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土木学会『論説・オピニオン』

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土木学会では、会員だけでなく広く一般社会に、土木に関わる多様な考え・判断を紹介し、議論を重ねる契機とすることを目的に、社会に対する土木技術者の責務として、社会基盤整備のあり方・重…
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#ダイバーシティアンドインクルージョン

理工系分野におけるダイバーシティ&インクルージョンについて

吉田 秀典 論説委員 香川大学 東京大学が、2017年4月より、教養学部前期課程への入学から最大2年間にわたり、通学時間が90分以上の一人暮らしの女子学生に月額3万円の家賃補助を提供する制度を導入することを発表した。この制度の狙いは、当時、約20%に留まっていた女子学生の比率を上げることであり、2010年から2015年まで毎年改定されてきた『東京大学の行動シナリオ FOREST2015』においても、「2020年までに女子学生比率30%」「2020年までに女性教員比率20%」

土木現場におけるダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の推進

阿部 友美 論説委員 株式会社奥村組東北支店土木部 このほど中山間地域での山岳トンネル工事(NATM)の現場から、市街地で道路の下にトンネルを非開削工法により構築するアンダーパス工事(R&C工法、ESA工法併用)の現場に異動となった。施工場所の周辺環境は一変し、通勤も車で片道27kmであったのが、今は徒歩で1km未満である。労働基準監督署に提出する「建設工事計画届」の事業種類が「ずい道」に分類される点は同じだが、施工方法は大きく異なり、多様な工法に携われることを非常に有意義

ダイバーシティ&インクルージョンについて ~働き方の動向を交えて~

田中 茂義 論説委員 大成建設 ダイバーシティ&インクルージョン(以下、D&Iと略す)はいまや社会倫理として定着しつつあり、職場や家庭はもちろんのこと社会全体が取り組むべき規範として流布している。企業においては昨今の担い手不足、価値観の多様化、グローバル化による競争の激化等に対応すべく多様な人材が活躍できる働き方を模索し、生産性の向上やイノベーションにつなげようとする動きがある。D&Iとは外面および内面の多様な属性(D)を受け入れ尊重し活かしていくこと(I)であるが、D&I