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第7回 攻撃的な子供はどう育てられたか?

こんにちは。
伊藤 幸弘です。
本日も僕の記事を読んでくださりありがとうございます。

引き続き、子育ての悩みから、ひきこもりや非行など、子供の問題行動に悩んでいる親御さんに役立てる情報をお伝えしたいと思います。


前回のおさらい

◎最初から読む場合はコチラからどうぞ↓
第1回 なぜ子どもは荒れるのか?

◎佐々木正美先生との対談を最初から読む場合はコチラからどうぞ↓
第4回 本当は人一倍優しい子どもなのに

前回は
「コミュニケーション」の大切さについてお伝えしました。

子どもが社会でしっかり生きていけるようにまずは親が率先して
“どのくらい人とコミュニケーションしながら生きているか”
ということを見せていく必要があります。
そして次に、子どもをしっかり見てあげて
その子がどれくらいのコミュニケーション能力をもっているのか
見極めてあげます。

もしかしたら
子どもがコミュニケーション能力をあまり持っていない場合もあります。
その場合は
コミュニケーション能力が高まるように親が助けてあげることも大切です。
親子の信頼関係は
コミュニケーションという土台があって初めて作られるものです。

本日のテーマ
「攻撃的な子供はどう育てられたか?」

前回お話した
“コミュニケーション”というキーワードですが
”コミュニケーション”と言っても抽象的な言葉なので
なかなか実際にどうすれば良いのか分からない
と思う方もいるかもしれません。

頭で「コミュニケーションが大切だ」と分かっていたとしても
それを実践することはそれほど簡単なことではありません。

また、子供のことを理解したいと思って
荒れている子どもに対してコミュニケーションを試みても
子どものことが何も分からず
途中で諦めてしまうケースもあります。

そこで本日は
もっと子どもに対する理解を深めて頂く意味を込めて
引き続き佐々木先生との対談を通じて
「子どもの荒れ」について深く掘り下げていきます。

実は「荒れ」には2つの種類があるのですが
そんな話のなかからもぜひ
問題解決の糸口を見つけて頂ければと思います。


■伊藤:
僕ね、荒れには
「健全な荒れ」もあるし
「病的な荒れ」もあると思うんです。

●佐々木:
あるでしょうね。
人間の色々な問題はたいていが連続しているんです。
健全も不健全も正常も異常も
みんな基本的には連続性で
あるところから健全が不健全に
正常が異常にと質が変わっちゃうんです。

例えば急性肝炎という病気がありますね。

治療がうまくいかなかったり
病態が悪かったりすると、急性肝炎から慢性肝炎になる。
慢性肝炎からさらに悪くなると肝硬変になっていく。

肝炎の延長線上に肝硬変があるんですが
肝硬変になった時点で病気の質が違っちゃう。
でも連続性で起こっているんだよね。

病的な荒れと正常な荒れというのも
たぶん連続性だと思うんですよ。
だけど、どこかで質が変わっている
そこを伊藤さんは感じているんだと思う。

■伊藤:
病的な荒れというのは、理由がある荒れだと思うんですよ。
たとえば学校がおもしろくなくて校内暴力を起こすとか
先生が気に入らないからぶっ飛ばすとか
家がつまらないから暴走族に入るとか。
何か理由のある荒れが病的な荒れだと僕は思うんです。

●佐々木:
なるほどね。
親にしてもらえなかったことがたくさんあって
思い残したことがいっぱいあると、人は自分を粗末に考える。

そして死にたくなったり人を傷つけたくなったりする。
攻撃性が強くなり、自分を否定する感情も強くなる。

理屈で簡単に説明はつかないんだけれど
人間は自分が粗末な育てられ方をすると人を粗末にしたくなる
これは確かですね。
病的な荒れというのも、そこが要因なのかもしれない。

■伊藤:
しかも健全な荒れにもね
病的な荒れにいつでも変わってしまうような要素が
潜んでいると思うんです。
単なる不登校から家庭内暴力に移行しちゃったりするのも
そうじゃないかな。
さっきの肝硬変の話じゃないけれど・・・

●佐々木:
私たちは
「無差別な殺傷事件を起こすなんて病的だ」と思いますよね。
恨みのない人を傷つけたりするわけでしょ。

確かに病的なのには違いないんだけれど
そういう人たちはもう間違いなく
粗末な育てられ方をしてきたわけですね。

粗末な育てられ方をされるとなぜ人を粗末にしたくなるのか
なぜ攻撃したくなるのか
これはハッキリとは言えないのだけれど
僕はどこかに腹いせのようなものがあるという気がする。

■伊藤:
僕流に簡単に言うとそれはわがままだと思うね。

●佐々木:
わがままというのは、大切に育てられてこなかった子の特性だよね。

■伊藤:
ええ。
そのわがままが、なんで思春期になって成人になって出てくるのか。
僕は幼児返りするからだと思うんですよ。

●佐々木:
なるほど、それはおもしろい理屈だ。
でも確かにそうでしょうね。
ただ幼児返りをしているのか
成熟していないままだったのかというのは判断が難しいけれど。

■伊藤:
もちろん成熟していないから幼児に戻っている。

●佐々木:
精神分析家であり思春期理論の世界的第一人者の
エリク・エリクソンというアメリカの学者が
「見せかけの前進」
という言葉で言っているけれど
スパルタ式に厳しく育てられると子どもは一見前進したように見える。

けれども見せかけだから何かの時に反作用が起こる
メッキが剥げて大きく後戻りしてしまうと。
それが我々には幼児返りに見えると。
こういうことでしょうね。

■伊藤:
結局は愛情不足でそうなってしまうんだよね。
つまり親の勝手、親の矛盾ばかり押しつけられてきたから。
押しつけられた矛盾の数によって
思春期にいろいろな問題が出てくるんじゃないかな。

要は、自分の要求を親に受け止められてもらえないストレスが
強い欲求不満を引き起こす。
その強い欲求不満がピークに達するのがちょうど思春期。
だからこの時期に攻撃性を発揮したり
万引きしたりという行為につながってくる。

●佐々木:
万引きも攻撃ですからね。

■伊藤:
ええ、すべて攻撃性につながってくるわけで。

子どもの荒れっていうのはすべて親の愛情を求めた荒れだと思う。
そういう点では、肝硬変と違ってなおる確率は高い。
100%と言っていい。

●佐々木:
大いにありますよ。
精神科医の医者のなかには
「100%の可能性がある」
とは言わない人もいるかもしれませんが。

だけど僕は100%の可能性があるんだと考える方が正常な感覚だと思う。
楽観論ではなくてね。
そう思う方が僕はいいと思いますね。


本日の対談はここまでです。

「荒れ」には
正常な荒れ、と異常な荒れ、
の2種類があるということをご理解頂けましたでしょうか。

そして例えば
子どもが“正常な荒れ”の状態であったとしても
いつでも“異常な荒れ”に変化し得るということは
ぜひ押さえておいて頂きたいポイントです。

いずれにしても子どもの荒れの背後にはいつも
“愛情不足”が潜んでいます。
もし今あなたの子どもが荒れているのであれば
子どものことを粗末に扱ってしまったような記憶はありませんか?

もしも思い当たることがあるのでしたら今からでも改めてみてくださいね。

あなたが変われば子どもにも何らかの変化が訪れるはずです。
でも、
「それでもやっぱり子どもの荒れが変わらず
相変わらず悩み続けています」
そんな場合はどうするべきでしょう。
医者に頼るべきでしょうか?

答えは絶対的に “NO” です。

なぜダメなのか、それは次回お伝えしたいと思います。
病院に行って安定剤を処方してもらって
それを子どもが飲んだとしても何の解決にもなりません。
薬は荒れの原因を取り除くことができないのです。

次回もあなたにとって価値のある情報を提供致しますのでぜひ期待してお待ち下さい。

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それでは本日も最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
1日も早く良好な親子の信頼関係が築かれることを願っています。


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