくビザをお持ちの場合、

①メインの方のワークビザのみ2021年11月1日の変更前に、家族をサポートできる条件で更新しておく。
②ご家族の方は、現在のビザの有効期限切れ前に申請する。

という2段階でビザを更新するという方法もあります。

4. 時給25.50ドル以上のジョブオファーがもらえる見込みがあるか
ES work visaでは、ジョブオファーの時給25.50ドル以上であれば最長3年間のビザが発給され、ご家族のビザもサポートできます。これに対し、時給が25.50ドル未満ですと、最長6か月間しかビザが発給されず、ご家族をサポートすることもできません。つまり、現在の所得基準(Remuneration threshold)は時給25.50ドルとなっています。

所得基準はAE work visaにも適用されますが、時給25.50ドル未満の方は最長1年間となる予定です。ですので、将来的にも時給25.50ドル以上のジョブオファーがもらえそうにない場合は、AE work visaスタートを待ってワークビザを申請する方が有効期限が長くなる場合があります。

5. 時給27ドル以上のジョブオファーがもらえる見込みがあるか
2021年11月1日のAE work visa導入とは別に、移民局は2021年7月以降、所得基準を時給27ドルに引き上げると予告しています。もし、現在の雇用主から時給25.50ドル以上のジョブオファーがもらえそうだが、時給27ドル以上のオファーをもらうのが難しいようであれば、所得基準変更の前にES work visaを申請するほうがよいと思われます。

(追記:2021年6月12日)移民局が2021年6月10日、所得基準を2021年7月19日から時給27ドルに引き上げると発表しました。もし上記5の条件に当てはる方は、お早めにES work visa申請をご検討ください。


(つづく)

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