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土木学会『論説・オピニオン』

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土木学会では、会員だけでなく広く一般社会に、土木に関わる多様な考え・判断を紹介し、議論を重ねる契機とすることを目的に、社会に対する土木技術者の責務として、社会基盤整備のあり方・重…
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2020年8月の記事一覧

流域治水に内包される「不利益配分問題」に土木の総合力を

藤田光一 論説委員 公益財団法人 河川財団 河川総合研究所 所長  近年、治水インフラの能力を超える豪雨が頻発し、気候変動影響がこの傾向を強めるとの懸念も増している。治水目標達成に向けインフラ整備を引き続き進めること、治水安全度(氾濫生起の可能性が抑えられる度合い)が気候変動影響により後退する局面に備え、それを加速・充実させていくことはもちろん、河川からの氾濫による被害が深刻にならないよう、「被害をマネジメントする」方策を合わせて拡充する必要性が高まっている。  おりしも

メンテナンスとロボット

小宮一仁 論説委員 千葉工業大学 学事顧問  老朽化した土木構造物が増加し、また点検・整備等に携わる人員の確保が難しくなる時代には、維持管理の生産性の向上に寄与する新技術を開発しなければなりません。筆者は、維持管理のための情報収集(点検・検査等)には小型ロボットの活用が有効であり、小型ロボットを使うためには、土木技術者がロボットの開発に積極的に関わることが重要であると考えています。  筆者は、シールドトンネル工事におけるシールド機の制御と地盤や近接構造物の挙動との関係を解

土木学会「論説・オピニオン」について

 土木学会では、社会に対する土木技術者の責務として、社会基盤整備のあり方・重要性、国際社会における我国の貢献、地球環境・地域環境保全に対する土木技術者の役割、あるいは公共事業をめぐる社会問題など土木を取り巻く広範な問題をタイムリーに取り上げ、それらに関する土木技術者はもとより多彩な方々の見解・見識を『論説・オピニオン』として、広く社会に発信しています。『論説・オピニオン』は、土木学会会員のみならず広く一般社会に、土木に関わる多様な考え・判断を紹介し、また、議論を重ねる契機とす