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路地裏旅行社: 母のドイツ旅行

個人旅行もやってみればなんてことはない。やってみようと思う人には誰にでもできるんだ。

私の母が60を過ぎて突然「一人でヨーロッパに行きたい」と言い出してきたことがある。「初めての海外旅行」でしかも「独り旅」である。英語ももちろん話せない。

そこで、私は自分で母のための旅程を作った。そして私が知っている場所、ホテル、鉄道、駅など予約出来るところは全て予約した。そしてそれを細大漏らさず書き込んだ旅程ノートを作って母を送り出した。ドイツに支店がある旅行社にも万が一のバックアップをお願いした。

案ずるより生むが易し。ヨーロッパではとても親切にしてもらい、大変楽しい旅行をしてきたという。しかも、寒かったので着いたその日に一人でデパートに行って厚い防寒タイツまで買い込んだのだそうだ。ローテンブルグでは山のようにクリスマスオーナメントを買ってきた。母は一人でドイツ旅行を充分楽しんだようだ。

やるもんじゃありませんか。やってみれば出来るもんだ。母は今では毎年ヨーロッパに出かけている。前もって荷物を宅急便で到着地に送っておき、手提げ袋ひとつで行くという賢さだ。誰でも個人旅行は出来る。自分でやってみればその楽しさが解るというものです。

友人の母親(70代)は現地の同年代の女性と身の上話をしあって意気投合していたそうだ。お互い、それぞれ日本語と英語でしゃべっていたのだよ。コミュニケーションはコトバじゃないんだね。お互い日本語と英語でしゃべっていても通じてるもんなあ。母は海外に行くようになってから英語を習い始めました。

その母はいつも「これが最後だから」と言いつつ、「最後の」地中海クルーズやツアーに行ってました。ちなみに「死んだら灰はいつでもどこにでも行ける海に撒いて欲しい」と言っていました。遺骨は相模湾、江ノ島の沖に撒きました。



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