路地裏旅行社: ヨーロッパに行く5つの理由
1 行ってみたい
TVの旅番組で紹介されたイタリアのトスカーナの小さな村、雑誌に載っていた一枚の岬の写真、新聞に出ていたアイルランドの小島。自分が行ってみたいなと思ったところを切り抜いておこう。
旅行代理店のパンフレットが役に立つ。沢山もらってきて行きたいなと思うところを切り抜いて「行きたいノート」に貼っておく。地図も切り抜いて行きたいところに印を付けていく。
スペインのお祭り、ウィーンの音楽祭、フランスのワイン醸造、チェコのビール祭、ドイツのクリスマス市。行って参加してみたい祭もどんどん記入していこう。
イングランドのマンUの試合、カナリア諸島のサーフィン、スイスアルプスのトレッキング、フランスのツールドフランス。試合を見に行く、実際にスポーツに参加する。エストニアの合唱祭に参加する。部活の修学旅行の行き先を考えてみる。
フィンランドのアアルトの建物、コルビジェのレマン湖畔の母の家、ギリシアの山奥にある修道院、デンマークの椅子を見に行く。
行ってやってみたいことは沢山ある。あとはあなたの想像力次第。
2 貯金が出来た
旅に必要なのは金と暇。幸い貯金で10万円貯まったら、あと少しでパリに行ける。
旅に必要なのは「航空券」「ホテル」「食雑費」である。いわゆる「あご・あし・まくら」ですね。たとえば5泊6日パリの旅は、
航空券(10万円)+ホテル(1万円÷2×5泊)+1日(5千円×6)=15.5万円。
航空券は格安切符、オフシーズン料金。ホテルは☆☆を二人でシェアしたときの値段。プラス食事代、交通費、観光費。ま、こんなもんです。3泊6日のパリ滞在ツアーでも25万ぐらいするから、個人旅行の方が安いよ。
お金がないからと旅を諦めることはない。賢く旅行すれば旅費はいくらでも節約出来る。締めるところは締めて、自分がやりたいことにどかんとお金を使えばいい。航空券+宿泊費+1日の経費(食雑費) これだけです。漠然とお金がないからなあではなくて、これだけかかるからこれだけ貯めよう、と気持ちを切り替えよう。
3 休暇が取れた
どんなに忙しい人でも休息なしには働けない。働いたら、休む。それが現代人。いくら忙しい人でも仕事の区切りはあるはず。その区切りを目指して一生懸命働く。そして3ヶ月前に「1週間休む」ことを宣言してしまう。そして航空券を手配してしまおう。
私は3週間のヨーロッパ旅行に行くときは6ヶ月前に宣言した。ちゃんと上司にも得意先にも断った。半年先などもうずっと来ないかと思ったけど、意外にすぐやってき た。それだけ先から言っておくと仕事の方から避けてくれる。それに3週間といっても実質的に取った有給休暇は5日×3週間の15日間だけだった。有給は40日間も 余っていたので、それでも25日間も残ったのだよ。
今までの日本の休暇の取り方は、連休で休みになるからどこかに行かなくっちゃ、だった。これからは違う。自分がやりたいことのために計画的に休みを取る時代だ。スイス在住の娘は毎年、翌年の休暇計画を会社に提出しなければならず、否応なしに前の年に長期休暇の時期と期間が決まるという(なので一年前から予約するので、航空券もホテルも安い価格で好きなところが取れるのだという)。
今や、日本の労働者の年間休暇日数も、欧米と同じかそれ以上なのだ。一年間に土日が104日。国民の祝日が年16日(先進国では最大)。有給休暇が20日。合わせて140日、1年のほぼ三分の一は休みなのよ。前もって計画すれば2週間、3週間の休みは取れるはずだ。前もって計画的に休みを取ればよいのだよ。
4 TOEICで500点取った
はい、おめでとうございます。ていうか、それしか取れなかった、かな。ともあれ、今ヨーロッパでは英語が分かればまず旅行で困ることはない。あのフランスでさえ英語は通じるし、英国でさえ英語が通じる(笑) いや本当だって。初めてロンドンに行ったときは、訛ってる英語でこの人たち本当に英語をしゃべってるのかと思ったもの。でも英文は読めるし、少なくても英語の単語は分かる。アラビア語やロシアのキリル文字は読めなくても、ヨーロッパではアルファベット表記だから安心だ。辞書は引ける。スマホの翻訳だってある。
世界は英語で動いているわけではない。人間の世界は人間の言葉で動いており、まあ大体似たようなことをしゃべっているものなのだ。世界中どこでもどんなに困っても全く気持ちが通じなかったことはない。気持ちが通じればいいのであって、言葉が通じる必要はないのだ。
本当に困ったら、そのときは知らずに日本語でしゃべっているものだ。その点、関西人は強いぞお。市場で「たっかいなあ、まけてえな」と「大阪弁」でまくし 立てているのは関西人である。関西弁はひょっとしたら国際語かもしれない。少なくともちゃんと通じていることはたしかだ。
海外旅行は六つの単語で出来る。
「こんにちは」
「ありがとう」
「さようなら」
「どうぞ(ください)」
「はい、いいえ」
「いち、に、さん」
これだけである。どこの国にいってもまずその国のこの6つの言葉を覚えよう。その国の言葉でこの6つの言葉をしゃべることが出来れば、それだけでその国では快適で楽しい旅行が出来るはずだ。これだけはどこの国に行ってもすぐ実践していただきたい。この六つの言葉が出来るとほんとうの「個人旅行」が楽しめるはずだ。(私の友人はこの六つに加えて「ビール下さい」を入れろと言っているよ)
5 ヨーロッパは安全だ
ローマやマドリドでのスリやかっぱらいはまだ横行しているけれど、相対的に言ってヨーロッパは安全だ。市民生活が安定しているからだ。普通に旅をしていれば危険なことはない。それは日本と同じことだ。
結局それは自分の危険判断力に寄るところが多いだろう。日本でも危ないところは危ないし、危険なことは多い。事故や災難はどこにいても起こるときは起こる。基本は、起こりうる災難をどうやって防ぐか、である。
路地裏旅行社だけど、夜の路地裏ひとり歩きは(男でも)おすすめしない。
要するに日本と同じ心構えをしていればいいのだ。貴重品は常に身につける、危ない場所には行かない、夜の一人歩きは避け る、おいしい話には裏がある。当たり前のことでしょ。
これはもう世界中どこでも、日本にいても同じことがいえる。どの国にも、いい人もいれば悪い人もいる。でも、本当は圧倒的にいい人の方が多いのだ。困ったこ とがあれば助けてくれるし、一人でいれば話しかけてくれる。
案じることはない。基本的な身の処し方を身につけていれば世界中どこでも怖いことはないのだ。
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