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土木技術者が読んでおきたい書籍 ~委員によるビブリオバトル~ vol.4

土木技術者の皆さん、こんにちは!教育小委員会の武藤です。

11月に入りました!今年も残り2か月で終わりですね・・・いろいろと思い残しがある私なのでこれから駆け足で片づけて行きたいと思います!ひとまず、年末年始で食べる美味しいものをじっくり吟味しないと!!そんな美味しいものを探しつつ食べつつ、読書の秋終盤に土木技術者として読んでおきたい本を紹介します。ビブリオバトル、第4回目はこの本だ!!

「実務に役立つ耐震設計入門ー2022年改訂版ー」です。

この本は2011年1月に出版されてから10年の時を経て新しくなった耐震設計の入門書です。10年の間に新たな被害地震の発生や、それに伴う耐震基準の改定などにより内容が更新されたそうです。新設でも既設でも耐震の理念が大きく関わる土木技術者にとって読んで間違いない本になります。

この本について井川委員のコメントでは、

「兵庫県南部地震(1995年)、東北地方太平洋沖地震(2011年)など、日本は数多くの巨大地震の被害を経験してきました。土木構造物の設計では、耐震設計として地震による影響を考慮した設計が行われています。耐震設計は過去の地震被害の経験とそれに基づく理論の展開によって基本体系が形成されています。また、地震によって構造物がどのような大きさで揺れるのか定量的に評価することが重要です。私は現在、耐震設計を中心とした設計業務を担当していますが、学生時代から耐震設計を専門的に学んできたのではなく、設計を担当する部署に配属になってから耐震設計について学んでいます。最初は聞いたことが無い専門用語も多く、全く理解できませんでした。私と同じように社会人になってから耐震設計を学ぶ人は多いと思います。耐震設計を担当することになってから様々な基準書、書籍、講習会などで学び少しずつ理解することができました。今回ご紹介する「実務に役立つ耐震設計入門ー2022年改訂版ー」は、私が良く参考にした書籍の1つです。タイトルのあるように、実務に役立つ耐震設計の情報がわかりやすく説明されています。地震は地盤から伝わってくる振動であり、地盤の性質によって振動も変わってきます。その振動が構造物に伝わり地震時の挙動にも影響を与えます。地震の伝わり方、地盤の状態、構造物の振動モード、被害のすべてをイメージすることは非常に難しいです。この書籍を読むと耐震設計の実務で考えていることについて学ぶことができます。

2022年に改訂され、「第3章 耐震構造計画」が追加され、考慮すべき事項について解説され、より良い設計をするためのヒントが書いてあります。

この書籍を編集した地震防災技術普及小委員会では、「土木学会による実務者のための耐震設計入門:基礎編」のセミナーを毎年開催しています。https://committees.jsce.or.jp/eec202/node/119今年度は10月14日に開催され、私の同僚も参加して耐震設計について理解が深まったと好評でした。2023年1月18に「土木学会による実務者のための耐震設計入門:実践編」が開催されますので、興味がある方は参加してみてはいかがでしょうか?https://committees.jsce.or.jp/eec202/node/126

実務では多くのことについて学ぶことが必要であると思います。今後も皆さんに役立つ書籍、講習会を紹介していきたいと思います。」

教育小委員会 井川委員

とのことです。実体験とセミナーの紹介、ありがとうございました!

第3章のお話がありましたのでそちらを読んでみますと、「耐震構造計画ではその他の構造計画と異なり、通常の検討以外の「留意事項」が重要となる」というお話がありました。留意事項について一覧表にしていただいているのですが、確かにどれも重要なことであり通常の検討だけでは判断が難しそうです・・・本文に書いてありましたが、「技術者の想像力が重要となる」というのがその通りだと思います。私も井川委員のように耐震設計について関わることが今後多くなり、この本がその1歩だと思います。実際にこの本を読む直前に耐震補強工事のお話が来ましたので、非常に助かりました!橋脚が破壊した状況も写真があって分かりやすかったです。

ぜひとも今後関わってくる内容だと思いますので、皆さん読んでみてください!!
そして、セミナーにも参加してより知識をつけましょう!!!!

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