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『最長片道切符の旅』を旅する day11 秋刀魚は拾って食うもんだ

三連休最後の日、一ノ関から三陸方面に向かい気仙沼石巻を通って仙台まで。午後は「乗りつぶし」で仙石線、利府支線に乗車、新幹線で帰る。

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一ノ関 0602(大船渡線)0727 気仙沼 813(快速南三陸)(気仙沼線)0927 前谷地 0952(石巻線)1013 石巻(石巻線)1042(仙石線)1204 あおば通

一ノ関駅一関市にあるのだが、駅名にはの間にが入っている。何故だろうと思っていた。三ノ宮、西ノ宮と同じように誤読を防ぐためカタカナのノを入れたのではないかと思っていたのだが、単純に開駅当時は一ノ関村でその後一関市になったみたいだ。「ノ」には丸ノ内と丸の内問題もあるなあ。地下鉄は丸ノ内線、丸ビルは丸の内ビル。カタカナの方が古い表記らしいけど。

0530に開店したばかりのみどりの窓口で帰りの新幹線の予約を入れる。残り2席だった。あぶなかった。

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大船渡線始発列車の乗客は5名。大船渡線は「我田引鉄」「鍋弦(ナベヅル)線」などと言われる路線だ。本来真っ直ぐだった計画を地元選出議員が大きくねじ曲げてこんな凸型の大回り路線となった。これを今では「ドラゴンライン」などと言っている。しかしこの大回りもマイナス面だけではなく、この地方最多人口の町を経由し、また猊鼻渓(げいびけい)という観光地を発掘することにもなった。

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猊鼻渓は一度は行ってみたいと思うのだが、なにしろ汽車に乗ってしまうともう降りることが出来ないので(それを「乗り鉄」という)未だに行けていない。ああゆっくり旅行したいもんだなあ。

途中、陸中松川駅に三菱マテリアルのセメント工場があり、大きく山を崩している。次の猊鼻渓駅では川が大きく岩を崩し崖になっている。結局は人が山を崩すか、自然が自ずから山を崩すか、そのどちらかなのだな。

この旅行三度目の北上山地横断である。大きな漁港、気仙沼に到着。次の列車まで1時間あるのでタクシーで魚市場に行ってもらった。が、その日、市場はお休み(そりゃ三連休なんだから無理もない)、すごすごとタクシーで駅まで戻る。

タクシー運転手の話「台風っちうと昔は町を上げてのお祭りみたいなもんでね、船に乗れない船頭衆が街中にあふれかえって、まあにぎやかなもんだった」「いまじゃ船頭も給料もらってサラリーマンみたいなもんよ」「15年前の減船でここもめっきり淋しくなった」「サロンも客が全く来ねくてマダムもお茶っぴーだってよ」(お茶っぴーってなんですか?)「客が来なくてお茶ばっかり飲んでることよ」「11月までは戻りガツオ」「昔は秋刀魚(さんま)なんか買って食うもんじゃなかった。トラックの荷台からボロボロ落としたのをザルで拾ってまかないにしたもんだっけが」

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気仙沼 0813 発、気仙沼線、快速「南気仙沼」ほぼ満席。指定席車両が一両あり、こういうことなら指定席を買っとけばよかった。

0927 前谷地着。前谷地は読めそうで読めない駅名だ。前谷地(まえやち)という。アイヌ語の「モエ・ヤチ」(穏やかな)(湿地)という意味だそうだ。この駅の先には全国でも三つの指に入る難読駅がある。小牛田(こごた)駅である。これは読めんなあ。

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前谷地でお金を引き出そうと駅近くの郵便局に行く。が、三連休で休みであった。三連休にふらふら鉄道に乗っている輩には世間は冷たい。

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0952 前谷地から石巻行きに乗る。3分ほど早く列車が来た。右左どちらに座ろうかと迷うが、20分もかからずに1013 石巻に到着。

ここで1019発の仙台行きに乗る予定なのだが、あれ、1019発の列車がないぞ。次は1042発だ。おかしいな。改札を出て切符売り場のJR時刻表で調べてみると、なんと10月16日から新しい時刻表で、今日11日は、旧の15日までの時刻表であった。あいた、私は新しい方の時刻表で計画を立てていたのだ。どうりで先ほどの前谷地で列車が3分早く来たはずだ。列車は時刻表通り0952に来たのだった。

これは困った。ここでの30分はこの先の接続列車に関わってくる。本日はこのまま仙台から福島郡山まで東北本線普通列車で行く予定だったのだ。このミスのため、この先仙台からの乗り継ぎがうまくいかなくなってしまった。仕方が無いので今回は仙台止まりとして、残った時間は仙台周辺の乗りつぶしに当てることにしよう。やれやれ。

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石巻から1042発仙台、あおば通行きに乗る。あおば通 1204 着。JRには珍しい地下の終着駅だ。本日はこれで終わり。新幹線に乗って帰る。


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